俺とアイツといとこ殿!
「皆お役ご苦労である。始める前に一つ聞くが・・これは神咲の宴会である。」

≪何言ってんだ?≫

≪さあ・・≫

≪だって当たり前だろ?知らない奴なんていないし。≫

皆が顔を見合う。

知ってる奴だけしかいないよな?ってカンジで。

「裏切り者は前に出よ。」

うら・・ぎりもの・・?

紫の烏帽子を被った賢者がゆっくりと歩いて出てきた。

ええええええええええぇぇぇぇ???

長老の次にえらい人だ。

賢者の中では一番偉い人ってことだ。

「心当たりと意見を聞こう。」

ルカはそう言った。

だけで・・座ったままだ。

大賢者に目も合わせない。

「これを公にしてもよろしいので?」

あれ?

あれれ?声は一緒なのになんかへんだ。

「島民に隠し事をして良いはずはない。しかも大賢者殿であらせられる方が・・愚問である。私を見下ろすな。座れ。」

こういうとき純血だといえないけど島主だと言えるって決まりがある。

流華はどっちも持ってるから結構自由に偉い人なんだけど。

なにを裏切るっていうんだ?

ずっとお役に務めていたこの老人が。

「失礼ながら・・純血としても島主としても私にはそう映らなかったという事でございます。」

なぬ?

「ほう。」

ざわめきだした会場で流華は立ち上がってパチンと指を鳴らした。

大賢者をミカリン?のときみたいに手と足だけ貼り付けにして向こう側の壁まで吹っ飛ばした。

まじかよ・・・・内輪もめ??
リンチすか?

大賢者ってすげえ偉い人なんだぜ?
やりすぎじゃねえ?

確かに侮辱したのはあっちだけどよ・・
まあ俺も人のことは言えねえが。

「島主・・流石に賢者にこのような振る舞いは・・」

賢者の一人がいう。

そしてオロオロする上役達と静観する島民達。

「お前たちの目にはこやつが大賢者殿に見えるのか?」

お前そう・・見えないのか??

「失礼ながら大賢者殿にしか色も形容も映りません。」

「では誰か純赤石を飲ませてみよ。すぐにわかる」

流華はそう言った。

貼り付けにされて吹っ飛ばされた賢者はにやりと笑い俺は嫌な予感がした。

「島主!誰がつくってもイイけど・・俺が飲ませに行く!!・・ます」

「ほう・・・しかし・・駄目だ。我々が毒を仕込んだなどと思われとうない。下がれ。」

「は。」

俺はこういうしかなかったけど・・なんだか嫌な予感がしたんだ。

あのときの子供たちとその親が6人がかりで純赤石を3粒くらい作った。

6人であんなに少量なのか・・・・。

先細り。最初聞いた意味不明だとおもった 

その言葉が俺の中で「リアル」になっていく。

「どの賢者殿も上役も飲ませに行ってはならぬ。」

流華は怖い顔で睨んで言った。

「では・・私めが・・」

お役についていない島民が飲ませに行った。

「大賢者殿。失礼した。腹が立ったものでな。力を回復させましょう。どうぞお飲みになってから話を聞かせてくれまいか?」

そう流華も近づいていって話をする。


何故かさっきの落ち着きは無くなって・・

飲ませようとする男を首をぶんぶんと振って飲まない。

いや飲もうとしない。

「我らが血は濃厚ゆえ・・長らく口にしておらぬ封流にはきついかの?それとも賢者殿で耐えれるか。」

低い声がじりじりと響く。これも流華の恐ろしさだな。

封・・フール???

島を追い出されたり悪いことしたり裏切ったり攻撃してくる島民のことだ。

大賢者がフール・・なわけないだろって思うけど・・

確かになんだか老人らしくないというか・・

雰囲気がいつもと少し言われてみれば違う気がする。

大人が3人で無理やり押さえ込んで首を抑えて酒を流し込んで飲ませた。

みんな腕力とかは半端ねえんだよな。
うん。


「うがぁぁ・・・」

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