俺とアイツといとこ殿!
なんつうかボロを着てるけど気高い感じが余計にって・・俺の方が異常者じゃねえのか・・・?
ここはポケーっとするとこだ・・きっと。やべえ。
ボケーとしとこ。ダメだそっちに行ったら戻れねえ。
床につきそうな位まで伸びた髪は超ストレートできっとパーマなんかかからないんだろうななんて思った。
クルクルしてたらうーんゴージャスになるんだろうが・・・ああそうだ・・ここのメイドが来たときはまだ赤茶色だったから・・巻いてたな・・
マリーアントワネット風だったけど。
流華はそのまま先導されて夕食とやらに向かった。
ここに来て俺らと一言も口を聞いていない。
見繕いするメイドとは話もするしひっつくけど男とぺちゃくちゃしゃべるのは清純ではないんだろう。
部下とは側近であっても必要最低限しか話さない。男っ毛を消す。・・そうか・・清純派?
確かに似合ってるんだけど。黙ってるし。
優雅だしな。170だから女じゃ結構でかいのでドレスも映える。
会場?の途中からエッケハルトさん?が燕尾服みたいなのを着て立って待っていた。
流華は少し小走りになって「私恥をかかないでしょうか。」なんて言ってる。
お前が恥なら俺はどうなる!
テーブルマナーもっとちゃんとしてればよかった〜。アイツに聞くしかない・・
あいつの方をみたらツーンってしてる。
結婚式みたいに二人が並んでるのも面白くないし腕を出されて恥ずかしそうに手袋越しに手を取って光の中へ歩いていく流華が遠いのかエッケが腹立つのか知らないけど・・
テーブルマナー・・・教えてくれよな??
「人が多いセレモニーですので立食パーティになってしまいました。我が一族では貴女は伝説のヒトなんです」
「伝説だなんてそれを言うなら神咲でもエッケハルディン家は恩人ですわ。」
まあ泊めて飯くってきっと散々酒飲んだろうしな。
俺らは後ろからついて行ったけど・・歓声とシャンデリアが眩しいあのクラブとは違う別世界が待っていた。本来流華はこういうとこにいる女なんだろう。
そう思った。
偉そうに殿様してるのもきっと血塗れの殿様だろうし、貴族とかそんななら遊んだり笑ったり華を摘んだりして暮らすんだろうな。よくわかんないけど。
華なら俺もつんだことあるけどさ。
連れて行かれたホールは何段階かの階段をもってホールになっていてオーケストラまで本物がバイオリンとか引いてる。社交界ってやつだ・・。
俺ら着替えてねえ・・・。一応シャツとネクタイとスーツなんだけどな・・。
どっちかってーとパーティ用なんだけどよ。アイツはな。
俺は会社用なんだよな・・・なんで俺の分作ってくれないんだ?
あくまでも部下や護衛は貴族とは別世界。。という認識なんだろうな。
役職の説明なんてしてないしここでは逆にしないんだった。
パンパンとタモリじゃないけどエッケが手をたたくと静粛になった。
「我が一族の伝説の友人が時を越えて訪ねてこられました。神咲流華様です。」
流華がペコリと小さくドレスを持ってお辞儀をした。
そうゆうのは知ってるんだな。やっぱ社交界慣れてんだろうな。
斎藤の時言ってたもんな蝶やら華やらって女の事だろうし・・。
退屈そうに行ってたな。そういや。やっぱ流華のいる世界じゃないっか。
なんだか安心したのかもしれない。屁がでそうになった。
出てないよ。うん。しめるとこしめといた。
パチパチパチと拍手が喝采ってやつでゴージャスに今まで静かだったオーケストラが始まりましたとばかりに指揮者がムチ?バチ?タクトっていうのか?それ魔法使いか。
なんせあれを振ったんだよ。
ほんじゃーもう始まっちゃったんだ。
流華はお酒は飲めないし未成年だからと言って炭酸水を飲んでいた。
俺の知らないいとこ殿がいる・・。
家で酒ばっかのんで寝そべってるいとこ殿が俺にはいつもいる嫁みたいなあの感じ!
