俺とアイツといとこ殿!
気づいた。

「それは言えぬ。しかしお前が先ほど言った真実という部分では似ている。」

「・・じゃあ・・」

「ならぬ。自分にとっての一部を追い続けているものは似て非なるもの。」

そうなんだよなあ・・ちょっと似てるけどこんな壮大なテーマじゃないんだよなあ。

恋愛研究みたいな感じだもん。

「私は我々にとっての全てを追い続けている。お前のしたいことは否定せぬが、私が手を組みやってゆきたいことと全く関係がなく、それでいてそれに手を貸すことで私になんのメリットもない。私たちには時間がないのだ。いつもな。分かりかけてきたら枷が付き、そしてまた振り出しに戻る。アルツハイマーを繰り返していると言ってもいい。」

「うまいこと言うね。」「だな・・ブラックユーモアを感じるが。」

「ではなぜ私にどうしたいと問うたのでしょう?」

引き下がらんな?

「お前はこの先何をもって生きるのか、興味があったのと、ここにいられては邪魔だからだ。」

「友人・・はいりませんか・・?」

なにその友人販売。

「いらぬ駆け引きなしの友人なら隣に二人もいるしな。野望を叶えるために友人になりたい女など腐るほどいる。」


「だね?♪」

アイツは凄く同調したが・・。

俺らは友人だと思われてたのか?羽でもあるし島の役所でもあるし友人・・役に立つものにもランクインしてるのかな。

入ってれば入ってるほど嬉しいけど・・・なんか・・この子がかわいそうでもある。

でもオレらこんなんに付き合ってたらほんと一生が何回続いたってやりたいことできないもん。


「では・・当主様の手で殺して下さい。それならもうスッキリします。」

まじかよ。

「嫌だな~流華がそんな事」

「では・・・そのようにしよう。」

ルカはそう言った。結構棒読みだけど。

「燕・・そこにいるか?」

少し大きな声で言った流華は・・

ドアの裏でいつも目を光らせてる側女を呼んだ。

静かにドアが開いたと思ったら・・真剣を既に持っていた。

なんて用意のイイ女だ・・・てか自分が使う用なのかな。

「それをかせ。」

「は。」

「いっそどのように死にたいのだ?叶えてやろう。その願い・・」

流華が妖しくニヤリと笑って剣を鞘から抜いた。

マジかよ。女を殺さないんじゃなかったの?

「流・・」手で静止されたと思ったらアイツだった。

≪これに関わるとろくな事がないよ・・≫

≪でもよ・・・≫

≪信じるしかない。どんな結果でも・・黙ってみてろ。それが僕らの役目だ。≫

≪わかった・・≫

「ど・・どどのようにでも・・お好きに・・」

ビビリ上がってる女はさっきの勢いが無くなっていた。


「そうか・・好きな殺し方など悪趣味に持ち合わせてはいないが・・わかった・・」

同じゆっくり近づいてゆく。

「・・・・・・・。」

マリはもう目を瞑っていた。

腰は引いてあとづさりするような足も半開きの状態だけど

「誰が殺したか分からぬであろう?目を開けよ。わざわざ私にと言う意味が無くなる。」

そおっと恐る恐る目を開けばそこには・・鬼姫が剣を振りかぶっていましたとさ。

「ヒィィ・・」

「ではゆくぞ・・」



ブン・・


「イヤヤァァァァァアア・・・」

マリの悲鳴が聞こえた。

ザク・・

ヤベ俺の方が目瞑ってしまってた。

音だけしか聞こえてないけど・・・・・どうなった・・?

「流華・・・?」

アイツも聞いてみる。

流華はマリを刺していなかった。

半開きになった足と足の間に剣を突き立てただけだった。・・・思いっきりだけど。

涙目で失禁までしてガクガク震えているマリに流華は言った。

「死ぬ覚悟も無いものが殺してくださいなどと言うな。願いが叶わぬならと安直に死を選ぶな。お前の何でもするという覚悟も・・両親への思いも私にとってはマリ・・何もかもが中途半端なのだ・・死にたくないなら泣くほど嫌なら私に・・女に剣を向けさせるな・・・」

最後は掠れていたけど・・・剣を向けるのも嫌なのか・・お前・・。

「はひ・・・」
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