俺とアイツといとこ殿!

YES AND NO

この日ルカはゴシック?なドレスを来て出かけるようだった。

まだ午前の7時・・・服を着替えさせてるのはアイツだ。

おいしいところは持って行く。俺もちょっと着替えさせたいんだけどな・・。

ルカはぼーっとしている。

朝が弱いので立っているだけでフラフラだ。精一杯という所。

ルカのゴシックなドレス姿は等身大人形のようでフランス人形とかよりは日本人形に近い形。

不思議と似合ってなぜかしっくりくる。赤茶色の髪はサラサラでツヤツヤ。

整った顔立ちにもスタイルも非の打ち所がなぜかない。腹は立たないけど。

少々胸の発達が遅れているような気もするが。

俺の個人的な意見としてはもうちょっと育って欲しい。なんてな。

結局どこに行くんだろう。

公務というが・・今日はメイクが少し濃い目だな・・と急に年上のように思う俺が女慣れしてないだけか?

ちょっと恥ずかしくなった。それにだ、女のメイクまで出来るアイツが気に食わねえ

アイツはたまに変なメイクをしてたり爪になんか塗ってたりピアスがジャラジャラしてたりして

もう俺のなかで「アイツ」なんだよな。そうゆうの含めて。

けどルカは普段は殆ど他のババアみたいなメイクはしないから俺だけハミみたいになって凹む。

まあババアには見えないけどさ。お人形さんみたいってヤツだ。

俺らがチャリと原チャリでルカの地図通りに向かった先は

人気の無い街の雑居ビルだった。

廃ビルのような裏手からしか入れない階段を登り・・

灰色だった世界の重く分厚い扉が開くと・・

急に爆音とギラギラとした光で、俺は世界を多分超えた。

これクラブってやつじゃねえのかよ。初めて入った俺。アイツはあんまり驚いてない。

ルカはうーん・・大体無表情だからわからないが真っ直ぐと歩いていく。目標がきっとあるんだろう。

続々と目も当てられないターザンみたいな格好をしたギャルとニートかヒモだろって

チャラチャラした感じの俺らよりちょっと年上くらいの男女の若者がフロアーにひしめく場所が

モーゼの海切りだっけ?あんな感じで開いていく。

さすがいとこ殿。人をよけるという術は身に付けていないんだな。

余計目立つだろ・・。真っ直ぐ歩くのはいいが・・。

小さい声で俺を見たりアイツをみたりして「へぇ・・可愛いじゃん」とか女の声が聞こえてくる。

DJブースの横をルカは脇目も触れず通ろうとして若い金髪プリンの男にさっと入らせまいとする動きで止められた。

「なんだ貴様。」遮る手に触れないようにルカは半歩引いて偉そうに言う。

ルカ・・貴様はないだろ。逆だしな。立場的に。その先って関係者以外ってやつだろ。

「あいにくお嬢さん。関係者以外立ち入り禁止なんで。」ニヤリと笑う男。

ほらきた。だって俺ら受付?で金すら払ってねえし。

「黙れ。」遮ったままの男の手を自分の方へ引き寄せて強烈な膝蹴りをかましてる。

一瞬でチーンな場所に強烈なのを食らったら俺でも同じように伸びてる・・・。

≪なあ・・≫

≪なんだい。≫

≪ルカ怒ってない?≫

≪うーん・・多分だけど僕わかるよ。≫

≪なんだよ。教えろ!!≫

≪ハイハイ。推測だけどさ、ルカはイライラしてる≫

≪この公務の内容で?≫

≪ははww多分違う。≫

≪なんだよ多分多分って。≫

≪だって強烈にシールドしてるもん分からないって。≫

ルカの方を俺は視る。アイツはほらねという顔をする。

≪確かに鉄壁だ・・。≫

なんでだ??すごく前から疑問なんだよな。ルカのシールドをするときって。

≪多分で良ければ話すけど。≫

≪じゃあ多分でいいよ早く言え。糞ビジュ。≫

≪ルカってさ・・家で基本超高音質のクラッシックとか手巻きのでっかいオルゴール聞いてるよね。≫

≪言われてみればそうだな・・お前はノイズみたいなのを部屋で聞いてるけどな。≫

≪まあ音楽のおの字も分からんお前に言っても分らないかもしれないけどこのウーハーのぶっ飛んだ五月蝿いだけのクラブ音楽とかすんごく嫌いだろうなって僕は思うんだけど?≫

秘技嫌味返しだな・・。

≪でもたまに爆音でクラッシック?HNK音楽祭みたいなやつ聞いてないか?≫

≪最高の女を抱いた後に今通り過ぎて僕らを品定めしてるような安い女を抱けるかい?≫

≪キモイ言い方すんなよ。。でも確かにそれは・・ワカランでもない。≫

ルカを見て・・クラスの女子以上にケバい肌がザラザラっぽい風呂入ってんのかみたいな女を見た・・ら

なんだかアイツの言ってる事はわかる気がする。

てかアイツってそうゆう経験あるのかよ!!・・まあそこんとこは俺・・聞けねえし。

でもアイツの言う最高の女は多分ルカで、俺の思う最高の女もルカだ。


そこは一緒だろうって思った。

< 14 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop