俺とアイツといとこ殿!
ある日ルカと逢坂の様子を見に行った日の事だった。
逢坂の町の空気はまだ汚れを知らず都市と木が共生している。
僕はパトロールに出るというルカについて町をぶらぶらしていた。
逢坂は首都だというのにここには公園がいっぱいある。子供は公園で遊ぶものと決められているようだ。
「城主さま~」手を振る子供に答えるルカ。
大きく振った手とキラキラとした髪がなびいて本当に生きている生き物なのかたまに不思議になる。
この町の人間はルカありきだからルカがシムシティをやっているのと同じだ。
大きな力とその美貌と知力でこっちの日本を導いている。
きっとこの国にも官僚みたいな不正をしている輩はいるんだろうけど大元がしっかりしていれば戦争にも交渉にも有利だ。
天下統一をやり遂げたルカはここでは英雄で覇者らしいが僕にとってはたった一人の大事な人だ。
「瞬ちゃん・・?」
「どうしたの?」
「どうしたじゃない先ほどから呼んでいるというのに・・しっかりしなさい」
「はい。それで?」
「最近人さらいが増えているそうだ。それを聞いて気づいたがこの国には孤児院というものがないのでという話でな。」
「連れて行ったの外国人かな?労働者とかテロ的な?共通点はなにかある?」
「共通点は国の官僚に当たる人間・・侍所である。」
「それって大変な事じゃないの?」
「いや・・・それがな・・おかしな話で人に恨みを持たれているようなもの・横領していたものなどみんながいなくなって清々したというておる」
「ね、ねずみ小僧的な?」
「まあ世直ししているつもりの輩がいるのかも知れぬ。しかしだ。子供に罪はないのだ。その子供が路頭に迷うのはちと問題でな」
「財産管理してくれる孤児院を作るって事だね。」
「うむ。早急にな。」
「あとは人さらいの方だが・・生きているのか死んでいるのか死体が上がってこないゆえ・・」
「ミステリーだね。」
「うむ・・・。それだけいろんなものを見ることができる人物」
「そいつを捕まえなきゃね。」
「いや捕まえるどころか・・利用してやりたい。」
「へ?」
僕は戸惑ってしまう。
「そんなに不正やなんやかんやに鼻が利くのだ。特別な地位を与えて管理下におきたいゆえ生きて捕捉したい所。こんなチャンスはない。」
人がピンチになっている事などつゆしらずこの女はスカウトしたいといっているのか。
なかなかやるじゃないか。さすがいとこ殿。確かに生真面目ではないなと思う今日この頃。
「どこにいるかもわからぬ・・」
「そうだねえ。目撃者の話を聞くって言うのは?」
「ゆえに今向かっておる」
そうゆうことね。
「ついたぞ」
僕らは足を止めた。
そして長屋の奥にある長屋カフェみたいな長屋を洋風にアレンジしたといったほうがいいのだろうか。
そんな家のチャイム的なものを鳴らした。
「はぁい」
女性の声が元気よく聞こえる。
のぞき窓から見た瞬間ドアを勢い良くあけた。
「城主さま!!お久しぶりでございます」
「久しいな。お前に聞きたい事があるのだが・・」
「夫の件でございますね。」
「うむ犯人の顔を見たと申したそうではないか」
「はい。見たには見たのですが人相書きが似ておりません」
「ゆえに私が来たのだ瞬ちゃん」
覗けって事ね。
「はいはい。じゃあ奥さん目を瞑ってちょっとゆったりしといてくださいね。そして犯人の顔や服装を思い出してください」
「わかりました。」
僕はできるだけゆっくりとその女性の中に入っていく。無理やり入ると気持ち悪くなるって知っているからだ。
そしてたどり着いた。
闇夜に光る剣。そして頭巾をかぶった強面の20代くらいの髭を生やした男。こいつか。
その上巨漢で太った男をひょいと持ち上げている。
その辺りで頭の中からは失礼させてもらった。
「見たよ。」
「送れ」
「ハイ」
「・・・・この髭面の男は確かに人相書きに似ておらぬな。」
「さすが城主様。そうなんですよ。巨漢であって小太りでもないと言ったのですが・・」
やったの僕なんだけど。
まあルカが褒められて悪い気はしない。
女の人はさめざめと泣く感じじゃない。
こりゃ夫婦仲もそんなにだったかな。
「まあ見てないものにはわかるまい。しかし刀を持っているな。」
剣じゃないのか。ここは刀だったな。
「それで脅されて。」
「なるほど。どこも怪我をしていないか」
「はい。ありがとうございます。正直あんな男消えてしまってもよかったと皆が言うのはわかります。
私たち夫婦も冷めてしまっていましたし。しかし男が消えては収入がなくなります。無料なので子供を寺子屋に通わせる事は出来ますがなにかと買い物も出来なくなってしまって貯蓄していたものでやりくりしております。」
「そうか。お前も働きに出る事だな。」
「・・・・はい」
・・・さっきのぺらぺらしゃべってる内容からするに安に出たくないという風に僕には聞こえたけど。
要するにATMが消えて困ってるってことか。贅沢したいもんね。
しかし寺子屋って無料だったんだ。凄いな
「用は済んだ。城に帰る。」
僕らは大通りまで出て籠に乗って城に帰った。
「さて容疑者も見たわけだが。いつ現れるやもしれぬ。爺」
「は。」
天井裏から現れた爺に僕はもうまったく驚かない。
アイツならまた驚くんだろうな。
「爺はさらわれぬよう出来るだけ城の外にでるなよ護衛もつけるのだ。まあ爺は居なくなってせいせいするなど言われぬとは思うが。」
