0<X≦2人の王子様
★本当の私
キ―ンコ―ンカ―ンコ―ン

「よっしゃ!!帰るぞ!!」

鳴り響くチャイムに
勢いよく立ち上がる私。


「えっ菜花もう帰るの?」


「うん、今日急いでるから
真行寺より先に教室出たいの」

「蓮くんより先に???」

「そう。アイツが帰る時って
校門の前、女子が溢れて
つっかえちゃうでしょ」


「あ―まあねえ」

「ってことでじゃあね!」

「うん、バイバ―イ」



―30分後―

「ただいま翔きゅん」

一歩家に足を踏み入れた
その瞬間、私は

[サバサバ系女子]から
[アイドル オタク]へと
変貌する。


「あ―菜花、お帰り―
今日は早いわね―」


「ちょっとお母さん!

今の[ただいま]は
翔くんに言ったの!

お母さんに
言ったんじゃないのに!!」


「それって…
玄関の真行寺翔のポスター
にむかって言ったってこと?

あ―我が子ながら情けない!」


「なによお!私の勝手じゃん!」

「お母さんはさ、
宅配便とか来るとね、

すっごく恥ずかしいのよ
そのポスター。

頼むから剥がしてくれない?」


「やだ!!!」
そう大声でいって
階段を上り、

私は自分の部屋のドアを
バタンと閉めた。
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