俺とアイツといとこ殿!
「行先で誰がみるか分からぬものをかけるか。それに実際奪われたではないか。」

「そうだね。関係ないような事を書いてあったし誰かが見てもただの友達同士の思い出話と会話だったもの。斎藤の先祖に確かに奪われちゃったしね。」

「あのメイドを信頼してなかったわけではないと思うがエッケハルトがいうようにあの一族には攻撃性がない。ゆえ赤とは攻撃だけで言うと相性はこちらに分があるのだが・・我々は傷をすぐに治せない。傷を直したと書いてあったがそれも治癒能力で直したのであろう。」

「なるほど・・・そうやって積み重ねたものを分析して流華は前に進んできたんだね。」

「まあ・・そのようにしかできぬゆえ・・しかし治癒は意外だったなもっと役に立たないものだと思っていた。葉っぱで薬草を作るとか。」

なに時代の魔女だよそれ・・。翠=葉っぱって・・

「流華は色に性質があるって知ってたの?」

俺と同じことを聞いてら。

「葵が水であったときに疑問におもった。黒のと会ったときは確信した。黒は闇。静寂を司る影とか闇とかいつもあるがないようなもの。それが幻術に秀でている理になると思う。完全な純潔なら守りに入られては殺すことは出来ぬだろうな。翠のは。まだ黒の方が勝ち目はある。」

「なんで?黒なんて剣で刺しても消えるんだぜ?」

「空間ごと焼き尽くしてしまえばいい。極論で言うとな。」

ええーーー!!まじかよ。

「前はトントンって・・言ってたよね。」

「もうトントンではない。私の方が上である。しかし黒のとやりあうと手は結んだし、何かあって戦うとなってもやはり消耗はする。全員守り切れるかも分らない。それは葵でもそうだ。翠もそう。誇りだけは高い純血のうちどれだけ連合を組めるかはわからぬが・・・味方でそれも異色の方がよい。我々が不向きな部分を補ってくれる上島民ではないしあちらがどれだけ傷つこうがうちには関係のない話。」

お前って・・・

そういうやつだよな・・・。

「東京に帰ってからだね。全ては。」

「ああ。燕も返したし蔵から贈り物も持ち出せたし書記にも見せて伝えられた。帰るか。」

「おう!!早く見てみてえなあ・・」

「しかしこの服は動きにくいな。」

「可愛いのに・・まあ帰ったら着替えようね。」

アイツがそういうとアイツのひざから立ち上がって壁に円を描いた。

燕が部屋に入ってきて「行ってらっしゃいませ」といった。

「ああ・・また戻る。」

そう言って俺らはいつものマンションに瞬間でついたのだった。

「もうしゃべるぞい!!」タマが元気だ!!

「ああタマ殿。不便をかけた。」

タマはいつもの場所でしゃべるっつっても大したことは言わないんだけど

やっぱりサーモンよりシャケだとか・・でもこっちの方が空気が汚いとか。

喋っちゃいけないってのは俺も同じくよおく分かるストレスだ。

カーテンを開けるといつもの街・・いつもの・・・・

射撃・・。

「こら。カーテンは開けたら駄目だってこないだ言ったでしょー?」

アイツに怒られる子供のようないつもの俺。

そうだった。

俺は夕日などを眺めるポエムチックな気分を諦めてソファーに寝そべる流華に聞いた。

「なあ〜流華〜」

「なんだ?」

「指輪の報告義務はないんじゃないのか?」

「ああ。ない。」

「じゃあなんで言ったんだ?」

「報告義務はないがもしかしたら後に引き継ぐかもしれぬ。そうすれば自ずと指輪を渡すことになる。赤も緑もな。」

「うん。。そりゃわかるけど。」

「赤と緑を渡した時点で私が作ったものでないとすればいつどのような経緯でそれを贈与したのかということになる。そしたら・・」

「合わなくなるんだよ。」アイツが梅酒を入れてルカに渡した。なぜか氷がまあるいぞ。

「なんでだ??何がだ?」

「報告したネックレスそして贈った翡翠のチェス。その辺に貰った指輪のことをいつか言わないといけなくなる。渡すつもりなら・・言うしかない掟があるんだ。後で露見すれば流華は処分対象になる。」

「うむ。そうなるのだ。」

「俺・・・・」

「わからなくていいよお前はどうせ馬鹿なんだし。」

アイツは嫌味ナシで笑ってそういった。

「しかし・・厄介だな・・」

流華はそういった。

「何がだ?早く見ようぜ。」

俺はなんだかワクワクしてたんだけど?

