俺とアイツといとこ殿!
「私もそうでしたが銃に驚かれて傷というよりは気を失ってしまったのでしょう。」

燕がフォローに入る。流華はいつ起きるんだ?もう役者は揃ったぜ。

「そうですね。日本の上流階級は狩りをしませんし・・私もしません兄はまだするのですが・・」

そう言うと・・兄上?の方が睨まれて小さくなっていた。

あれ?弟の方が城主って名乗ったよな。

赤い目って言ったし。

あの手紙の内容まで知ってるってことか。いやもっとかな。

流華の眠るベッドサイドにある椅子に腰をかけてその紳士は少し柔らかな顔をした。

「眠られていても美しい方ですね。この髪も肌も・・」やらしいなあそう言うと。

その紳士が髪に少しだけついた泥?をハンカチで拭ってあげてた。さすが伯爵・・いや貴族?

どっちなんだろう今は。育ちがいいのは間違い無いな。

顔が少し近づいた時流華が目をゆっくりと「ん・・・」と小さな声を出して開けた。

目が・・・赤い。あの日帰ってきたようなゾクっとするようなあの色。

まるで・・「贈り物のルビーと紛いのない・・」エッケハルトが言った。

そうだな。俺もそう思ったぜ。

でも流華は完全に気を消している俺らでさえ分らない。人間の色だ。

「誰?」

少し驚いた顔をする。

「失礼しました流華様。美しい髪にそぐわぬ泥が付いておりましたので・・私城主のエッケハルトと言います。兄が失礼をしました。今日はおいでくださり有難う御座います。」

りゅ・・・流暢だなやっぱ俺より。


ゆっくりと流華は燕に体を預けながら起こされた。

「私どうしてここに・・?森を散策していたの。」

もともと透き通ったような声なんだけど・・こうやってぶりっこしていたら勘違いしてしまいそうになる。

偉そうのカケラもない。

≪なあアイツ乗り移られてんじゃないのか?ノロウィルスじゃねえの?≫

≪流華は本気だよ。ああゆうほうがお前好きでしょ。≫

う・・・確かに。。透き通った声・華奢な体・赤い目は置いといてゆっくり赤茶色に戻ったし。

「記述通りですね。時折ルビー色になるその瞳とこの世のものではないような美しさ。」

そんな記述がエッケハルディンに残されてんの?

この世のものではない恐ろしさだけどな。

「城主様・・でいらっしゃったのですか。私すみません寝たままお話をして失礼しました」

そう言って立ち上がろうとする流華を待ってましたとばかりに燕が抑える。

「お嬢様・・無理をなされては・・お体があまり丈夫ではないのですから・・ご好意に甘えさせていただいては・・」

「そうです。そのままで結構です。我々は生まれる前から友人なのですからごゆるりとご滞在下さい。」

ニッコリと紳士は笑った。

「流華様一つお聞きしても良いですか?」

「はい。」

「これは見えますか?変なことを聞くようで申し訳ないのですが。」

手から翠の炎が見えた。だけど流華はどこにも焦点があってない。

見ようと思ってるけど見えないひとそのものだ。

「マジックかなにかなのですか?何も見えませんが・・なにが始まるのかしら。ねえ燕。」

流華は女の子らしく燕に抱きついて別人のようにはしゃいで16だけど13・4にも見える気がする。

紳士は掌をひっくり返して指輪を見せた。

誤魔化しだろうな。

でも・・・「これはそのアクセサリーの石と同じ石で作られた対の指輪なのです。」

「まあ素敵だわ。」「ええそうでございますね。」燕はわかるけど・・流華は信じられない。

かしら・とか素敵だわ。って言葉しってるんだ・・。

≪俺・・なんか怖い。≫

≪僕もちょっとあそこまで行くと・・騙されてみたいな。あんな顔で笑われたら落ちないわけないと思う・・≫

そういうと腹違いの兄弟かと世代を超えて和かに天使の世界で笑ってる流華と恩恵に授かってる二人がいた。

「綺麗な翡翠色の瞳ですね」
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