俺とアイツといとこ殿!
その質問は俺がしたし。。

「どうして?」

「どういう理由であっても・・待っているモノが居る。必要だというモノもいる。
爺様は私を信じ先代も子孫を信じ託して来たことだ・・
なかなかどうして自分だけが不自然によってできた上の能力を活かして逃げることができるのか。
それをしたら私は私を許すことは一生ないであろう。そしてお前たちはあの世界にはいないしな。」

「他人のためにってゆったら変だけど・・命を削ってルカは何がしたいの?」

「自分のためにしている。だが島民という他人をツールだとは思っていない。
善人ではないが私はきっと悪人でもないのだろう。間を取ると普通だな。」

いや普通じゃねえし。それだけは違うぜ。

「うーん・・答えはまだ出ていないのだ。たどり着いてもいない最後の蔵までいけば存在意義も見えてくるであろうよ。」

「存在意義を探してるの?」

「そんなに難しい事ではない。気安く張れる命でもないが、
私たちは息をするだけでも命を削るしか生きてゆくにはしょうがないとして・・
では何が欠乏しているのかを探した純血がきっと純赤石を作ったのであろう。
大した理由だがおおきくいうと生きるために生きている。だが根本的な解決ではない。
状況が変わればうちには金やら土地もあるし社員もいる。取引先もだ。
それがひっくり返る自体は予測できるし、会社はもう潰れまいよ。
だからいつ引いてもいいと思っている。爺様のようにな。」

「うん・・・」

「ただ先人達のルートを取り除いて言うなら私には進むべき道しか生まれてからなかった。
後に下がる道などない。育つ野菜もなければ人は先細りすると言ったが・・私には食べるものがなかった。
純赤石は爺様が護符と一緒に島に行くたび持たせてくれた。」

「お爺様が?でも持たないよね・・」

「ああ。腐ったものでも赤石ゆえ飲んだ。だが鍛錬したり考えたりしているうちに力の使い方にも問題はあったが・・実際痩せこけた。」

ひでえ話だな。でもうちも片方は作れないから親戚が近くに住んでて作ってくれたっけ。

サプリみたいな勢いで。でも基本何世帯か爺様が固まって散り散りにしたのって・・

「お爺様もそれに気づいていたっていうの?」

「ああ。実感として思う。と言ったらそのように爺様も思って固めたがうちの父が屑ゆえはみ出して大阪に一人で行ったそうだ。
私の生まれた家は純赤石を作れるものがまず父を入れて居なかった。」

まじかよ!じゃあ赤石すら作れんじゃん。流華のその奔放な父上はどうしてたんだろ?

「まあ食べ物を提供するものもいなかったが・・赤石の方が我々にとっては必要なエネルギー。
島民にもその当時から度々従兄弟でも作れぬものがいて気になっていた。」

自分を気にしてくれ・・・

「流華のオヤジさんはどうやって生きてたの?」

「ああ・・父は島の人間だが特化した能力が異質でね・・自分では作れないが女から赤石を搾取する事が出来た。
いや動物ならなんでも出来たが女を好むというだけだが・・」

すげえな聞いたことがない。

「でもそれって・・」

「ああ血を混ぜると違反行為にあたる。島ではあまりしなかったようだ。
爺様にはバレて怒られていたが・・・普通の人間から血を結晶化して与えてもらい過ぎるとどうなる?」

どうなるんだ??

「鉄分が急速に落ちてゆくその体は死?」

「そうだ。島の人間ではないモノや時には島の女子にもそれをしていた。大阪に出てからはずっとだ。
時折殺してしまうが・・そんなもの容疑者にもなりはしない。」

「そうだね・・傷跡一つないし死にかたは不自然ではあるけどどうやってそのようにできるのかという説明が見たり、
録画しない限りいや、しても証拠不十分だよね・・」

そんな能力・・あんのか・・それを真反対の考え方の流華は見ていたのか・・

「どうして報告しなかったの?」

「報告義務が私にはない。それに・・モラルや損得の問題で言っても、私は多分次の純血か当主か島主か統括になると思っていた
。全部するとは思わなかったが・・。
島では人を貶めて地位を得たものを善しとしないし、知らない女が生きようが死のうがどうでもいい。」

