俺とアイツといとこ殿!
俺とアイツといとこ殿!

キーンコーン!キーンコーーン・・・

電子チャイムが鳴る。もちろんここは学校で。

俺はこの開放音が好きだ。

見えない鎖が一気に消える。

そんな気がするからだ。

部活やバイトで身支度をしたりするやつはいるが

俺様は帰宅部。当然にしてかったるい。

朝から部活で汗かいて全国目指して夕方から夜まで汗かいて・・

ってのは苦手なので。
正直やってられないと思ってしまうのだ。

真面目にやることが悪いとは言ってない。

俺の真面目にやる部分はそこじゃないだけ。

とりあえずカバンを整理してるうちに親しい奴らが寄ってくる。

いつものように。・。・。・オトコクセえ。

今日はどこに行くとかはだいたい多数決で決まる。

「よう神咲。カラオケいかね?」金髪のソフトモヒカンが話しかけてくる。

あだ名は「キンカン」だ

「別にいいけど??」どっちでもいいというふうな態度でYESと答える。

俺はバイトもしてないが親が甘いからお小遣いで不自由したことはない。

ちょっとした給料もあるし。

ちょっと太ったB系の「さとプー」が

「どうせなら女子誘わねえ?」

きもい顔で笑っていう。

下町って感じの笑顔に俺は内心ほっとする。

でもその提案を聞いた俺含む6人は色めき立ってアゲ↑モードに移行した。

「その案には激しく同意であります!」

一人が挙手するとみんながふざけてする。

俺も挙手したしね。
高校生だからさ、女子に興味がないわけない。

そうすると、キンカンが
「なあ・・Bの神咲さんってお前のいとこだろ」

なぜか照れくさそうに言った。

「そうだけど?」

俺は最後まで聞かなくても概要が見えてきた

「いとこ殿も誘ってくれよぉぉぉ」

懇願の眼差しをチームメイトから受ける。

おれは若干以上ひきつつも、

「自分で誘えば?」と冷たく返す。

「俺らじゃぜってぇきてくんねえし!」

「というか話しかけられない」

「笑いかけてもらえない」

口々に本音を言うのだった。

「なんで?」

そんなに鬼のような女だったかな・・?

俺は不思議に思った。

ことを口にしたとたん恐ろしい目で見られた。

「あの神咲さんだぜ?女神の生まれ変わりの。」

そ、そうだっけ?女神だっけ??

「お前も神咲だけど世界が!オーラがちがうんだよぉぉ」


「何言ってんだか。」

呆れ顔を作って俺は言う。
こんなのもう慣れっこだ

「じゃあ違う女子誘えば?くだらねえことしてる間にみんな帰っちゃうぜ」

俺は女神の生まれ変わりのいとこ殿じゃなくてもいい。

「確かに。」

「絶対不落の花を狙うより・・」

「それに神咲さんって連れいねえしな」

口々にみんなが最もらしい逃げ口上でぶつぶつと言う。

結局カラオケは以外にマメなさとぷーがミクちゃん?にメールをして

OKをもらったので街中で待ち合わせて合流することに決定した。

なんで可愛目のミクちゃんがOKくれたかというと俺のツラで釣ったらしい。

魚を釣る魚か俺は。

友釣りってやつじゃねえか!

ぞろぞろと花に吸い寄せられるミツバチたちは決められた仕草で下駄箱に向かい
靴を履き替える。

えーっと合流地点は駅前のカラオケの前のマックの2階だっけ・・


「あ。純ちゃん」

聞いたことのある澄んだ声が俺に向けられた。

「おう今帰りか?」

靴箱の前でマイ「いとこ殿」にばったり合う。

いとこ殿は俺を純ちゃんと呼ぶ。

サラッサラの長い髪を後ろにやり靴を履き変えている

後ろにやってるのにまたしゃらんってCMみたいになる。

「まあそうだ。家で今からクソゲーをする。」

顔のつくりはまあまあいとこだから似てるほうだけど何かが根本的に違うと

みんなが言うのも分かるし一目置くのもわかる。

それより・・ク・・クソゲー??クソとわかっていてするものなのか?

