水がすべてなの
「兄ちゃーーー」
「あ?入学式終わったか?」
「まぁね。」
ちゃんと部屋にいた。遊びには行っていなかった。
僕の兄、城戸 悠。高校2年生。
同姓同名というわけではない。僕が「はるか」に対して兄ちゃんは「ゆう」なのだ。
「んで何の用だ?」
「兄ちゃんって何部?帰宅部ってある?」
…そう。実は僕がここの高校を選んだ理由は「頭に合っているから」というだけで、高校のことを全然調べていない。パンフとかもう捨てたしな←
「帰宅部はないぞ。
それに後でちゃんと部活動紹介あるから大丈夫だ。」
「帰宅部ないの!?
じゃあ兄ちゃんって何部!?」
「俺のなんて気にするなよ。」
そう言って足早に部屋を出ていった。
pipipipipipipipipipi…!!!!!
「うおっ!?なんだ!?」
どうやら兄ちゃんの携帯からだった。
覗きは趣味悪いけど…
「……メール…」
い、一応僕は今日から携帯持ちだからなっ!それに機種同じだし少しくらい…アドバイス程度に覗いたって……。
「………水野…流生?」
なんて読むんだ?りゅう…せい?
どうやら友達かららしかった。
「えぇと…『今日は行かない』…?」
なんだろう。遊ぶことにしていたのかな…。
「………おい?」
「わあぁぁごめんなさいいいい!!」
気がついたら兄ちゃんが部屋に戻ってきていた。
「あ、ああああのメール来てたよ!!」
「分かったから出ていけ。」
「はい了解しましたっ!!」
兄ちゃんってどこか無愛想で。時々怖くなる。
それなのに成績とかは良くて…なんで僕みたいな中の中くらいの頭に合っているここに来たのだろう…。
「………寝よう…」
考えたって仕方ないし。兄ちゃんは話してくれないことくらい分かっているし…。