0<X≦2人の王子様
次の朝―

「おはよ皆!
昨日のテレビ見た?」
(あかり)


「見た見た!
カッコよかったよね!」
(みか)


「翔様って
意外とシャイだよね」
(さとみ)


「わかるわかる!
あの恥ずかしがりなとこ
可愛いよね!」
(かのん)


私も本当は………
会話に加わりたい…

けど私は、皆に
彼のファンであることを
内緒にしている。

え?何故かって?

恥ずかしくて、
素直に好きって
言えないから。

隠れ2次元好きな私は
声優さんが大好きで、

真行寺翔が声優として
デビューしたての頃から、

大好きだった。

つまり私は、

翔くんが
幅広いタレント活動を
はじめる前から

大ファンだったわけで、

うっかりこのことが
バレてしまうと

自分がアニメオタク
であることの
カミングアウトに

繋がってしまうのだ。


そんなの、

学校では
サバサバ系で通ってる

私のキャラじゃない…


本当、それだけの理由。
自分でも

見栄っ張りの
ガキだなあと思う………


分かってるけど………

自分が馬鹿だって
分かってるけど…………

それでも私は
みんなに、

「またそんな話?
くっだらない!!!!」

って、本音とは
ぜんぜん違った言葉を

言ってしまう。
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