周りにいたはずの奴らは柱の陰に隠れちまうしなんだかなあ・・・。

流華と一緒にいるとすんごく注目を浴びてしまうぜ。

「ああそうだ純ちゃんチョコいる?」

唐突に聞いてきた。

瞳の中には太陽の反射でキラキラが入っているように見えてしまう。

「チョコ?(バレンタインは終わったはずだが)食べるけど」

「そうかよかった。」

流華は明るくなった表情で手にもっていた紙袋1個を渡してきた。

「なぬ??」お、多い。

「貰ったのだがこんなに食べない。」

ああ確か調理実習で先週俺も貰ったっけ。5個・・

俺よりもらうんだな人気ものめ。

何故かお前の作ったチョコは入ってるのか?と聞きそびれたけど。

「カラオケ行くからみんなで食べるよ。ありがとう」

「お優しいことで。プクク」

この音も無く気配もなく近づく粘着質の声は「神咲瞬一」

ビジュアル系を意識した爪や髪の毛、シルバーアクセつけ放題ピアス女食べ放題男

さっきから話してる紅一点が「神咲流華」

俺は「神咲純一」ややこしいが長男は一(いち)がつくようになってる家系なんだ。

親族の集まる集会いくともっとややこしいぜー

「流華 僕一緒に帰っていい?」

「いいよ。クソゲーやる?」

「うんやる。じゃあかえろっか。バハハーイ糞ヤン」

アイツが手を逆さまにふりルカの手を取って遠ざかっていく。

「バハハーイってなんだ?」

「バンドで流行ってるブーム」

「ブームか・・なるほど」

「クソゲもいいけどもっと体動かす気持ちいいゲームもする?」

「ゲームで気持ちがいいのか?うんやろう」

振り向き勝ち誇ったような顔でにやりと笑いルカの腰に手を回して去っていった。

俺は少し追いかけて

「ちょおおっと!!タイム!!タイムったらタイムだ!待て糞ビジュ」

俺は待ったをかけた。

「なんだよ」アイツはめんどくさそうに言う。

「どうした純ちゃん色が・・モヤモヤと・・」

「確かに。ウィィフィットしらないのかね」

純一(アイツ)はわかってるけどね♪って顔をする。

いちいちむかつく奴だ。

「あのさー流華俺も行っていい?」

目をそらして俺は言ってみることにした。何か小っ恥ずかしい。

「カラオケ?は?」

ルカの答えは答えれそうにないからとりあえず走ってあいつらの方に行った。

走ってる途中に思った

「流華は警戒心てもんが・・・」

あれ声に出てる。ひとりごとだ。
独り言。お一人様語!

「あのさー俺抜きで!行ってきてよ。用事がその・・できたのです!」

「見てたぜー神咲さんの処女を守れ!漢・神咲!」

「なんだよキンモヒ俺はそうゆうんじゃ・・ないっていうか」

「そうだそうだビジュ系にはまけんじゃねえ」

やいのやいのがよくわからなくなってきたし二人が遠くなっていく。

「よくわからんがちゅうことでまたな。これ。ルカが貰ったチョコやるよ」

「おおおおぉぉでかした神咲。いとこ殿のチョコもはいってるやもしれん。それにどちみち女子の手作りだーい」

友人の了解も得たところでマッハで走って追いつく。

多分入ってないと思うけどな・・・

まあ喜んでもらうってのが一番だよな。
お菓子って。うんうん。

既に校門のところまでやつらはあるいてた。

「流華!」「あ。純ちゃん」

「チ」

ん?一部嫌な音入りました。

「カラオケの人数増えたみたいでさ。
男と女の人数合わないから辞退してきた。チョコは渡したぜ。家行っていい?」

ルカに読まれないように色にシールドを貼る。

そもそもわざわざあいつじゃあるまいし見ようとはしないけど。

「いいよコントローラーは3つある」

ルカが俺とアイツと3人で手を繋いだ。

街でいる人は俺たちを見てどう思うんだろう。

俺が思ってるほど興味ないか。

ルカは心なしかうれしそうに見えた。
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