俺とアイツといとこ殿!
「何だい?マリ。」

「私はマリって名前じゃ・・」

「お前その国のあれに従うんだろ?ここじゃあの子は王様なんだぜ。日本でも相当地位のある女の子だけど・・この島では神クラスだ・・そいつがお前をマリと言うと言ったらマリなんだよここじゃあな。」


「だねえ。。例え白雪って名前があってもさホワイトスノウって呼ばれんのと似たようなもんだよ。気軽にマリって思えばいいんじゃない?それにマリも可愛いじゃない。丸いからマルよりは。」

俺らはマリを連れて大浴場って呼ばれる使用人が入る風呂に向かって歩いて行った。途中で車に乗って母屋から離れたけどマリはそれにもビックリしてるようだった。

「マリ・・・ですね。呼ばれても振り向けるようにしなきゃ・・」

やっぱこいつポジティブだ。

「まあ馬にバサシって名前付けるような神だからなあ・・まあマシだろ。」

「馬にバサシ・・ですか・・」

「だねえ。子供のときのネーミングセンスとはいえ・・あれは話にくいと思うけどハッキリものを言った方がというか言わなきゃ伝わりにくいどころか怒り出すからね。マリちゃん。」

なぜかアイツにマリがぽわぽわと桃色っぽい視線がちらちらしてるのは気のせいだろうか・・

うーん女は謎だ。

俺なら大混乱に陥ってるけどな・・

風呂について

「僕がついて中で見てるから外で見張っててよ。」と追い出された

「協力してって言ってたじゃないか?」

ちょっと悔しいので言ってみたら

「一日に何人もに裸見られる神経って流華にはわからないと思うけどお前はわかるだろ。僕に一回見せているんだから数を増やしたくないって普通だったら思わない?見張るのも協力でしょ・・僕だって別に見たかないけどどっちか見ないといけないじゃん。ガードもなんかあったら使うわけだし。」

「わかったよ。見張ってりゃいいんだろ。」

「その・・すみません・・・」

「いや・・いいよ。俺あんたの気持ちわからんでもないから。」

だよな・・・初めて会った俺にはいどうぞって見せたくないよな・・年頃の子が・・

二人は大浴場に入っていった。俺は暖簾の前で取りあえずあぐらをかいて座った。

アイツはちょっと如何わしいけど やっぱこれで俺は合ってるんだ。

でも流華が知りたい裏を取りたい事って・・島に流れてくる人間を把握したいだけじゃ・・

ないんだろうな。自由時間?ってか賢人より先に入りたいからピリピリして移動時間が削られるのを覚悟で聞いてたわけだし

結局押して場所変えたしな・・。何・・だろう。

ルートがあるなら・・ってのと

あの子が敵かどうかってのと

なんだろう・・俺の中であの子の両親は多分死んでると流華が推測したことが頭に残った。

あの子が生きてこの島に入ってきて、あの子の両親は死んだ・・

流華の推測ってぶっ飛んでるけど大きく外れたことがない。

しかも断言系は特にだ。絶対ってわけじゃ無いんだろうけどかなりの確率でそうだと思う根拠が

どっかにあの会話の中であったわけだ。

「ふぅ・・」

アイツがマリと出てきた。

「なんでお前まで風呂入ってるんだよ・・」

濡れた髪となんだかスッキリした顔に腹が立つ・・俺だって風呂に入りたい・・。

「そりゃあ汗かいたから・・」

「冬なのにか?」

なんで?

「そりゃあ・・ねえ・・ま。あれだよ考えてみてよ。冬服で室内の風呂に入ったら流石に冬でも暑いでしょ。汗もかくよ。」

言い訳がましい。なにか言い訳がましく感じるぞ。

まあいいけどよ。途中で服をもった使用人も入ってきたし風呂入って服着替えたのはまちがいない。

鈍い俺でもお前がナニをしてたのか位マリを視ればわかるぞ。

でもそんなの俺には関係無いね。俺はその子に特別興味があるわけじゃないし。

俺たちは言われた部屋に移動する。

「長谷川美子・・18埼玉在住・・両親とインドネシア全体を旅行中・・本人確認の裏はとったよ」

あいつが得意げにふふんって顔をする。枕営業でもイイことあるなあ。

「よしこ?はは・・」

「すみません・・普通で。」

モジモジしてるマリに謝られる。普通ですみませんって俺が言いたい!

「いや・・お前どっからどう見てもフツーだから流華なんて名前よりよっぽどいいんじゃないか?」

「お前は配慮って言葉を知らないんだね。」

嫌にかばうじゃないか・・

「だってそうだろ。」

「まあ・・・そんな派手な名前付けられたら僕だって嫌だよ・・」

「流華は流華って感じだもんな。まあ俺はお前の名前もちょっとキモいけど。。」

「僕もお前の名前ほどキモイって思う名前はいないね。」

瞬と純かたしかに・・・

どっちもどっちでキモイかも。

「ふふ。仲良しなんですね。お二人とも。」

「いーやちっとも?」

俺らは声を合わせたように言う。

げ。って顔をアイツはするけど・・

「まあマリはさ多分悪いようにはならないと思うよ。よっぽど変なことしない限り。」

「はい・・・そうなのかなって思うけど・・もう家には戻れないんじゃないかって思ったりもします」

俯きながらそういうマリは切ない顔をしていた。

楽しい旅行のハズだったんだもんな。

マリの予定は俺らには関係ないけど俺らの厳戒体制もマリには関係無い。

敵じゃなかったとしたらだけど・・こんなとこに来ちまった事がふう・・

アレ・・
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