俺とアイツといとこ殿!
「はい。失礼しました。」

豊一は素直に立ちペコリと頭を下げて座り直した。

「では決議を取る。4・3・2・1」

いっつもこれ中途半端だよなーって民間で育った俺は思うんだけど。

「是」「是」「是」「是」「是」

おお満場一致じゃねえか。

島主推薦ってのはスゲーんだな。

まあ次の賢人は当主が決めて的なことを大賢人も言い残したし。

「では準賢人は未熟ゆえそちらが十分に守るように。そして準賢人は豊一ではなく橙の準賢人として記録。名は一旦捨てよ。」

「は。」

「時が来て落ち着いたらまた大賢者も賢人も選抜し直すことにして今日の会議は終わる。対策委員会はこのあとも続けて行うように。その後結果は報告せよ。」

「は。」

流華を筆頭に対策委員会とは関係無い賢人とか俺らとか燕とかは部屋を後にして代わりに交代の書記と対策委員会のメンツであろう人間が違うドアからぞろぞろっと入ってきた。

ふーー。一息つけそうだぜ。
俺も久しぶりにタバコが吸いたくなった。

自分の部屋に戻って豊一も連れてきた流華はドアを閉め腰を下ろし膝をついて豊一を抱きしめた。

ふんわりといい匂いがしてしゃらんという銀の髪が舞う。

「よく堪えたな。豊一。」

よく見ると豊一の膝はガクガクで手はぎゅっと血が滲むくらい握り締められていた。

「当主様〜ぁ」

豊一はルカにがっしりと抱きついた。
そこは・・胸元じゃないか〜!!!

・・まあいいけど。

やっと泣けた。そんな感じがした。

流華もこういう時があったんだろうか。

そんとき俺は何をしてたんだろうか。

「何も心配することはない。一緒に島を良くしてゆくことには変わりないであろ?」

優しい口調で髪を撫で豊一を膝に乗せた。

いいな〜

「護符やら術式の強化に加えてお前自身にも呪印を施す。ゆえ安心していなさい。」

え?あの話そうとしたら死ぬ奴?それともチュー?

気になるけど呪印の集中が切れるからと隣の部屋にほおり出された俺らはなすすべもなく・・。

朝を迎えたのだった。


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