なにが厄介なんだろう・・・

「もしも・・あの男が言うことが本当だとしたら私の推測が立証されてしまう。とすればこの記録は・・本来・・写でも私が・・」

ブツブツと言ってるけどもよ・・

「いいじゃん。やってから考えれば。」

「お前ね・・何が起こるかわからないんだよ?攻撃じゃないにしても・・」

「攻撃に等しいな・・そしてあの男はきっと正しい。純血であれば手をきちんとした形で組みたかったな・・ほんに惜しい。」

攻撃に等しい・・?

惜しい?

「だが純ちゃんの言うようにやらなければ始まらない。瞬ちゃん結界に防御壁を張って。私は自分と3人分シールドを覆う。そして翠の指輪をはめる。」

「わかった。」

なんだなんだ?

「タマ〜おまえこっちにこないとなんかやべえぞー数に入ってねえ!!」

「Σ(´∀`;)わかったのじゃーいくのじゃー・・」

タマが走りよって俺にしがみついた所で翠の指輪をはめて赤と赤の石を合わせる。

爆風がおき・・静まったと思って流華の方を見たら膨大な翠色と赤と青っぽいキラキラした不思議な空間が出来ていた。


「流華・・大丈夫・・?」

話しかけられることはかけれるがここから一歩でも出たらなんだかヤバイ感じ!

「ああ・・・。こんなもの押し付けよって・・私が理解出来るだと・・・とんだ狸だ・・」

「できねえの?」

「出来るが!ニコニコとする話ではない。むしろキャパを計算してなければ記録に押しつぶされそうである。」

そんなに??

「翠の色を赤いのが封じ込めてゆくのう・・」

「そだな・・なにしてんだろな。」

傍観者達は俺ら関係ねえけどすげーもん見てるな的発言だ。俺だって最強にシールドしてるけど・・

タマの分入ってねえもんマジで。

青っぽいキラキラと赤だけになったとき浮いてたネックレスは元に戻り流華のフワフワと浮いてた髪も重力というあたりまえのもので下に降りた。

流華もストンと下に折りたけど・・俺がびっくりしたのはシールドやらが全部解かれたあとうつ伏せになった流華を仰向けにしたときだ。

「おいおい大丈夫かよ。なんだったんだよあれ。」

「クックック。なるほどな。12か。ヒントは。なるほどハッハッハ・・ああ純ちゃん大丈夫だ。」

と笑ってる流華が目を開いて起きた時・・

流華の片瞳は青?いや空色というのかな。真っ青ってかんじじゃない。それに6つの白い?光の筋が入ってるし

もう片瞳はあの真赤なモノになっていた。

「う・・・」青い方を流華は抑えて痛そうにした。

しかし翠の指輪からなにかが出てきて青い目から煙が出てすぐに痛そうにしているのが収まった。

「ふう・・・」

流華は落ち着いてそう言った。

なにがふうだよ。

説明してくれヘンテコなその眼のことも色々。

「流華それって・・葵とは違う・・けど・・何で青が・・?」

「12なのだ。6色の純血とその内面である色。すなわち誕生石が入る時。純血としてもう一歩進む。そうなると単純計算で12色。」

ん?

誕生石・・流華はたしか・・2月の6日で・・

「二月の六日はスターサファイヤ・・そうか。。ルビーとサファイヤには性質こそ違うけど石として考えれば似たような物質なんだ・・それに流華の内面・・誕生石はスターサファイヤ・・。」

「2月だからアメシストだろ?」

「もっと細かく調べれば日単位で違うんだよ。」

知らなかったな〜

「流華・・?何を得た?」

俺は聞いてみる。

「私が狙われる理由と・翠の歴史と蒼玉の力を・・。」

結構いっぱいだな。おい。

「青玉ってその眼のことかよ・・?なんだっていうんだ。」

「確かに青玉はサファイア。そして今私の眼に出ている色はスターサファイアなのであろう。しかしな・・サファイアの語源はラテンのサフィルス。それの意味するところは天の宝石・空の宝石・・それと聖書でモーゼに与えられた12の石の一つ火の石がサファイア。キリスト教の12使徒・・エルサレムの歴史とも通じる・・」

「歴史でツン・キャン・クセであっても目の色が猫ですらつきまとうよね。インドの特別な寺院ではシャム猫は翠色じゃなくて蒼の眼だったり・・」

「ああ・・あれは葵の方の流れだ。確か金の髪であろう。碧に助けられたとか。真実の歴史には目の色・石・そして12が付きまとう・・その意味するところは・・我々は海を泳いで空にたどり着かねばならぬ。」

何言ってんだ?

「翠の歴史は重かった?」

「まあ・・な。我々のように飛び飛びではないのでな。」
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