俺とアイツといとこ殿!
「己の目的のためには女も子供も惨たらしく殺してもゆくと?」

「女は殺しておらぬ。女を殺したのは男であろ?それに殺したとしても私は同じである。この業を受け取め屍の中屍の上真っ直ぐと恥りながらも
真っ直ぐに歩いていく。我々の子らが私の後を歩いて行けるように。
それ以外はどうでもいい。私が迷うとき皆が迷う。鬼にも神にも夜叉にもならぬ。私は私として行くのだ。」

タマの手を?前足を少し掴んで流華はタマに何かを送った。

「あの戦闘で得たタマ殿に関するキオクだ。こういうものを集めきったとききっと行くべき場所に着けると思う。」


「なんじゃこれは・・ああぁ」

「ネコの身体では脳も少ないゆえ出来れば人型に移して差し上げたいが神咲は歴史に干渉しないもの。手助け出来るのは助けられた分のそれくらいである。」

「わかった・・ワシはこれを集めて行く・・が・・ワシにはお主らのような人に害を成す力はない。」

「タマ殿も所属は闇であろ?」そ・・そうなのか??

だから闇のモノとか言ってたのか?

「そうじゃが・・」

「私は猫助けなどせぬ。すがってでも動く人間は今この場でいるとしたら・・タマ殿を手当した我が右翼であると思うが・・」

「契約せよと?」

タマが賢い動物に見える。俺だけといるときは馬鹿っぽかったのに。

「早い話そうだ。猫の脳みそではタマ殿はどちみち詰んでしまう。
すべての記憶が集まったとして、それを保存するモノがない。先ほどのモノは一部である。
右翼はスタミナだけはあるゆえ右翼を媒体にしてタマ殿が目的を達成するまではタマ殿が右翼に今日のように補佐してくれたら契約になる。」

「主・・契約内容を決めるのかの・・?」

「右翼・・そこにいるものは純粋である故契約がなんなのか分からぬ。そしてタマ殿を助けたのもなんの目的もなくただ困っていたからだと
推測できるような男なのだ。左翼は忙しいゆえこれから右翼が闇のものと契約する際このモノが困らぬように補佐してほしい。」

「うーむ・・・」

「タマ?なんの話してんだ?」

俺はこ難しすぎる話はちんぷんかんぷんでタマに聞くしかねえと思った。

「ふぁっふぁっふぁ。ほんとじゃのー。」

「なんだなんだ?」

「主を契約者とする話じゃ。」

「俺??タマと?何で?」

「純一のご主人がお主を案じてそうしたほうが良いとな。」

「わあ。タマちゃんと暮らせるんだね♪ねこだぁ真っ白の猫が来た~」

アイツは喜んでいる。

「流華が心配して?タマと契約すればいいのか?よし!!するぞ。」

「ふぁっふぁふぁ。本当に案じないとコロリと騙されそうじゃな?」

「なんだよ?お前?誰がその足手当てしてやったと思ってんだよ?」

ツンツンとついてみる。

「痛っ!痛い?ワシが教えてやったから移動したんじゃろうが?」

「あ。そうだった。ありがとな!!」

タマが何度か顔を洗うような仕草をして尻尾を逆立てた。

タマが・・・浮いた・・・やっぱ・・猫じゃねえのな。

「純一・・・契約じゃ・・」

「おう。」

「ワシは目的の為のキオクをお前に覚えてもらう代わりにお前の事を補佐するのじゃ。お前が分からぬ危機をお前に教える。」

「おう。俺は・・・タマのキオクを体で覚えるぞ!!」

俺とタマの前に赤い光が出来て温かい気持ちになったタマの心の一部が入ってきたみたいだ。

俺をさっき包んだ赤い炎の痛いような感じじゃない。あれは流華だけのもの。これは・・

俺と・・タマだけのもの。か・・。コレが契約。

タマがすとんと落ちてきた。

「純ちゃんとタマ殿は相互通信が可能になったと思う。純ちゃん。
私がキオク以外である程度わかるのは色んなこちらの精霊とも契約しているからである。一緒になっているから分かる。」

へえ?葵もそうか。タマしかわからないもの。俺はもうわかるのか?それともまた教えてもらえるのか。

「なんか便利なんだな。」

「正式な契約では無いゆえタマ殿の危機を感じる力は純ちゃんには通じない。」

「え?マジ?」

「私が仲介で入った故・・。純ちゃんとタマ殿はこれから一緒にいるからテレパスなりしてお互いを守ればよい。
なお私はタマ殿は守らないのでどんな時でも見捨ててゆくゆえ甘えるでないぞ。」

はいはい・・

そんなことだろうぜ。
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