俺とアイツといとこ殿!


コンコン

「はい。」

「島主が参りました。」

「どうぞ」

流華が入ってくる。

「燕・・白のワインを。」

「はい。もうすぐ到着すると思います♪」

「そうか。察しが良くて助かる。」

「いえいえお疲れでしょうから多少酸味のあるものをご用意いたしました。よろしいでしょうか?」

「ああ。お前は本当に良い女だと思う。」

「そんな勿体ない・・」

燕と呼ばれる側女の女は俺にケリ入れてくるけど流華にはデレデレだ。

いわゆるツンデレ!!!顔は結構可愛いのになあ。

お前の判断基準のよいおんなってなんだ?

「流華様?・・ワインとチーズをお持ちしました」

「ああ雀有難う。お前も良い女に育ったな。」

ややこしいけど順側女って呼ばれる一個格下の側女は雀って名前だ。

確かにピーチクパーチク言ってるが。

ああそんな感じの名前ですか。

「置いて去れ。」

「かしこまりました。お茶もご用意いたしましたので口直しにどうぞ。」

「ああ。有難う。」

お茶??流華が口直しに飲むか??

コルクを開けてグラスを注いだアイツはマリにお茶を渡した。

「これでいいんだよね?」

「ああ。」

なるほど。マリの分ね。

「それより視たか?」

「ああ・・みたぜ」

「地図にも書いておいた。」

「ふむ・・・」

流華はワインを飲みながら地図を手に取り座椅子でボーッとしている。

「あの・・島主様??でいいんでしたか?王様で?」

「王様???なんだ?それは。」

流華はびっくりしている。

ああ俺らが王様王様ゆったから・・

「呼び名は無礼でなければなんでもよい。して・・なんだ?用か?」

記号みたいなものだもんな・・

「はい。用です・・」

ハッキリと言うことを心がけてるのかこのへんてこさは。

「許す言うといい。」

まだ地図とにらめっこしてる流華は視線も落とさずに尋ねる。

「私の両親について・・後で話して下さると・・言っていたので尋ねてもいいですか。」

「ああ。お前の両親は多分死んだという話か。」

「!!・・・は・・はぃ・・」

「お前の見たものの話と自分の中にある記憶を照らし合わせ出た答えである推測なのだが・・」

「はい・・」

「お前というイレギュラーが存在している以上絶対に死んだ。とは言えないのだ。」

「なるほどねえ・・」

アイツはそう言って納得したようだったが俺はまだわかんねえな。

「話を整理するとお前は当初この地図で言うところの場所にいた。その中の甲板の上だ。」

「そうです。」

「だがナニカが起こりお前は前でなく後ろに移動して少しとどまった。目の前で船が沈み渦とやらに飲み込まれた人間は一人として浮かんでこなかった。そうだな。」

「・・はい」

「それは渦ではないのだ。」

「え?」

送った動画をもう見たと思う流華は。

「それは磁場というのだ。」

「ミステリートライアングルみたいなものでしょうか・・」

「なんだそれは。」

流華が尋ねるとアイツが答えた。

「船がよく沈む場所の事を俗世ではそう言う言い方をするらしいよ。それも磁場の影響だとか。」

「ああそう言うものの一種ではあるがそのお前の見た渦という磁場は移動するタイプのもので常日頃から発生するなら観光としてそのルートは避けるであろう?商売なんだからな。」

移動する磁場?なんだそれ。

「少し・・わかりません・・」

俺も!!

「自然現象はどうして起こると思う?」

「なんだ?雨とか雷とか竜巻とかか?」

俺は聞いてみた。

まあいわゆる想定しやすい自然現象ってそんなんじゃね?

「まあそうだ。特に理由はない。干ばつや台風や竜巻にも発生するには必要な条件こそあるがそもそもなぜ大元が何故発生するのかというのは大した理由はないのだ。」

「磁場もそうだと?」

アイツも加わってきた。理解不能な3人と王様一人。大変だなあ・・

「なんとかトライアングルというものみたいなその地に根付いているものは違う。それは元々と言っても理由はあるが存在するものの上に例えば勝手に船やら飛行機やらが通って被害に遭っている。悪い意味ではな。良い意味では神社や森・山などに聖域として強烈に発生する磁場を囲んでその土地を保護している。」

へえ。。。所変わればそうなのか。神社もね。

「そうなのですか。。。」

言いようがないわな。俺もへえって感じだもん。

「この島自体も磁場である。」

!!まじかよ。

「青銅も?」アイツはきいた。あのオッサンの幽閉されてるトコだ。

「青銅はそのヘソの位置にある磁場の影響を島の人間が被害として受けないために作られたものである。昔銅を採掘していた青カビの洞窟ではない。」

まじかよーー

「名を変えて古くは聖堂という」ひゃーー

びっくりした

「だからあそこでは僕ら以外は力を使うことが出来ないわけか・・・そりゃうってつけだね。」

「逆にあすこから出すと可能性の問題としてこのマリみたいなものと接触する可能性はある。だが・・あすこにいればどんな能力者だとしても我々の檻を能力にして破壊し、助けることも自力で脱出することも不可。私も力を使わなくてすむ。」

「そんな活用方法があったんだね。」

「だれもしてないがな。」

「まじか!」

あ。声にでちゃった。

久しぶりの俺の心の声ハミ出し。

「ああ・・能力を高めたり祈りを活発にしたり護符を作るのにも使われたが罪人を幽閉などと聖なる場所ではしないであろ?」

「なるほどねえ・・」

「そういう思い込みがいつか難しく様々なものに変化してゆく神咲ではそういった力を使い続けることこそが命を縮める。と爺様に言って名前の読みだけ変えてもらったのだ。」

そ・・・そうなのか。

いつのまにか青銅だったし気づかなかった。

アオカビだし。
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