0<X≦2人の王子様
ほぼクラス中の女子が
立候補する事態に
ア然とする先生。

「ちょっ…こんなにいんのか」

美佳とあかりに至っては
汚い小競り合いを
繰り広げていた。

「ちょっと美佳!
あんた次の英語で宿題
当てられてるでしょ!

手伝いなんてしてる場合じゃ
ないんじゃないの!?!?」


「そういうあかりも
今日までの数学の課題
全ッ然終わってないくせに!」


恐ろしい形相で言い争う
女子たちに、

先生と真行寺くんは
完全にうろたえていた。


「あ―…どうしようかな…」

「先生、この際じゃんけんで
決めましょう!!!
本気勝負です!!!」

目に炎がちらつく
あかりに、先生は
なだめるように言う。

「この多人数で
じゃんけんなんかしたら
日が暮れるだろう」

「じゃあどうするんですか!!!」

そういって
詰めよってくる女子らに

気圧された先生は、
うろたえるように
教室を見回した。

そして―

教室の隅で

夢中になってお弁当を
かっこんでいる私に、
目をつけた。




「おい佐久間!!!」



こうして私は、
真行寺蓮と一緒に

体育館倉庫で
作業することとなった。
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