俺とアイツといとこ殿!
「無神経じゃないでしょ」

「流華ちゃんを悪く言うな!」


アレ??俺?悪者?


「葵・・瞬ちゃん・・いいのだ。私は純ちゃんと違って冷酷であろうと理解はしている。
だが私にとってあのトカゲの過去や思いも結の歴史も関係の薄いものがどのようになろうと本当にどうだっていいのだ。」

「マジで・・・いってんのかよ・・?」

「ああ。本当にそういう考え方だ。私は今欲しい物しか追っていない。
島関係のモノ以外までに深く関わっても損はあって特はしない。
まあその結果それなりに周りをその分傷つけるであろう。
だが私の立場ではそんなものを優しさと呼び持っていたら甘えやより多くの犠牲を生む。
それこそ何人居ても足りぬ。私は・・そう生きてゆく。」

そんなこと言われたら俺・・まじ悪者みたいじゃんか・・。


「俺は・・欲しいものの為に何でも犠牲にするなんて・・目の前のやつをほっていくような純血やら島主はいらねえ!!」


口が滑るっていうんだろうか・・。

なんかずっと抱えてきたルカに対して思う冷酷だって思う部分をいってしまった。

流華は冷たい瞳で

「そうか・・・まず島主や純血をいらぬと否定する羽など・・私もいらぬ。右翼の任を解こう。今からお前は島民である。」

「その席空いたんなら僕右翼なってもいいよ??」

ちょ ちょっとま・・・って・・

「おぬしはなれぬ。はは。島民ではないゆえ。相変わらず犬ころみたいに着いてきて・・こんなところまで・・苦労したろう?
この世界の糸口は入ってしまえば簡単だが見つけるのに1ミリのズレも許されぬ。
異次元で命を落としては次のエンジェルは器をなくすのだぞ?」

「それでも会いたかったんだもの!!!」

葵は流華に涙をためながらしがみついた。

そうか・・・そんなに会いたくて会いたくて死にもの狂いで会いたかったのか・・

≪さっさと謝ってしまいな。ついなんでしょ?≫

アイツからテレパスが飛んできた。

≪つい・・・だけど・・どうしよう。≫

≪お前が悪いよ。全面否定された流華の気持ちになれないお前はそれこそ目の前の人間も助けられない男じゃないか。
テレパスしてるよ流華。早く言わないとほんとにそれでいいの?お節介だね僕。≫

なんだよ・・いつもは意地悪なくせに・・。

「会議に行ってくる。」

流華は立ち上がった。

「え?何処に?」

「一島民に言う事ではない。左翼支度を。」

「は。」

「葵・・お前もいつまでいるんだ。もう力が少ないであろ?
帰れぬぞ・・・お前がシールドをちゃんとしたのを張れない時点で弱っているのは分かっているのだ。」

「うーん・・バレちゃってら?えっとね。もうちょっとでガス欠なるから?一旦帰るけど~
また来る。交換情報しようね?★んでお嫁さんになってね」

「交換情報はしてもいいがあとは拒否する。」

葵はタフだし・・しぶといな・・

アイツが荷物と冷蔵庫を整理している。

俺は一島民に言うことじゃないって言われた。

「流華ちゃん迷惑だった?・・僕のこと嫌い??」

うるうる上目遣いやめろよ・・・

「いや・・迷惑ではない。盾もキオクも助かった。お前は気に入っている方だ。
嫌いではないが今のところ唯一だと感じれない。ずっと繁殖期中に見つからなければそうしたっていい。」

繁殖期・・?子供産めなくなるぎりぎりまで唯一が見つからなかったらってことか・・。

「おばさんになってる?」

「まあ年は取る。見た目はこの感じでしかないが・・」

「じゃーいいや。気長に待つ?。」

「またなくていい」

「待つ!!」

「では勝手にしろ。」

葵はまたハートマークを書いて雲?みたいなところに繋げた。

ほんとに雲の国なんだなあ・・。

「じゃね?流華ちゃん。ああ右翼君早く謝らないとマジで流華ちゃん切るよ。バイバーイ」

「ああじゃあな。もう来なくていい。」

「くるもん。」

まだ流華に拒否られながらもにこにこ帰っていった。

ぴょんとかえってハートの次元は泡みたいにシュワシュワ?とオシャレ?乙女に消えていった。

俺・・・

謝りたいけど・・流華と目を合わせることもできない。

流華は立ち上がってアイツが服を着替えさせる。

「流華どこに行くの?」アイツが聞いた。

「葵から得た情報で島に持ち帰らねばならぬものがあるし・・この際まとめて書記に記憶させたい・・
尋問の結果も今日のマンションの奴のことも・・見てしりたい。一旦島にゆく。」

