俺とアイツといとこ殿!
「わかんないけどそう言ってた。」

「流華ってば詠唱しっぱなしじゃねえ?」

「そういえば・・・」

どうしてだとおもう・・?

女の声が聞こえた。

流華と反対の方から歩いてきた真っ黒な花魁のような女は髪も爪も着物も目も全てが黒だった。

「さすがといっちゃあなんだけど・・それには限界があるんじゃなくって?神咲さま」

流華とキス出来るくらいのぞき込んだ女は端正だがすげえ怖い感じの美人だ。

影をはらんでいるというか・・まとっているというか・・。

首がろくろみたいに伸びてきそうなあの感じ。キモ恐なの。

「確かにそうであるな。」

あれ?
流華の声が・・違う方から・・でも目の前に・・・いるよな。

花魁を剣が突き刺した・・流華がいたけど・・影みたいに刺される前に闇に溶けていくみたいに無くなった。

ルカが二人・・・。剣をもった方の流華がパチンと指を鳴らすと詠唱してる流華は居なくなって小さな花びらに変わった。

マ・・マジシャンだ。

「おおお〜流華そのマジックどうするんだ?俺すっげー感動した。」

「式神の応用じゃな〜いやこの空間の小さな応用というべきかの〜女子」

「そうだな。もう出てよいぞ皆。」

あ。床も夜に溶けちゃった。

空気は・・吸えるなヨシ。

「流華いつ入れ替わったの?」

アイツも聞く。本物だと思ってたわけだもんな〜

「景色が巡るましく変わった頃。鈴の音がしたろう。」

あああの風鈴か・・

「呪術では鈴を用いることが多いゆえ私でもこれが可能か試してみた。そして・・この空間から出ても良いのか知りたかった。」

お前は無茶だなあ・・・

すっげえ宇宙みたいに空気がなかったらさすがのお前でもペチャンコなんだぞ。

まあ俺も壁登るくらい無茶したけど・・・

「本体は見たであろ?」

「女の人??」

「ああ女だ。また女だ。ついてない。」

ああ嫌なのか・・・すげー嫌なんだな。

おっさんの方が清々しくさっさと始末出来るもんな。

どっちでもてめえでとどめ刺さないだけで一緒みたいだけどよ。

「うーん・・これは何なの?」

アイツが俺より先に聞いた。

「今見ているものこれは幻術だと思えばよい。幻術を視ると書いて神咲では幻視という。」

「んで?」

「さあ・・・何なのだろうな。」

えええ??内容カラじゃないすか。

「どうすんの?あの円使えないのかよ。」

「私たちが取り込まれているゆえ・・・無理であろうな。そして私はあの女とやり合いたくはない。」

そうだろうよべっぴんさんだったもん。

「そうじゃの。お前さんと似とるの〜」

「タマ殿・・・そうなのだ・・あれは桁外れの純黒。葵を純青とするならあの女は黒。私は赤。」

トップクラスってことか・・?

「そ・・純黒・・?確かに全部黒だったけど・・」

アイツも驚いている。おまえのドス黒いオーラも今日は見えないな。

「どうして純血ならやりあいたくないになるんだ?」

「葵の例を聞いたろう。判断を見誤ればお互いに相当のハンデを負うのだ。トップを取るとは断絶に近しい可能性も高い。」

あ。そっか・・それで2重なんだっけ葵んとこ結っていったか。

「あの者は会話して話し合えそうにもないがここで何も知らずやり合うのは私はどうも判断できぬ。ゆえここから出ることだけを考えているのだが・・」

「なるほどね。幻術ってことはあの人を倒せば解けるんだよね?」

「基本的にはそうだろう。先ほどは軽くついてみたがこの空間そのものが身体や術式なのかもしれん。と思う。」

あれ軽くだったっけ?

屋台の気の上に座って煙草を吸う流華にはホームズでもないのでちょっと夏祭り早めに来ちゃったかなヤンキー女子にしかみえねえ。

さっきの人見たからかな・・色気というものが・・。

煙草の煙をはいてその辺に投げる。

「このように腹でもないゆえ火も熱くないようである。幻術は奥深いの。瞬ちゃんはこの辺が得意であろうと言いたかったがここまでできずとも良いのだ。」

「へ・・へえ〜これでトップとってるクラスの幻術を僕が・・・」

「そ・・そう卑屈になるなって・・すげー伸びしろじゃんか。」

「叶えば凄いね・・・」

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