俺とアイツといとこ殿!
俺らには俺らの世界があって・・流華はここを変えたけど

居心地はいいけどそれでもやるべきこと欲しい物があるんだよな。

どこからでもお前ならやれると思うけど・・なんにでもなれると思うけど・・

お前の守りたい本当のものはここにはないんだよな。

「待て。」

前を歩く俺を流華はそう言った。

「どしたの?」

「門番が倒れている。少し遅かったか。」

「!!!」まじかよ 気になることってこれか?

俺らは走って駆け寄った。

赤い月が・・出ている。これを見てたんだ。あの窓から流華はきっと。

駆け寄って門番を調べた・・

刀傷はあるけど・・死んではいない。色が見えてる。

「お前・・どうした?何があったのだ?」

着ぐるみでよかったねぇアンタ・・

流華は着ぐるみの頭を取り門番を起こして往復ビンタして尋ねる。

おいおい・・やりすぎだろ・・

「は。流華様ご無事で・・」

「ああ外に見回りに出たのだ。それよりこれは・・?」

「気持ちの悪い・・物の怪・・のような・・モノが・・・つい先ほど・・」

倒れた。気絶したようだ。

「あの番頭が言ってた奴だよな?・・まだ此処にいる可能性は高いな流華。」

「ああ。爺が危ない。」

あ。動けないんだっけ?ルカにとって爺さんがホントの育ての親みたいなもんなんだな。

当時だと島の側女以外で心を許して眠れるような存在。

籠にのって来るのは第二の故郷を歩いているぞ?って意味なんだろうか。

「でもどこにいるんだ?城は広いぜ。」

ルカは黙ってぼーっと城を見ている。

「4階東の塔 百欄の間・・だけ結界があって何も見えぬ。そこが今のところ一番怪しい。・・純ちゃん手を・・」

「お・・おう・・」

あれだろぉぉ 移動術式のあの

・・・

早い奴ぅ?ブルブルブルブル風船が空気なくなるみたいに俺は目が回りそうになった。

「ぜえ・・ぜえ・・」ついたのか・・?暗い廊下を歩いていく。

移動するだけでも負荷はかかるんだぜ・・。疲れた・・。

ああそうだ。赤石あったよな・・飲もう・・リュックから取り出してルカと歩きながら

俺は噛んで飲んだ。

「流華アイツが持たしてくれた赤石・・。噛んで飲んどく?」

「ああ。有難う」

流華も噛んで飲み込んだ。

≪お前のためじゃないんだからね≫

≪流華気を付けて。≫

あれ?声が・・噛むと聞こえる。・・アイツの・・。うぜぇ・・

「瞬ちゃんもコツを掴んだようだ。声を此処に入れている。」

まじかよ アイツめー しかも俺にも気をつけろとか言えよ・・

ついた?

流華が止まる。

「爺?。他の者はおらぬか?」

「ここに。」

傷だらけの忍者が出てきた。

「侵入者はどこである。」

「この奥に・・長老様が無理をして誘い込めたので・・長老様と一緒ではありますが結界で閉じております。」


「良くやったと・・・言うわけないであろ!!爺をなんだと思うておるのだ!!」

バチンバチンと忍者をぶった。ああ手裏剣飛んでくるぞ・・・そんな事したら・・。

まあ流華は犠牲の上に立つ平和など望まない。のは分かるんだけど。

「ですが!!物の怪はすさまじく強く、あの時以外・・ありませんでした・・申し訳・・長老様もそうしろと流華様が来るまでこのまま・・待てと」

「分かっておる。・・すまぬ。城に残るものには地下に避難をさせよ。純ちゃんいくぞ。」

「は。」忍者と声かぶり?

「結界の中に入るには・・ここではガードをすればよい。」

へ?そうなの?

「分かった。」

したら半透明の緑の膜スライムみたいになってるとこに入れた。

この技術も島とは違う文化?なのかな。

ふすまの奥には血まみれの物の怪と呼ばれるモノが爺さんを持ち上げていて・・爺さんはかろうじて息があった。

確かに・・キモイ。頭も手足もおおよそ人間なんだけど物の怪ってのがピンと来ない俺からすると

妖怪っぽいなぁって思った。

最初からってか・・オペからかろうじてだったから爺さんに大して気の変化はないんだが・・

いつ止めを刺されてもおかしくない状況にいてるとは思う。

「流・・華様。。。」

「純ちゃん・・・じいを地下に連れて行ってくれ。」

「ダメだ。連れていかない。」

俺は一瞬も迷わずにそう言った。

お前の役割は犠牲を出さずにコトを収めて・・役所の命を最優先して・・自分の目的を達成することかもしれない。

お前の「判断」の中には育ての親とか心情はないと信じてるぜ・・だから判断自体は城主として間違っちゃいないと思う。

「けど・・ダメだ。・・お前の援護意外・・引き受けるつもりはないぜ。」

俺はまっすぐに流華を見ていった。

けどさ!俺の役割はお前を守り助けることだけで、爺さんは俺には関係無い。

元々羽も切り離された存在。

島の役所の命よりもなにより純血にしか属さないし・・

まあ心情とか入れちゃう俺からすると優先順位は何よりも上。

好きな女がこの化け物にどうにかされる可能性があるってのに爺さん運んでられっか。

「そうだな。・・それでいい。右翼としてほんに頼りになるようになってきた。だが私も私の道をゆくぞ。」

流華は違う壁に縁を描くと同時に

「破」
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