0<X≦2人の王子様
ドアのわずかなスキマから、
そっと隣の部屋を覗く私。

するとそこには――

ノ―トパソコンにむかう
真行寺蓮と、

その隣で画面を見つめる
吉田さん。


(は………?なにして……

ていうか真行寺………

キ―ボ―ド打つ手が
恐ろしく速い………)


距離が離れていて
画面はよく見えないが、

二人の会話は
ハッキリと聞こえてきた。


「真行寺くん、いつも
ここで作業してるの??

部活にも来ないでさ…」


「部室は非常に騒がしくて
落ち着かないんだよ」


「でも皆、心配して…

再来月の
プログラミングの
コンテストでも、

真行寺くんは
うちの期待の星なのに」


「コンテストの課題は
ちゃんと進めてるし
大丈夫だ」


「でも………」


「出てってくれないか??」


「でっ…でも…
理由が分からないもの!!!

そんな嘘ついて
回りに心配かけてまで

来ない理由って
なんなのよ!?!?」


「吉田さんには関係ない」


「なっ…なんなの
人が心配してるって
いうのに………


もう知らない!!!!!」
< 14 / 56 >

この作品をシェア

pagetop