マネキンよりモデルより人間味のある天使みたいな笑顔が作られていると思うと怖くなる。
いつものたまにふんわり笑うあの感じがナチュラルな流華だと思うんだけど。
「美しい人にはシャンパンゴールドも良いですが白がよく似合う。私はそう思います。」
「少し結婚式みたいで驚きました。」
そう言って下を向いた流華は役者だなと思った。
男ならその気だったけどもっとその気になっちゃうだろ・・。
「私の友人がこんなに可愛い人では友人の線を飛び越えてしまいそうになります。さあ回りましょう。皆に貴女を紹介したい。」
「はい。」
流華は付いていく。俺らは遠巻きに見てるだけ。ウエイターがくれたシャンパンは飲んでるけど。
立食でよかった。あんまがっついたらやべえんだろうな・・でも腹減った〜美味そうだし。と思ってたら
下の階で上品にマダームとかとにこにこ話をしてるあいつがいて・・優雅に皿に盛り付けてしばらくすると戻ってきた。
そして俺に「はい。」ってくれた。
「どした?熱でもあるのか?」「ビュッフェの取り方を知らないと思ってさ。」
取り方・・・?知らないな。うん。ありがとう。ほんと。
「はい。タマちゃんにはサーモンの生のやつを貰ってきたよ♥」
タマは尻尾だけふっさふさと振って黙って食べている。
白いしこいつもゴージャス系の猫だもんなあ・・・。
流華が連れていてもおかしくないな。
いや俺のツレ?なんだけど。
一通り紹介が終わったのか上の段に流華が戻ってきて少しホールが見えるテーブルセットの場所へ移動した。
俺もアイツもタマもエッケも来た。
「少しお疲れでしょう。座ってください。気分が悪くなったらいつでも仰って下さいね。」
「はい。12時には眠たくなってしまいますがまだ大丈夫です。」
嘘つき!!!
「まるでシンデレラだ。」
それか。言わせたかったそのセリフ!見事にハマるなこいつは罠に。はまりまくりじゃねえか。
「私の魔法がとけてこのネックレスを外したらエッケハルディンにはもう入れて貰えないのでしょうか。」
こいつめ可愛いこといいやがって。
「いいえ。貴女の事は私はわかるのです。」
「??どうしてですか?ごめんなさい。」
「この場は私の一族と貴女の信頼の置ける人間しかいないと思って話しますが・・実はあなたの知らない事が沢山起きているのです。」
「私の知らないこと?たくさん起きているのですか?すでに。」
「はい。でも貴女にはそんな世界似合わない。無垢なままでいてそうやって白いドレスで笑っていてください。我々はいつでも永久に友人です。ですが・・・」
「有難う御座います。でも・・私の知らないこととは信頼の置ける人間がいるという前提でお話するのはなぜでしょうか。」
そこはちゃんと聞くのね。
それしか知りたくないのになあ・・。
「聡明ですね。・・私はこの一族の長です。」「ええ存じております。」
「それだけではないのです。貴女が目覚めたとき見せたのは指輪だけではなかったのです。勿論指輪は本当の話ですが。本来あなたは見えるはずなのです。そして貴女も同様に出来るのです。」
「ええ・・っと何をですか?」
「貴女の質問に少しずつお答えします。信じがたいかもしれませんが貴女も選ばれし一族の長なのです。」
「わかっています・・将来は神咲は私が継ぐものだと・・」
嘘癖え。
吐きそう俺。
「では神咲を退いたのはどうしてです?」
鋭い目だ。間髪いれず聞いてきた。
そっか知ってるか。そうだよな。
「それは・・叔父様達から進言されたからです。この年で目立つのは良くないと。ゴシップにでもされたら恥になると・・私もそう思います。」
はっはっはダレソレ。オジサマってダレ!!??ぃ・・いねえ・・わけわかんないけど面白い。
「それは・・私の言葉では信じてもらえないかもしれませんが・・」
「いいえ信じます。神咲は友を信じる心をけして忘れる事なかれと教えられて育ちました。」
ちぇ・・教えられて来たわけじゃねえけど・・それお前の本音じゃんか。
笑えねえ。信じなかった俺は。
「では本当の事を教えます。貴女は狙われているので神咲は貴女を前から引かせたといったほうがいいでしょう。それはアイドルでもあり、大切な長だからです。」
アイドル・・ではねえよ・・大切な長は合ってるけどな。
・・でもカリスマって意味では外交ではその笑顔¥100万ドルなんだろうなマジで。
流華のマイドアリが頭に木霊する思い出すとダメだ。笑ってしまう。俺はここで笑ったらおじゃんだ。
地獄行き切符を手に入れてしまう。せめて奴隷で!!
