俺とアイツといとこ殿!
「如何なる事があっても私たちの永久の友人である貴女を傷つけさせたくないと・・ここにいる全員が思っています。」

「どうしてでしょう・・・私などに・・」涙を少しだけ浮かべる流華はもう・・俺の知らない流華だ。

これが感情を消されて作るってことなのか。交渉や人の心まで動かすと知ってなお・・

≪お前・・動揺するなよ?ここが一番のショータイムだ。≫

≪わかってる!!俺!!もう・・大丈夫だもの。≫

ショータイムなんて気分のいいもんじゃないけど。

激しい心理戦を戦っている。流華はあらゆる可能性で一族を守るために嘘を突き通そうとしている。

名乗ったって正門からきたってきっと協力してくれたろうさ。

でも・・強い純血殿より・・・

何も知らない無邪気で可愛い赤ちゃんを守りたいと思う人間の心理の方が強い。

俺だって。

わかるってば。

それをさらに更に恋とかと絡めて深くするのは流華の今考える一番なんだろう。

「我々には翠という色がつきまといます。貴女は赤。青もいると聞きました。」

「目の色のことでしょうか・・。確かに私はたまに赤く・・あ・・」

赤くなったというか・・した・・。わざとなってしまったかのように一瞬2秒ほど見せて俯いた

そして戻した。この練習をしてたのか・・。

それだけじゃないと思うけど・・。

おおぉぉ

と流華の目を初めて見た貴族?なんだろうな一族のやらは

≪やはりピジョンだ。いやピジョンではない。ブリリアントレッドルビーと同じ色だった。伝説は存在したのだ。といか言ってる。≫

棒読みだなあ。そんなに翻訳めんどくさいのか・・?

「目もありますが保有する色には特性があります。赤は炎に強いです。私はもっと起伏の激しい方だとお会いするまで思っておりました。しかし先代が交わした手紙では気持ちのいい穏やかな人間だとも書いていましたので会うまでわかりませんでした。」

ああ・・普段は穏やかというか静かだけど・・起伏は激しいぜ・・すんげえ。

≪起伏は激しいのう・・≫タマ・・おまえなんでいまでしゃばってきた?

「ええ・・その色というのはエッケハルト様と私を含めたとして何人居るんでしょうか?」

「やはり頭脳は良いのですね。驚いて一時パニックになって普通の令嬢なら帰っている私の手を振り切って・・しかし・・」

「それはエッケハルト様が・・」流華がエッケに考える暇を与えない。

「うん。そうだね。私が手を取って座らせたのでした。すみませんレディに恥をかかせるところでした。貴女の危険を知ったのは今年に入ってからではないのです。貴女から書類がくる前です。」

「危険とは・・どんな危険なんでしょうか・・・?」

「私の知っている色は少ないです。この世界以外私にはいけません。でも私たちの一族では時折純粋なるモノというのが出て完全に全ての事を記すことになっているのです。貴女が来たらもしも我々の事が何処に漏れようがその写を渡そうと皆で決めていたのです。」

「そんな・・大事なものを私に・・頂けるのですか・・。」

「貴女は書状に書いてくれました。エッケハルディンの名誉と友としての約束を。」

「ええ・・手紙を読ませて頂いて心が暖かくなりました。この尊い意思を私も忘れぬように真っ直ぐに友として神咲は歩いてゆくとかかせていただきました。」

「だから我々はまた何度も決めたことをまた決めたのです。長が出るたびに我々は記すことはしますが貴女が来たとき歓迎はするが・・貴女が槍玉に上がったときこの写を渡すべきかどうかも毎回決めていたのです。私はそして決めました。どうぞ。受け取ってください。」

ニコニコと笑って流華の不安をかき消すように・・(不安なんて感じていないが!)皆が温かい目で流華を見ている。

どんな恩があるってんだ?収穫はあの手紙やネックレスの事だけじゃなさそうだ。

「はい。分かりました。有難く頂戴いたします。」

流華がそう言うとにっこりと笑った。

エッケは俺もうエッケって言ってるけど。心の中で。

指輪を外したんだ。例の対になってるってゆってたやつ。

「これは・・大切な・・指輪ではないのですか?」

「そうです。大切な赤と翠を繋いできた証です。そしてそれだけでもない。一族にとっては宝も同然。・・価値だけで言うとこの城を幾つも買えるでしょう。我々の中ではお金など価値を持ちません。きっと貴女もそういう意味で言っていないとわかっています。だからこそ渡せるのです。皆いいな。」

ワーーって歓声がすっげえ。貴族でも海賊みたいになるときあるんだな。

「・・・・使い方を聞いても宜しいでしょうか?」

「はい。私たちの歴史に関する情報の中で・・貴女を狙う何かの正体にたどり着くヒントになると思います。記念として付けてくれるのも有難いですが・・知りたい時にこの指輪をそのネックレスの一番大きな石部分に当ててください。」

「はい。そのようにさせて頂きます。」

「そうしたら貴女なら理解できるはずです。そのネックレスより指輪の方が今の貴女にとっては必要で、危険だと理解をし始めれば貴女はそれを使用し、理解して回避するか・・厳しいことを言いますが・・誰も周りに居なくなれば・・我々の所へ来てください。花嫁としても友人としても永久に歓迎します。守ることなら我々は得意なのです。」

エッケも懐から出した小さなナイフで(多分手紙とかをあける奴。)自分の黒い髪を少しだけ切ってメイドに渡し、それを受け取ったメイドが宝飾のついた小箱に入れて流華に渡す。

でも花嫁いれた?ちゃっかりだな。

「はい・・・もう少し心の準備が出来たらみなさまのお心をしっかりと受取りたいと思います。有難う御座います。」

流華は日本語のあとドイツ語で言ってエッケだけじゃなく全員におじぎをしてニッコリと笑った。

「ドイツ語が出来るとは思っていましたがすごく堪能ですね。どこで習われたのですか?一人になったとき一人じゃどうしようもなくなったとき貴女は自家用であっても飛行機に乗ることすら危なくなります。だからこの髪を燃やすか切るかダメージをとにかく与えて下されば私たちが迎えに行きます。」

にこにこと言う。全員がにこにことしている。

危険・・それはルカに今起こっていることそのものだ。こいつはどこまで知ってるんだろう。

また髪を渡したし・・髪に流華がこだわってた?まではいかないな興味を持ってた理由ってここなのか。

疑問をもっては・・新しいびっくりが待っていて、新しいルカが顔を見せる。

そして後になってゆっくりと俺は理解していくしかない。俺は賢くないしどんくさい。

けど根暗ではないぜ!!

「わかりません。生まれた時から知っていたような気がします。習ったことはありません。」

それはほんとだ。マジ勉強しないもの。

「それが長の証みたいなものなのです。私が日本語が出来るのは貴女から昔・・いつかの昔習ったからです。私も勉強していないのです。」

「エッケハルト様もそうだったのですか。ふふふ同じですね。そのナイフをお貸し下さい。私も貴方が危険になれば助けに参ります。神咲の全勢力をあげて。なにもお返し出来ませんがエッケハルト様が言う危険がいつかくればお互いが協力しましょう。傷つけ合うことではなく手を取り友として戦う事も守ることも私たちは生まれる前から決まっていた運命なのでしょうから。」

ナイフを受け取るとまた少しだけ流華も髪を切って燕に渡した。

燕は懐紙に入れて向こうのメイドに渡す。

「大切に保管させて頂きます。」

「ええ・・そのようなものしか渡せずに申し訳ありません。」

極上スマイルきた〜キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
< 197 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop