0<X≦2人の王子様

体育館倉庫で、、、

そんなこんなで
体育館倉庫に
真行寺蓮と二人きりに
なった私は

なんだか少し
イライラしていた。

だって、
至福のランチタイムを
邪魔されたんだもん。


私のイライラを察してか、
真行寺くんが
申し訳なさそうな
表情をしている。

「佐久間さん、
巻き込んじゃってゴメン…」

「べつにっ!」
私はツンとした答え方を
ついしてしまう。

イライラに重なって、
真行寺と二人きりという
緊張感が

その時の私を更に
つっけんどんにさせていた。


私の態度に完全に
困り果てている真行寺。


「あ…あ―ほら、僕、
今まで一回も佐久間さんと
話したことなかったし、

せっかくだから
なんか会話しながら作業…」


「しゃべるヒマあるなら
手を動かそうよ!!!

はやく切り上げたいんだから」


「あ…そっそうだよね…
ハハハ………」


気まずい沈黙が続くなか、
私はひたすら作業に
没頭してるフリをして

本当は真行寺が気になって
注意散漫だった。

多分、
それがいけなかったんだろう。

私は、自分の背後で

バスケットボールが
雪崩れていることに

全く気がついていなかった。




「危ない!!!!!」
真行寺がそう言った時には
もう―――――――



――――――遅かった―――
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