俺とアイツといとこ殿!
「それなりに・・呉服屋ですから。」

「ほう。呉服屋が潰れん程度にな^^」

樽を飲む女だぜ?潰しかねない・・。

なんだかんだ言ってもあの飲み会でも一件何百万単位で吹っ飛んでいってる。

たまにだからいいんだけどアイツに聞いたらすげえ参加者数には普通で考えると合ってないらしい。

そのなかで5本の指に入るくらい飲める女だぜ・・・?因みに俺30番以内くらい。

「余裕ですね。そんなこと言って私本気ですから!」

「無論私も本気である。右翼を渡す気などないが引けぬなら来い」

「あいよ。オトミちゃん。」男の人がハァハァ言いながら一升瓶を持ってきた。

「流華ほんとにやるのか?」

「まあ余興だ。賭けなど好まぬが・・少し思うふしがある。」

思うふし?思うところ?・・考えがある・・?ってことか。

「なあ娘。」

「はいはい?負けるのが惜しくなってきたのですか??」

強気だなあ・・。そして元気だ?

「いや。そうではない。負けぬ。が、この勝負をして私は勝ったら何を得るのだ?」

たしかにそうだ。オトミ?の得るものがあっても流華はない。大前提だな。

「えーと右翼様・・で?」

「右翼はもともと私のものである。故に失うことはあっても手に入れることはない。」

そうだね・・・。言葉にされると困ってしまう。

俺は団子を貪る。好きにしやがれってんだ。

「うーん・・・では城主様にピッタリなお着物を・・」

「そんなものいらぬし、お前・・勘違いしておらぬか?呉服屋はお前の親が営むものであってお前のモノではない。なぜ真剣勝負だと言ってお前自身は何も失わぬのだ?」

シーン・・となる。女子供相手にそうきちんと話さなくても・・ってそれが流華か・・。

流華はギャラリーにも聞こえるように少し大きめの声でハッキリと言う。

ってか言い渡す勢い?


「引けぬなら来いと言ったが、人を賭けるというのは並み大抵の事ではない。宝もまたそうだ。そしての、それを本人を目の前にして言う言葉ではない。間違いをまず恥じなさい。」

・・・そっか。そういうの教えたかったのか。

「すみません私・・。それについては申し訳御座いません・・ですが・・」

「それでも引けぬならそれを踏まえてかかってきなさい。私は得るもの無しでその勝負付き合おうと思う。」

さすが城主殿かっくいい・・。

「右翼様・・すみませんでした。勝手なことばっかり言って。でも!!私の人生の山場なんです。欲しい物なんてなにもなかった私の・・」

俺に向き合って話すオトミ・・山場なのか・・?

なぜ俺にそんなに執着するんだ??なんか困るぜ。そして怖いぜ。

子種とか言われてもさ?俺にだって選ぶ権利はある!確かに可愛くないっていうと嘘になる。

俺は胸なんかそこまで気にしないしな・・。でも好きじゃない奴としたいとは思わねえよ。

流華は何か思う所があるんだろうな?静観してる。

やり方は違うけど欲しいものはどんな犠牲をもってしても手に入れようとする女の顔を俺はよおく知ってる。

そして俺はきっとそんな自己チュー女に翻弄される運命なのさ・・
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