俺とアイツといとこ殿!
え?

「島のことも社会のことも家のつながりも何も知らぬ。この子供は真っ白なのだ。賢人なるものは知って知り尽くしてなお己で正しき判断を迫られるお役である。ただ、そこまでの能力があるものは今現時点で存在せぬ。故に見えるということと知らぬという判断もまた今の状況では好ましい。先入観がないのだ。」

いっちゃえばそうだけど・・そんなこと豊一にできるんだろうか。

「わかりました。では豊一を含め是非をとりましょうさすれば豊一の意思と我々の意思同時にわかりましょう。」

「ではそのようにせよ。私は推薦をしただけである。決め事は主らに任せる。尚より良い案があれば決議の前に聞くがおらぬか?」

・・・

いないようだな。

「では豊一を準賢人とするか否かを是非する。」

皆が下をむいて考え始めた。

その時

「ちょっと待ってください!」

豊一が叫ぶように言った。

「ん?なんだ?」

流華は豊一の方をガン見した。

こええよ。。


「私の意思は聞いてくれないのですか?」

「お前の意思・・だと・・・?」

流華は少し苛立ったように見えた。

「豊一よ。勘違いせぬように言っておこう。ここにいる賢人達は選出されてここにおる。私もまたそうである。能力のあるものがその地位に立ち皆お役に就いておる。お前の意思は関係がない。それともなにか?お前の意思で島の島民が虐殺されても構わぬとでも申すのか?」

「それは・・・」

そんな言い方したらお前・・だめじゃん・・断りようがないっていうか。

≪安心せよ。そしてここは飲むのだ。豊一。期間限定といったであろ?本当の私の目的は島の財産であるお前を賢人に守らせることにある。≫

流華からのテレパスに安心を覚えた。

さすがいとこ殿!だな。

「わかったな?」

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