「狙われているとは誘拐などでしょうか?」
一般常識を流華は崩さない。
「いいえ。金銭目的ではありません。・・・組織・・ではありますが、個別のもの達です。誘拐など生易しいものではないです。・・・我々はなぜ永久に友なのでしょう。記された歴史とそれらから推測できるのは貴女がその時の外観が殆ど変わらないことと事実が一致します。」
そんなに細かくこっちでは記されてるのか。
「順を追って話して頂けますか?冗談では無いことは分かりますがついてゆけないのです。」
それ俺がいったりアイツがいう言葉じゃん。
「そうですね。・・私は不完全な長なのです。だから先人が残した遺産を全ては受け継げません。遠すぎる場所にも行けません。」
「いえご立派な城主様ですわ。」
「有難う御座います。私の言う不完全とは人格としてではなく人間としてです。私たちは実は・・皆不思議な力を持っています。」
「不思議な力・・?」
「私が見た限り貴女も不完全な長なのです。見た目や存在だけが純粋なるものとして生まれ私としてはその純粋なる笑顔が愛おしくも思えるのですが・・ただまだ覚醒していないだけなのかもしれない。」
「言っている事が理解できませんわ。ごめんなさい。」
流華はぺこりと謝った。そして席を立った。
ここまでも計算だ。
手を取ってエッケが流華を座り直させるまで。
シンデレラが12時の鐘の音を聞いたあたりだ。
「貴女が動揺してしまうことは分かっていました。いまもそれが見えるのです。」
こいつらも見えるのか?
そしてこいつらの上を行って人間らしい色を作り出して見せてる流華は完全なる長だよ。おっさん。
「見える?」
「全部をお話するには少し時間の掛かることです。一番大事なのは私達の友人である貴女が世界中以上から狙われているかもしれないということです。」
いつの間にかわらわらとオケの人間までがニコニコと取り巻いて聞いていた。
こいつらはそれらを共有し合ってるのか。
特性はよくわからんが。
ここはポケーっとするとこだ・・きっと。やべえ。
ボケーとしとこ。ダメだそっちに行ったら戻れねえ。
床につきそうな位まで伸びた髪は超ストレートできっとパーマなんかかからないんだろうななんて思った。
クルクルしてたらうーんゴージャスになるんだろうが・・・ああそうだ・・ここのメイドが来たときはまだ赤茶色だったから・・巻いてたな・・
マリーアントワネット風だったけど。
流華はそのまま先導されて夕食とやらに向かった。
ここに来て俺らと一言も口を聞いていない。
見繕いするメイドとは話もするしひっつくけど男とぺちゃくちゃしゃべるのは清純ではないんだろう。
部下とは側近であっても必要最低限しか話さない。男っ毛を消す。・・そうか・・清純派?
確かに似合ってるんだけど。黙ってるし。
優雅だしな。170だから女じゃ結構でかいのでドレスも映える。
会場?の途中からエッケハルトさん?が燕尾服みたいなのを着て立って待っていた。
流華は少し小走りになって「私恥をかかないでしょうか。」なんて言ってる。
お前が恥なら俺はどうなる!
テーブルマナーもっとちゃんとしてればよかった〜。アイツに聞くしかない・・
あいつの方をみたらツーンってしてる。
結婚式みたいに二人が並んでるのも面白くないし腕を出されて恥ずかしそうに手袋越しに手を取って光の中へ歩いていく流華が遠いのかエッケが腹立つのか知らないけど・・
テーブルマナー・・・教えてくれよな??
