俺とアイツといとこ殿!
「それは誘導尋問するために知ったような話をしてたということでございますか?」

「そうである。トップがどこの誰かなど知らぬし関わりを持つこと自体掟が禁じておる。私が封流の情報を知っていることがまず問題になってくるではないか。それを言いたいのであろ?」

「いえ・・そういうことでは・・」

なるほど〜荒れるってそーゆーことかね。

「次雷蒼殿。」

よく覚えてんな〜

「燕殿は理解しておりますが・・なにゆえ島の子をこの場に連れてこられたのでしょうか?」

それは俺らも聞きたかったわけだよな。

「答えよう。主らは覚えているか?宴の最初に私が尋ねた時に大賢者殿以外で色を変えたものは沢山あったが違う太賢者と同じ色・・すなわち驚きよりも確信に近い色をあの場で発生させてもの。それがここに連れてきた豊一と燕。それは理解されたか?」

「は。理解。」

「そして私が尋ねたいのはそこなのだ。展開の中では燕も豊一も封流との関わりもそのあとの色もほかのものと変わらなかった。ということは大賢者が神咲ではないと思ってたということだ。それについて燕から答えよ。」

「はい。答えます。私は表情の感覚が違うと思っておりまして・・」

「表情の感覚とはなんだ?」

「簡単に申し上げますと表情を作っておられたのです。」

「理解した。」

≪あのように答えよ。豊一。≫

≪はい。≫

燕を例にしたな・・

「豊一・・お前は何故確信があるとおもったのだ。」

豊一は緊張のあまり起立して

「答えます」といった。

震えているのがわかる。

刺すような視線の中で自分だけに向けられるこの感覚。

いつまでも俺は慣れないし子供なら尚更だろう。

「違うと思ったのは・・今回島から一緒に同行してたからです。」

「それは入れ替わった瞬間を知っていたということか?答えよ」

「答えます。入れ替わった瞬間を知っていたわけではないです。ですが途中からなんだか賢者様の色が変に見えました。なんかいきなり怖くなりました。それが全てです。」

「理解した。座ってよいぞ。」

ふう。。とがっくりしたように緊張の糸を切った問答は初めてにしては上出来だった。

「これが二人を連れてきた理由でございますか?」

「ああ・・私も理解しておきたかったのだ。燕は連れてきたわけではないが、たまたま聞くことがあっただけだ。」

「大賢者殿の最後は知っておるな。名誉ある死。・・である。乗っ取られたものを精神で押さえつけ自害された。」

「是」「是」「是」「是」

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