0<X≦2人の王子様
勢いよくドアを閉めた
菜花は部屋に入ると、

制服を着替えもせず
ベッドの上で
ゴロゴロしだした。


「今日のミュージックSHOW
(=音楽番組)、
翔くんゲストだから
楽しみだなぁ―

あ―もう!!楽しみすぎる!!
夜まで待ちきれない!!!」


ハイテンション
だったかと思うと、

今度は急に
グチりはじめる菜花。

「学校のみんな
『私は蓮くん派』とか
全ッ然意味わかんない!!

どう考えても
翔くんのほうがカッコイイ!!

蓮くんファンって
頭オカシイんじゃないの?」


はぁ―っと
溜め息をつく菜花。


「なにより許せないのは、
真行寺蓮を利用して

翔くんとお近づきに
なろうとする女ども…


大体さあ、真行寺も
調子にノリすぎなのよ!!


こないだホ―ムル―ムで
文化祭について
話し合った時とか

最初から
ミスコン出る気
まんまんだったくせに

わざわざ出たくないそぶり
しちゃって!!!

クラス中から
『蓮くん出て―お願い』

って言われたくて
渋ってたのバレバレ!!!

嬉しそうに頬染めてたの
見たっつうの!!!!!

本当、あんな男の何が
いいんだか…………

翔くんの足元にも
及ばないよ!!!」
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