「人が多いセレモニーですので立食パーティになってしまいました。我が一族では貴女は伝説のヒトなんです」
「伝説だなんてそれを言うなら神咲でもエッケハルディン家は恩人ですわ。」
まあ泊めて飯くってきっと散々酒飲んだろうしな。
俺らは後ろからついて行ったけど・・歓声とシャンデリアが眩しいあのクラブとは違う別世界が待っていた。本来流華はこういうとこにいる女なんだろう。
そう思った。
偉そうに殿様してるのもきっと血塗れの殿様だろうし、貴族とかそんななら遊んだり笑ったり華を摘んだりして暮らすんだろうな。よくわかんないけど。
華なら俺もつんだことあるけどさ。
連れて行かれたホールは何段階かの階段をもってホールになっていてオーケストラまで本物がバイオリンとか引いてる。社交界ってやつだ・・。
俺ら着替えてねえ・・・。一応シャツとネクタイとスーツなんだけどな・・。
どっちかってーとパーティ用なんだけどよ。アイツはな。
俺は会社用なんだよな・・・なんで俺の分作ってくれないんだ?
あくまでも部下や護衛は貴族とは別世界。。という認識なんだろうな。
役職の説明なんてしてないしここでは逆にしないんだった。
パンパンとタモリじゃないけどエッケが手をたたくと静粛になった。
「我が一族の伝説の友人が時を越えて訪ねてこられました。神咲流華様です。」
流華がペコリと小さくドレスを持ってお辞儀をした。
そうゆうのは知ってるんだな。やっぱ社交界慣れてんだろうな。
斎藤の時言ってたもんな蝶やら華やらって女の事だろうし・・。
退屈そうに行ってたな。そういや。やっぱ流華のいる世界じゃないっか。
なんだか安心したのかもしれない。屁がでそうになった。
出てないよ。うん。しめるとこしめといた。
パチパチパチと拍手が喝采ってやつでゴージャスに今まで静かだったオーケストラが始まりましたとばかりに指揮者がムチ?バチ?タクトっていうのか?それ魔法使いか。
なんせあれを振ったんだよ。
ほんじゃーもう始まっちゃったんだ。
流華はお酒は飲めないし未成年だからと言って炭酸水を飲んでいた。
俺の知らないいとこ殿がいる・・。
家で酒ばっかのんで寝そべってるいとこ殿が俺にはいつもいる嫁みたいなあの感じ!
マネキンよりモデルより人間味のある天使みたいな笑顔が作られていると思うと怖くなる。
いつものたまにふんわり笑うあの感じがナチュラルな流華だと思うんだけど。
「美しい人にはシャンパンゴールドも良いですが白がよく似合う。私はそう思います。」
「少し結婚式みたいで驚きました。」
そう言って下を向いた流華は役者だなと思った。
男ならその気だったけどもっとその気になっちゃうだろ・・。
「私の友人がこんなに可愛い人では友人の線を飛び越えてしまいそうになります。さあ回りましょう。皆に貴女を紹介したい。」
「はい。」
流華は付いていく。俺らは遠巻きに見てるだけ。ウエイターがくれたシャンパンは飲んでるけど。
立食でよかった。あんまがっついたらやべえんだろうな・・でも腹減った〜美味そうだし。と思ってたら
下の階で上品にマダームとかとにこにこ話をしてるあいつがいて・・優雅に皿に盛り付けてしばらくすると戻ってきた。
そして俺に「はい。」ってくれた。
「どした?熱でもあるのか?」「ビュッフェの取り方を知らないと思ってさ。」
取り方・・・?知らないな。うん。ありがとう。ほんと。
「はい。タマちゃんにはサーモンの生のやつを貰ってきたよ♥」
タマは尻尾だけふっさふさと振って黙って食べている。
白いしこいつもゴージャス系の猫だもんなあ・・・。
流華が連れていてもおかしくないな。
いや俺のツレ?なんだけど。
一通り紹介が終わったのか上の段に流華が戻ってきて少しホールが見えるテーブルセットの場所へ移動した。
俺もアイツもタマもエッケも来た。
「少しお疲れでしょう。座ってください。気分が悪くなったらいつでも仰って下さいね。」
「はい。12時には眠たくなってしまいますがまだ大丈夫です。」
嘘つき!!!