報告義務・・か。

「確かにもし流華が報告したとして・・流華に反抗意識がある人間が聞くと告げ口をしたという事実と
ルカが上にたったという事実は時差はあるけどそれだけは残る・・お爺様が死んだらそれを証明というか
知っているものは流華しかいない。義務もないし足を引っ張られるのも引っ張るのも得策ではないし好まないってことだよね。」

そうなんのか。

「理由としてはそうだな。百害あって一利なし。
父はその異質な能力以外で言うと体術しか出来ないから爺様に似ているという私とその爺様を恨んでいたというものと
私が能力を発動したのが早かったので嫌だったんだろう。」

「僻みってやつだね。みっともない。だから・・逢坂に行くしかなかったんだね。」

「ああ。赤石の補助もないと思いきや・・鍛錬や思考の邪魔なのでな。トラブルは持ち帰ってくるし。」

「まさに百害だね。」

「ああ一利くらいはあったかもな・・」

「ってなに?人間の悪を見たって感じ?」

「そんなもの夢で毎日みている。そうではなくて、邪気が非常に強いのだ。だが赤石に変えるという用途でしか使えない。
だが溜め込めるという性質だったのでトラブルとか自分の邪気をもって帰ってきたのは喰らわせてもらった」

「流華はそういう面では受け継いでいるって感じ?」

「いや・・・父と私は血は繋がっているが、特化した能力であるとかそういうのはそのまま引き継げない。
爺様と私が違うように。実際私は邪気を使用することも最近まで出来なかった。
開花できていないだけではなく、可能か不可能かでいうと不可能であった。そういう性質の力の持ち主ではないゆえ。」

ほーー・・・よくわからんくなってきた。寝よかな。

「まあDNAって複雑に絡み合ってるから劣性遺伝でほぼ同じと言っても親や能力には差が出るわけだよね。なるほど。」

「全部することになるとは思ってなかったんだ?」アイツが続けて聞く。

そりゃそうだろ?予知なんてできねえんだし・・・それに神咲って名前やら仕組みは大きすぎるぜ。

「そりゃあ・・・瞬ちゃんが会社の総括になればいいと思っていたし、だけどあの頃はまだ体が強くなかったので
候補に上がったけど無くなった。それに・・当主には家の政はいつも周りに人がいる純ちゃんがなればいいと思っていた。」

ええ??俺?無理?

「アイツには・・ちょっと難しいんじゃないかな?」

人に言われるとムカツクな・・てかコイツだからか。

「ああ。純粋とまでは言わないが・・モラルという線を越えて存在する掟だらけの家の主は少し酷だと思った。
すごく元気があったので。」

おお・・・

「で結局僕らは羽になるって言い出すし?」

「ああ・・そうなると候補が消えて・・私がすることになったのだ。」

そうだったのか・・。

「でもグループの統括なんてあの時決めなくてもよかったんじゃない?
島主と純血と当主はお爺様がやられてたことで穴が空いたけど・・それにあの時の僕には無理だったよ(´▽`*)アハハ」

なんか得意げ。

「うんまあ・・そうなんだが、その頃脱税やら癒着やら汚職が酷くてな上層部の。
総とっかえすることにその時の純血である爺様が決めたのはいいが、メンバーが決まりきっていないうちに死んだ。
特に統括が決まっていないのが問題になってIQの高さで結局決められた。そうなってくると一人に任せてやれって流れになってな。」

「うーん・・時期だったんだね・・。」

「ああ。まあ賢人達が言うのでしょうがないからしていた。純血でしかなかった私に政の拒否権はない。」

「純血は記憶を最も持つ選ばれし歴史人間みたいなものだもんね・・決め事をするのは島主とか当主だし・・
会社のこともえーと島の主がきめるんだっけ?確か。」

「うん。会社を大きくした礎は島である。というモラルに乗っ取り最終決定権は総括と島主が相談して決めることになっている。」

ルカって家のことあたりまえだけどすんげえ知ってんだな?。

「そろそろ寝る。」

流華は俺の腕の中にモゾモゾと入ってきてすっぽりと収まってすぐに寝はじめた。

「なんでそっちで・・寝るんだ・・」

なんか悔しそうだな・・

「ん・・・?なにか・・言ったか?」
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