アイツにはいつものように答える流華。

「流華・・?」

「ん?」

「つい口が滑る事ってあるじゃない?」

「ない。そんなことをしたら私は死ぬゆえ」

「・・・・・。」

俺は・・・いつも流華に甘えて助けて貰ってるくせに非難したり否定して困らせる。

考えがあってしたことでもドラゴンを押し付けられたように感じた。

それに俺は交渉なんてしようとはおもわなかった。

「流華・・・許してあげたら?」

「許すも何もな・・・怒っておらぬ。だが羽が純血も島主もいらぬと言うのだ。私もそんな羽はいらぬ。お互いのためではないか。」

「だけど。。」

「五月蝿い。決定事項に口をはさむな。どうせゆくのだから右翼の解任は島に戻って伝える。」

「・・はい。すみませんでした。」

なんでアイツってば怒られてまで必死でフォローしてんの。

俺ってば何をルカにしてやれたろう。

「では。ゆくぞ。」流華の声には迷いがない。

ルカの覚悟ってのはマリの時言ってたようなことだ。

確かに俺みたいな甘いことを考えてたら命もいくつあったって足りない。

それでもなんども足りなくなりながら逢坂では俺が絶対大丈夫な方法を選んでくれた。

平等などあるとは思っていないっていうのはわかってた。

円を描く流華と寂しそうな顔で無言でこっちをみるアイツ。

「流華!!ちょっと待ってくれ。3ぷん時間をくれないか。」

俺はとりあえず引き止めた。

このまま元に戻るなんて無理だ。

円が消えた。こちらを見た流華には冷たい眼差ししかなかったけど。

「流華いいの?」

「別に。いそいでいるわけでもない。島民に三分時間をくれと言われたら島主はいそいでいるわけでなかったらいつもやってるではないか。」

「そ・・そうだね。」

確かに宴会でも話を聞いている。島の人間じゃなければ学校のやつでも利害がなけりゃ話さない。

徹底してるんだよな。

ソファに座った流華は言った。

「で?なんだ。」

「その・・ごめん!!」

「だから用はなんなのだ。」

謝ってなんになるという女に通用するとはおもってない。

「俺は葵にも勝てやしねえ。」

「うむあれでも純血ゆえ・・一生勝てぬかもな。しかしお前たちいつ勝ち負けを競っていたのだ。」

「わかんねえ・・けど力の差が愕然と分かって・・俺は何も役に立たなくて契約も出来なくて馬鹿だしいつも足でまといで・・」

「私がいつかお前にそんなことを言ったことはあるのか?」

「・・・・・ないよ。」

「なぜそんなに思いつめる。お前が言ったとおり私たちには10年以上もの思考の差があるし、
やってきたこともある。葵が言ったことは口は悪いが的外れではない。
だが私がお前たちに求めているのは葵の思う利便性だけではないと何度も言い聞かせたであろ?」

「そう・・かもしれないけど出来る奴がいたら焦る。」

「焦らぬよう・・洞窟でも赤石にて忠告した。お前は何を信じているのか分からぬが私を信じれぬのなら早く任を解いたほうが良い。
意地だけでは其処には立っておれぬ。負担をできるだけ減らそうとは思うがやはり重責にはなる。」

「その思考ってのが追いつきそうにないんだよ!!遠すぎて。俺は・・」

「知るか。お前が追いつきそうにないからってなぜ私が合わせなければいけぬのだ。それがお前の島主か。」

「いや・・そうじゃないけどよ・・」

「瞬ちゃんもう3ぷんたった。行こう。お前悪いが私は仕事がある。学校に通っているなら戻って通いなさい。」

流華は穴を書いて去っていった。
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