「まるでシンデレラだ。」
それか。言わせたかったそのセリフ!見事にハマるなこいつは罠に。はまりまくりじゃねえか。
「私の魔法がとけてこのネックレスを外したらエッケハルディンにはもう入れて貰えないのでしょうか。」
こいつめ可愛いこといいやがって。
「いいえ。貴女の事は私はわかるのです。」
「??どうしてですか?ごめんなさい。」
「この場は私の一族と貴女の信頼の置ける人間しかいないと思って話しますが・・実はあなたの知らない事が沢山起きているのです。」
「私の知らないこと?たくさん起きているのですか?すでに。」
「はい。でも貴女にはそんな世界似合わない。無垢なままでいてそうやって白いドレスで笑っていてください。我々はいつでも永久に友人です。ですが・・・」
「有難う御座います。でも・・私の知らないこととは信頼の置ける人間がいるという前提でお話するのはなぜでしょうか。」
そこはちゃんと聞くのね。
それしか知りたくないのになあ・・。
「聡明ですね。・・私はこの一族の長です。」「ええ存じております。」
「それだけではないのです。貴女が目覚めたとき見せたのは指輪だけではなかったのです。勿論指輪は本当の話ですが。本来あなたは見えるはずなのです。そして貴女も同様に出来るのです。」
「ええ・・っと何をですか?」
「貴女の質問に少しずつお答えします。信じがたいかもしれませんが貴女も選ばれし一族の長なのです。」
「わかっています・・将来は神咲は私が継ぐものだと・・」
嘘癖え。
吐きそう俺。
「では神咲を退いたのはどうしてです?」
鋭い目だ。間髪いれず聞いてきた。
そっか知ってるか。そうだよな。
「それは・・叔父様達から進言されたからです。この年で目立つのは良くないと。ゴシップにでもされたら恥になると・・私もそう思います。」
はっはっはダレソレ。オジサマってダレ!!??ぃ・・いねえ・・わけわかんないけど面白い。
「それは・・私の言葉では信じてもらえないかもしれませんが・・」
「いいえ信じます。神咲は友を信じる心をけして忘れる事なかれと教えられて育ちました。」
ちぇ・・教えられて来たわけじゃねえけど・・それお前の本音じゃんか。
笑えねえ。信じなかった俺は。
「では本当の事を教えます。貴女は狙われているので神咲は貴女を前から引かせたといったほうがいいでしょう。それはアイドルでもあり、大切な長だからです。」
アイドル・・ではねえよ・・大切な長は合ってるけどな。
・・でもカリスマって意味では外交ではその笑顔¥100万ドルなんだろうなマジで。
流華のマイドアリが頭に木霊する思い出すとダメだ。笑ってしまう。俺はここで笑ったらおじゃんだ。
地獄行き切符を手に入れてしまう。せめて奴隷で!!
「狙われているとは誘拐などでしょうか?」
一般常識を流華は崩さない。
「いいえ。金銭目的ではありません。・・・組織・・ではありますが、個別のもの達です。誘拐など生易しいものではないです。・・・我々はなぜ永久に友なのでしょう。記された歴史とそれらから推測できるのは貴女がその時の外観が殆ど変わらないことと事実が一致します。」
そんなに細かくこっちでは記されてるのか。
「順を追って話して頂けますか?冗談では無いことは分かりますがついてゆけないのです。」
それ俺がいったりアイツがいう言葉じゃん。
「そうですね。・・私は不完全な長なのです。だから先人が残した遺産を全ては受け継げません。遠すぎる場所にも行けません。」
「いえご立派な城主様ですわ。」
「有難う御座います。私の言う不完全とは人格としてではなく人間としてです。私たちは実は・・皆不思議な力を持っています。」
「不思議な力・・?」
「私が見た限り貴女も不完全な長なのです。見た目や存在だけが純粋なるものとして生まれ私としてはその純粋なる笑顔が愛おしくも思えるのですが・・ただまだ覚醒していないだけなのかもしれない。」
「言っている事が理解できませんわ。ごめんなさい。」
流華はぺこりと謝った。そして席を立った。
ここまでも計算だ。
手を取ってエッケが流華を座り直させるまで。
シンデレラが12時の鐘の音を聞いたあたりだ。
「貴女が動揺してしまうことは分かっていました。いまもそれが見えるのです。」
こいつらも見えるのか?
そしてこいつらの上を行って人間らしい色を作り出して見せてる流華は完全なる長だよ。おっさん。
「見える?」
「全部をお話するには少し時間の掛かることです。一番大事なのは私達の友人である貴女が世界中以上から狙われているかもしれないということです。」
いつの間にかわらわらとオケの人間までがニコニコと取り巻いて聞いていた。
こいつらはそれらを共有し合ってるのか。
特性はよくわからんが。