俺とアイツといとこ殿!
「僕?は・・」

僕は最初から徒党を組もうとは思ってなかった。

此処で成果をあげて健康体で帰ったら純血候補じゃなく純血として扱われると思ったからだ。

植物の知識が少なかった僕は図鑑を手にしてそれに暇つぶしにもなるし

木陰を作って寝床を確保したりきのこや土地を把握しながら頭の地図に書き加えて

居場所を知られないよう少しずつ拠点を変えながら生活していた。

それでもお前のいう様に毎日が長く感じたよ。

襲撃されても強者ばかりがマジで襲ってくる。

一日に2人が僕にはその頃限界だった。

その時だ。

僕は結構な食料を確保していることをベラベラとふと歩いてて出会った従兄弟に

言ったし見られたんだ。その夜のことだった。

僕は従兄弟に襲われた。お前の言う気が狂ったやつの共謀版さ。

シールドで身を守るのが精一杯だったけどその時襲ってきた中にシールド破りができる奴もいてね

瀕死になりそうな時通りがかったルカに助けられたよ。

「ルカがお前を助けた??興味ナッシングみたいな顔して?」

はは・・・確かにたまたま通りがかったルカも襲われたと言った方が正しい。

ついでに僕は守られた。

情けなかったし虚勢を張っていても何もできないことが分かった。

ルカは従兄弟を傷つけないようにわざと白煙を下にうちめくらましをして

手をつないで逃げた。

背中には武器もあったのにね。

そのあと謝られた。

「なんで?」

もし誇りを汚したり考えがあったのならすまない。と

「あるわけないじゃん。あはは」

そうなんだけどさ。その頃からまじめだったよ。

真摯に謝られた所で食料はないわけだから

僕はなんか悔し紛れにお前のせいで食料を取られたままだと

罵ったんだ。

「逆切れ~??」

そうだよ。愚かだった。

でもルカは「そうだな・・悪かった。少し待て。」

と言って海に潜って行ったんだ

数分後アワビやサザエや突きたての魚を取ってきた。

蔦を編んだカゴやリュックに入れてね。

「すっげえ!!」

ああ脱帽した。あの武器を選んだ理由が刃物だって部分だよ。

刃物があれば能力だけでフルに生きなくても・・

動物も魚も取れる。

「新鮮なほうがうまいぞ。」

と言うんだ。赤石と一緒にこういうものも食べたほうが良い。ってね。

持ってきた武器の片方でさばいてくれちゃってね。魚とか。

「何で食うんだよ。流石に生って・・付けるものがないじゃん。」

僕も思ったよ。

でもさ塩をポケットから出したんだ。

「ルカは2個もってきたのか?」

馬鹿だな塩は海だから作るっていうか採取できるんだよ。

僕は思いつかなかったけどね。

「へぇ~俺今でも知らない。」

刺身を塩で食べたり魚を焼いて食べたりして過ごした。

久しぶりにお腹が一杯になって赤石を貰ったらさ・・。

「ちょっと待て。どうやって焼いたんだよ。」

ああ火をルカは技術で作れたから例の乗り物もどきやらシャボンで移動しながら優雅に食べたよ。

「ずりぃな・・・」

レベルが違うと思ったんだ。

僕は知識も武力も技術も心さえ何もかもが圧倒的に劣っている。

あとお腹が一杯になったら精神が僕なりに張り詰めてたものが

無くなって素直にありがとうといえたよ。

それから僕は群れるのは好きじゃないけどルカに興味がわいたんだ。

あんな毎日を過ごしてて、このサバイバルでは毎日どうやって過ごしてるのかなって。

ルカは毎日シャボン玉で移動しながらたまに大人に襲われたら武器で応戦してたよ。

従姉弟とは戦わないのに大人とは戦ってた。最後の止めまでさしてたよ。

ある日なんでか聞いたら「私が今殺らないとこいつらは違う従兄弟を狙うだろう」って

当たり前のように言った。だけどあいつらはお前ですら殺そうとしたんだよって

僕も言ったんだけどね。

「思考が薄れる熱さの中こんなところに閉じ込められて帰ってくるなと言われる。
そして、技術も統制も知恵もなく血がなくなってゆけばそれだけ焦る。
・・そんだけ腹がすけば誰だって狂ってもおかしくない。従姉弟はこの状況に放り込まれただけで作ったわけじゃないけど大人はこうなることを知ってて・・自分たちの食料やら生活を確保しながら襲ってきてる。
いつでも帰れるし交代で赤石を作っている。
・・全然違う。正しくない行為だし島の人間の決めたことでもこれは悪習である。」

と厳しい目で言った。その時 ああルカはこういうことを正したいんだろうなと思った。

あとで思ったんだけど・・お前が言うようにリーダーって必要だと思った。

その時直感で僕はそこまで考えてなかったけどこういう人を自分の上に持ちたいとも思ったし

多分うちの島では・・孤独だろうその意思を支えたいと思ったんだ。

共同生活ってほどじゃないけど・・たまに一緒にいるようになった。

「へえ~。」

キラキラした目で思い出に浸りながらルカの髪を愛しそうに撫でているアイツを見て

なんだか腹がたった 知らないことばかりだったけどルカはルカで。

前から変わらないんだと安心したのもあったし。複雑ってのが一番だな。
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