俺とアイツといとこ殿!
島主がいるってのは結構島の人間からすると励みになるみたいで

何かあるたびに相談に来たり鍛錬を見学出来るのはしたりしてる。

教えを乞う子供らにもしっかり個性に合わせた稽古をつけてやってたし・・。

そう考えると居なくなるのは使用人含めて淋しいよな?って純血は一人なだけに・・

二人かぶってたあれが異例なんだけど・・

何年かでちゃんと信頼にまでもっていけてる流華を取り上げられてるみたいでちょっと可哀想に感じる。

けどその先の未来を見こして流華は帰って来たし東京にもどるんだからそれはそれ。

しょうがない。

一時の感情に支配されて判断を鈍らせてはだめだ。

常に全体を見渡してる俺らのキングが出ていくこのゲームでナイトの俺らが負けたら全取りゲームオーバーだ。今の状況だったら。

流華くらい抜きん出てる子供がいればまた違うんだろうけど・・

それがないから次の代に不安を感じるんだろうし・・

自分の代で出来るだけ決着を付けるような形を取りたいと思ってるハズ。

シェフは作りがいをなくすってよりは次に帰ってきたら

これを作ってあげようとその間修行しようとかそうゆうポジティブになって

みんな帰ってもだらけず自分の仕事をするんだと思う。

いるのといないのじゃあ引き締まり度も取り締まり度も違うからピリリってするけど

漁師も賢者も大人も子供も島の子供として大事にされる。

流華なりにだけど・・

だから大人になっても子供みたいに好きなこと得意な事だけやっていけるのかなあ・・・

オレらを羨ましいと思うのはちょっと違うと思うけどさ。 

だってひとりじゃ生きれないから絶対に3人はいるわけよ。

一人で一生独身でいたいの?とか子供なんていらない?とか無理だし。

子供は愛があろうがなかろうが男なら成すべきことだし女なら一人は生むべき。

健康体ならね。

ってそうゆう家族や親戚やらひっくるめてずーーーっと生きて過ごしたいやつばっかじゃないだろう・・

わーたまには一人ライフもいいよねー★が・・

一日二日が持てばいい方。1っ週間前だと死ぬ直前。

おなかが減れば食べ物を食べるように血が減っていく。

そんなオレらが求めるものは贅沢なんかじゃない。

空の下で目を開けていられないほどの視界を持つことも・・

腹が減ったらなんか食ってりゃ生きていけるってのも当たり前に過ごせる人間だよな。

サバイバル演習の時・・

ルカって二週間のうち3・4日は平気で食べてない日があったらしいけど・・

あまりにも足りなかったらどうしてたの?って聞くと

やっぱ俺と一緒?で部隊を襲って食料ではなく赤石だけを奪ってたらしい。

あんな強い奴でもひとりぼっちになったら生きていけないっていう

最初は根底にそうゆうのがあった教えの習慣なのかもしれないけど

悪習と流華が言うほどまで変わったのはやはりなんとかして

強い子供を作らねばっていう大人の焦りから始まったものじゃないのかなあって

それって兵器作りだよね。

まあそれで無駄に多い子供の中からオレらの時で23人だけど

昔はもっといたらしいのでふるいにかける方も一人の純血やら島主や当主を見極めたりしなきゃいけなかったっていう合理性も加わって

あんなに暴力的なマジサバになったんだと最近老けたのかなって思うほど

俺の一歳弱はすげえ吸収したなあ。海綿体スポンジか。ってくらい。

アイツはどう思って過ごしてたのかな。また今度聞いてみよう・・。


いつのまにかポツンと一人食堂に残った俺は・・片付けるコック見習いに聞いてみた。

「あのさ。流華とかアイツは・・?」

「御二方とも大分前にお部屋に戻られ存知ましたが・・」

「そ・・そう・・ありがとう」

「右翼様もお気を確かに!」

「は?」

「いや心此処にあらずだと左翼様が仰っておりましたので。」

「ああ・・ありがと・・・記憶に思いを馳せてたのさ。」

「なるほどそういう意味でございましたか・・左翼様は言葉遊びが上手でいらっしゃいますな。」

「そうだね・・俺ももどるわ。」

「はい。あとでお飲み物でも持って?」

「いや左翼殿がきっと手配してるからそうゆうのは俺の担当外だ。」

「そうでありますね。側女もおりますし。」

「そうそう。あの気のよく付く女の人なら大体飲み物はOK・・」

なんで出来る奴ばっかに囲まれてると自分を卑下したくなるんだ・・・。俺・・

疲れるなぁ・・シキタリだらけだし。

うっとおしいほどのしきたりがなきゃ俺の何倍も腕の太い細マッチョのこのおっさんが俺に様づけするわけもなく・・。

それはそれでいいんだけどよ!

くよくよしたって始まらね。帰ったら・・・

流華がアイツと側女が服やら身の回りのものを整理する横でチビチビとヒレ酒飲んでた。

「よう!」

「酒のことだが・・」

律儀だな・・。

「こちらの世界の酒を美酒だと好む奴に体内を通して送っている。そいつが飲むたびにあの邪気は私と馴染んでゆくそう云う話だったのだ。」

「ああ。そうか。肝臓とか平気か?」

ふっつうのこと聞いたな俺。

「神咲は臓器が弱いモノは少ないゆえ・・」

「だな。だな・・一部を除いて大体ザルだな!」


「なんか言った?」

あいつがヒステリックにドスドスと来る。

怖いな。俺の階段の走りより怖くはないと思うが・・。流華よりよっぽど女みたいだ。

へーんなの。

呆気なく呑気にヘリがやられてはいけないので穴で帰った

部屋に着いたらちょっと埃かぶってただけでピッキングも蜂の巣にもなってなかった。

すぐにいつもの東京だ。でもすぐに身を引き締めなければ。

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