俺とアイツといとこ殿!
なんだかお得なセットみたいな感じだけど・・・丁寧だな。俺らの時と違って。

強制参加でも倒れて死ぬとか平気じゃないし。メニューも個人に見合ったものを付けて島主自ら稽古を付けてやるって。

「島主はそのような事をせずとも・・」

賢者が島の感覚で話す。

「私が不在時に攻め込まれても押さえ込めるだけの戦力を作ることは島を守ること。これは当然の責務である。」

「是」「是」「是」「是」「是」

幼い声が一人混じった。

「僕・・本物の賢者になりたいです!」

あの見える奴橙の純賢人がそう言った。

「うむ・・いつかなれると良いな。今すぐは無理だ。」

「なんでですか・・?」

「賢者・賢人とは賢くないといけない。判断を正確に捉えないといけない。沢山の試験を乗り越えなくてはいけない。
そして人の心が子供の心も大人の心もわかるものが好ましい。
お前はまだ経験と能力・智力そして功績がない。
・・中々に難しい席だ。まずは左翼か右翼でも狙ってみたらどうだ?そのあとでも悪くないであろ?w」

「はい!!」

「その目で危ないものから皆を守るのだ。貴重で大事な目であるぞ。だから権限も少しつけた。」

「そう・・なのですか?」

「ああ。あそこにいる大人の殆どが私の力も封流の力も量れなかった。でも量れるだけでは敵いはせぬ。ただのレーダーであろ?見合った力を身に付けて大切なものを守りなさい。」

流華は島主として話をする。

優しい声で大きな愛でみんなを照らす。

「鍛錬には参加します。どんなメニューでも頑張ります。」

「私も〜」

「俺も!!」

「私もよろしいですかな?」

う・・上役まで・・。

「島の子供は皆同じ。お役に付いていても関係無い。ただ・・妊婦や怪我人・病人は参加せぬように。」

流華はそう言って酒を飲み干す。


天使?いや・・戦士の休息だな・・・。

いつもお疲れさん。


オレらといると楽だとか何も考えないのは大事だなんていうけど。

ここにいれば分かる。

やらなきゃいけないことが増えていくし相談もされる。

誰かが不安だったら取り除いてやらなきゃいけない。

ここでは3つの役を切り分けて全てをこなさないといけない。


純血でなくなって力が枯れても島主や当主としては全然いけるだろう。だけど・・・

流華は終わらせたいと言っていた。

右翼か左翼など狙ってみてはどうだ?
なんて嘘だ。

あの子に伸びしろを見つけたことは分かるけど・・・流華みたいに抜きん出ているわけじゃない。

おれらよりゆとり世代だもの。

「島主さま〜。私・・怖い。あんな目がへんてこで・・大賢者様から出てくるような怖い人・・それに・・」

「それに・・?」

「あんなに息苦しいとこでも平気だった。島主様はわかるけど・・あの人封流の中でも強い人なんでしょ?
豊ちゃんに聞いたもん。」

目がへんてこは流華は言われたくないかもな。

「大丈夫。追放された封流など考えなくてよい。お前はノロの時泣かずに待っててくれたではないか。心が強いのだ。
私を信じていればまた助けにゆくゆえ。」

「はい。」

流華にしがみつく女の子。俺には気の強いことを言ったけどマジ怖かったんだろうな。震えてる。

流華はそっと震えた手を包んでやりその中に赤石を入れてあげてた。

「わあ・・一人で簡単にやっぱ作れるんだ。」

「スッゲー。」

いや・・アホみたいにこいつのシャボンにいれてたから・・一粒くらいで。

ってもうそんなに過疎ってるのか。

やばいな。

「噛んでみよ。」

ガリっと女の子が半分くらい噛んだ。

「アレ・・声がする・・」

「なんて〜?」「秘密〜♥」

「元気になったか?」「はいっ」

また噛んで幸せ〜って顔をする。
子供って無邪気で可愛いな。

いやいや俺幼女フェチじゃありませんから!!!

≪なんていれたの?≫

≪大したことじゃない。≫

アイツは流華にそう言われるけど。

≪なんて入れたんだよ〜教えて〜≫

俺も聞いてみる。

≪チョコレイト・アイスクリーム・イチゴパフェ・クッキー・チーズケーキ≫

??

≪何言ってんだ?≫

≪赤石に味を付けてみた。言葉は 大丈夫。信じなさい。×10だけしか入れてない。≫

≪飲むなら関係ないが子供が飲むには大きいから噛むしかない。苦いであろう?だから子供用にちょっと作ってみた。≫

なんだろう・・

それいる??

優しいっちゃ優しいけどさ。
現にしあわせ〜って顔してるし・・

≪女子は甘いものが幸福になるほど好きらしいからの。≫

お前もお・おなご・・(´ε`;)ウーン…ちょっと違うな。覇者だし殿だし・・

「気に入ったか?」

「はい。」

「まあそれくらいできるようになったら右翼も引退だな♪」

「なぬーーーー!!出来るわきゃねえだろ!!そんな芸当お前くらいしか。」

「可能性を否定してはいけない。」

「この中で私より優れたものがでないとは限らない。」

あ。これマジ真剣にゆってる。

「いや・・・でもよお前は子供のころから・・・」

「人はの。同じペースで人生を歩くとは限らない。純ちゃんみたいに急に走ってくる奴もいる。
後で伸びるかどうか私は才能を潰さぬよう務めるだけだよ。後になってより良いものがこの先を支える。
私が思い描く未来があっても家は続くのだ。家を守るものは必要である。」

まあ

そりゃそうか。
俺だって急激に業やらなんやら使えるようになったしな。

流華が立ち上がった。

「少し出かけてくる。」

「また帰ってくるがすぐに東京にもどる故。その時は燕・・用意をしておきなさい。」

「はい♪」

燕は嬉しそうだ。急いで自分の部屋の方に向かって走っていった。

渡り廊下を渡って移動術で流華の自室の中に入る。

流華はソファーに寝転んだ。

「純ちゃん・・強く・・なりたいか?」

「ああ・・なりたいぜ。お前を守れる程じゃなくても援護できるくらいには。」

「右翼・・今から言うことをちゃんと聞いて実行するように。」


「は。承知。」
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