俺とアイツといとこ殿!
そう言って全ての蔵を周り流華はめんどくさそうに防腐剤を投げ込んで書記は藏を閉じて鍵をかけた。

何重にも鍵をかけて最後は毎日ランダムに変わる暗証番号を押して終わる。

ココはデジタルじゃないぜ。木で出来てるのがやべえほどすげえんだけど。

鍵とかはすげえ固い鉄みたいなやつだけどさ。

なんていうんだっけ。

忘れた。

≪蔵は厳しいんじゃのう。。流華殿がどうしてこのような責務についてあのような性格なのであるのか少し分かった気がするのう。。≫

≪タマ・・流華はここの総責任者で今は一個減ったけどまだまだ責任を持ってる。けど・・流華が求めてるのは・・その先だ。ここの奴ら全員が血で生きてる。それを変えようとしてる。それだけは俺はわかるんだ。≫


≪・・・うむ・・運命というより宿命なのじゃな・・≫

宿命か。そっちの方が漢字的にも合うな。

移動術で部屋に戻る俺たち。

準側女が酒を持ってきた。

「なあ流華・・最近無駄に移動術使ったりしてない?」

「純ちゃんはやって覚える性格ゆえ。見せたほうが早い。沢山みて、して覚えるがよい。これからが本当の戦いになってゆくのだ。この間のように雑魚に追いつかれるようじゃダメだ。」

「・・・・そうだな。俺がんばるし。」

俺の為か・・。

「うむ。」

「あのさー聞いてもいいか〜?」

「ああ。」

流華はゆらゆら椅子から降りてソファに寝転んだ。

やっぱこうでなくっちゃなって・・

ダメダーーそっち行くなーー

清楚系カワイイ笑顔は天使スマイル100マン円・・

よし。

「色には特性があるとかエッケが言ってたじゃん?」

「エッケ?ああエッケハルトのことか。ああ。特性はある。純ちゃんが火炎系が得意なのはその辺りと関係する。赤目からも赤い炎が出るし私にも赤い炎があるであろ?」

「おう。そだな。」

「葵はこの間は見せなかったが水に関する技に秀でている。純血ゆえある程度は人の便利であるものを真似ることはできるがの。基本的に有利な力で何かしようとすれば間違いなく葵は水を使うであろう。神咲とは相性は悪い。」

そっか火は水に消されるもんな。

「流華は負けねえっていうのは水に勝てるのか?」

「ははは。水にも勝てるが。私の炎は水では消えぬしの。それ以前にあ奴は複雑な技の連携がまだまだだ。すなわち子供なのである。真似は出来てもそれらの仕組みを理解して消費を抑えねば消耗戦でも負けるであろうな。」

なるほどなあ・・・

「しかし翠のやつって中途半端な純血だったわけ?」

「中途半端・・・ではない。ほぼ純血であろうな。ただ紐解いても行ける血・・力が足りぬ。ゆけるとすれば逢坂の王だが、あれは紐解く資格が逆に無く力もない。あれら二人は一つの器が別れているのだ。」

「なんで別れてるんだ?」

「さあ・・・分からぬ。神咲にはないことだしの。帰ってこの指輪と照らし合せればかなりの情報が得られる。あの男は純血としてかなりの知識と智力があったし力もあった。ただどの所属でもない。闇の所属なのは王の方だ。そこがややこしいのだが私たちには関係ないし関係のあるものは手に入れた。便利な指輪まで貰ったしの。」

「それいいよなあ・・俺らには完全にかけてる能力だもの。」

「そしてこれに送り続けられるあやつらの力は枯れることなく呪符とは違うのだ。死ぬ以外なら呪術医が東京にいなくてもこれならなんとかなる。」

それは便利だ!!

「お前にやろうか?」

流華がそう言った。

えええ??

「いやいや貰えねえってば。」

「ガードが緩い純ちゃんにこそ必要だと思うんだが・・」

「そりゃそうだけど・・お前が死んだらゲームオーバーだろ?お前がもっとくべきじゃん。」

と言ってみる。

「そうだな。ではそのようにしよう。」

焦った〜

あの人の心意気を無駄にしたら・・とか気持ちを考えたらとか言っても通じないし。

しかもそんな重てえいわくつきな指輪出来ねえよ〜。

似合わないし俺。

「それに俺最近はアイツにガードかけてもらいながら攻撃するスタイルも慣れてきたし。」

「私は誰が守るのだ。」

う!!!

「僕が守るよ?」空になったグラスに酒を注いでアイツが流華を膝に乗せて座った。

いつのまに・・・。

「全部手配してきたよ〜」

「ご苦労である。」

「茶番の意図は分かったけど・・」

アイツも酒を自分に注いで飲んだ。

「純血探しは今のところこれで打ち止めじゃない?」

「ああ。私の分かっている所まででは打ち止めであるな。指輪にどれだけのものが記されているかをこれから分析して追ってゆく。」

「ネックレスを送った時の城主はもう純血だったのかな?」

「多分な。手紙には私は旅をしていたと書いてあった。留まったのは追うものであるからこそ積もる話があったと見てよいと思う。そしてその時推測なのだが翠と赤は手を組んだ。その間が3年なのであろう。その時の純血がどのように一人で血を作らずに過ごしていたかは記憶にまだ無いので分からぬが・・」

「手紙にはそんなこと一切書いてなかったじゃん。」

俺も言ってみる。タマが俺のひざに飛び乗ってきた。う。

俺は流華をだっこしたい。
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