俺とアイツといとこ殿!
「まあまだあすこには秘密もあるがさっきの話に戻ろうか。」

そだな。マリが(メ・ん・)?って顔をしてるし。

「そうだね。」

「両親のことはこの沿岸付近や近くの島の事も調べさせた。他の人間の事も含めてだが・・」

「はい。。有難うございます。」

「しかし誰も流れ着いてなどおらぬし、お前が嘘を言っている方がこちらとしても理解しやすい。」

「嘘は・・」

「うん。嘘も申してないと言うことも調べさせた故安心すればよい。敵では無いと完全に信用しているわけでもないがの。お前が渦と理解すれば岩礁だと思えば合点がいくように嘘を付いていると思えば楽だと申しただけだ。」

「・・はい・・」


「だが、真実は違う。お前は遠い場所にいたがここで私と話しているしこれは夢ではない。お前は両親などより自分が置かれている立場やら状況を考えるべきなのだ。」

たしかになー。助かったからよかったべ?じゃあ両親は?ってのは安直だよな?

近所に流れ着いたってわけじゃあないし。

自分の状況話したら五月蝿いって思われて気絶させられ、手枷足枷と猿轡付きでこんな広い家に通されて何故か俺にタオルでワカメ顔を拭われアイツに裸を見られ風呂に入れられそっちの自分の方がこの先どうなるって心配したほうがいいだろう。

顔は綺麗だがそんじょそこらのヤッさんより相当恐ろしい女が君臨する島に流れ着いたわけだし・・。

「でも・・心配なのです。」

「では言おう。ジャワでも今怪奇現象として一部に公開されている情報とジャワにもマドゥーラにも誰も流れ着いておらぬ。警察や・・捜索隊にも引き上げ船にも見つかってはおらぬ。お前だけがたった一人の生き証人である。」


「それは・・・島主様がこの島の侵入者とは関係なしに私の事を調べてくれたのですよね・・有難うございます。」

おおやっぱどっかでこいつポジティブシンキングだな。

まあでも概ねハズレじゃない。

お前の事というかその現象が神咲にとってどうなのかという調べてるついでにお前の事も調べたはずだよ。

「だからお前は自分の心配をだな・・」

「では・・私は・・どうなるのでしょうか。」

「それは私が問いたい。お前はどうしたいのか。」

そ そうだな。助かりたいとも返してくれとも言ってない両親のことしか。

「私がジャワに戻っても奇跡の人ってだけでメディアには出れるでしょうが両親は帰ってきません。当主様がこんな大きなお屋敷に住んでて・・不器用だけどちゃんと私の話も聞いてくれて調べてくれて何か食べ物をくれてもなんのメリットもないことくらいわかります。」

「私は器用な方だと思うが・・」

流華・・そこじゃないんだ。そこではないよ。

「だから嘘を私に言ってもしょうがないのですよね。」

「お前を面倒くさいと思っても利用しようという価値が見つからない。」

グサーーっときた俺ならなんか悲しい気分になる。水知らずのお前に言われたとしたら・・。

「・・・ということは当主様は私を脅かす存在ではないのです。」

むむ・・たしかにそうなるな?なんもしなければなんもしないっていうような女だもんな。

まあ多少恥ずかしいとかそういうのはあるけど命に関わるような事は多分しないだろうなあ・・

「私の中でお前は確かにめんどくさいが・・奇跡の人というのは間違いではない。」

ん?

「お前に会えたことでその奇跡の確立で此処にノーパスでこれる人間を目撃した。」

なるほど・・
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