確かに汚職にまみれた感じには見えない。
リーダー気質に欠けてるとは思うけどルカの代理だしね。
「は。わかりました。爺もまだまだやれますが念のためつけさせて頂きます」
「目安箱にはこの国に対する不満などの投書はなかったのか」
「あるといえばあるのですがないといえばないのです」
「どうゆうことだ」
「ルカ様がこられる何日か前まではあったのですがそれを検分しなおしていたところ紛失したとの連絡があり」
「紛失?盗難ではないのか?」
「問い詰めたところご察しのとおり盗難でございました。」
逢坂の町の空気はまだ汚れを知らず都市と木が共生している。
僕はパトロールに出るというルカについて町をぶらぶらしていた。
逢坂は首都だというのにここには公園がいっぱいある。子供は公園で遊ぶものと決められているようだ。
「城主さま~」手を振る子供に答えるルカ。
大きく振った手とキラキラとした髪がなびいて本当に生きている生き物なのかたまに不思議になる。
この町の人間はルカありきだからルカがシムシティをやっているのと同じだ。
大きな力とその美貌と知力でこっちの日本を導いている。
きっとこの国にも官僚みたいな不正をしている輩はいるんだろうけど大元がしっかりしていれば戦争にも交渉にも有利だ。
天下統一をやり遂げたルカはここでは英雄で覇者らしいが僕にとってはたった一人の大事な人だ。
「瞬ちゃん・・?」
「どうしたの?」
「どうしたじゃない先ほどから呼んでいるというのに・・しっかりしなさい」
「はい。それで?」
「最近人さらいが増えているそうだ。それを聞いて気づいたがこの国には孤児院というものがないのでという話でな。」
「連れて行ったの外国人かな?労働者とかテロ的な?共通点はなにかある?」
「共通点は国の官僚に当たる人間・・侍所である。」
「それって大変な事じゃないの?」
「いや・・・それがな・・おかしな話で人に恨みを持たれているようなもの・横領していたものなどみんながいなくなって清々したというておる」
「ね、ねずみ小僧的な?」
「まあ世直ししているつもりの輩がいるのかも知れぬ。しかしだ。子供に罪はないのだ。その子供が路頭に迷うのはちと問題でな」
「財産管理してくれる孤児院を作るって事だね。」
「うむ。早急にな。」
「あとは人さらいの方だが・・生きているのか死んでいるのか死体が上がってこないゆえ・・」
「ミステリーだね。」
「うむ・・・。それだけいろんなものを見ることができる人物」
「そいつを捕まえなきゃね。」
「いや捕まえるどころか・・利用してやりたい。」
「へ?」
僕は戸惑ってしまう。
「そんなに不正やなんやかんやに鼻が利くのだ。特別な地位を与えて管理下におきたいゆえ生きて捕捉したい所。こんなチャンスはない。」
人がピンチになっている事などつゆしらずこの女はスカウトしたいといっているのか。
なかなかやるじゃないか。さすがいとこ殿。確かに生真面目ではないなと思う今日この頃。
「どこにいるかもわからぬ・・」
「そうだねえ。目撃者の話を聞くって言うのは?」
「ゆえに今向かっておる」
そうゆうことね。
「ついたぞ」
僕らは足を止めた。
そして長屋の奥にある長屋カフェみたいな長屋を洋風にアレンジしたといったほうがいいのだろうか。
そんな家のチャイム的なものを鳴らした。
「はぁい」
女性の声が元気よく聞こえる。
のぞき窓から見た瞬間ドアを勢い良くあけた。
「城主さま!!お久しぶりでございます」
「久しいな。お前に聞きたい事があるのだが・・」
「夫の件でございますね。」
「うむ犯人の顔を見たと申したそうではないか」
「はい。見たには見たのですが人相書きが似ておりません」
「ゆえに私が来たのだ瞬ちゃん」
覗けって事ね。
「はいはい。じゃあ奥さん目を瞑ってちょっとゆったりしといてくださいね。そして犯人の顔や服装を思い出してください」
「わかりました。」
僕はできるだけゆっくりとその女性の中に入っていく。無理やり入ると気持ち悪くなるって知っているからだ。
そしてたどり着いた。
闇夜に光る剣。そして頭巾をかぶった強面の20代くらいの髭を生やした男。こいつか。
その上巨漢で太った男をひょいと持ち上げている。
その辺りで頭の中からは失礼させてもらった。
「見たよ。」
「送れ」
「ハイ」
「・・・・この髭面の男は確かに人相書きに似ておらぬな。」
「さすが城主様。そうなんですよ。巨漢であって小太りでもないと言ったのですが・・」
やったの僕なんだけど。
まあルカが褒められて悪い気はしない。
女の人はさめざめと泣く感じじゃない。
こりゃ夫婦仲もそんなにだったかな。
「まあ見てないものにはわかるまい。しかし刀を持っているな。」
剣じゃないのか。ここは刀だったな。
「それで脅されて。」
「なるほど。どこも怪我をしていないか」
「はい。ありがとうございます。正直あんな男消えてしまってもよかったと皆が言うのはわかります。
私たち夫婦も冷めてしまっていましたし。しかし男が消えては収入がなくなります。無料なので子供を寺子屋に通わせる事は出来ますがなにかと買い物も出来なくなってしまって貯蓄していたものでやりくりしております。」
「そうか。お前も働きに出る事だな。」
「・・・・はい」
・・・さっきのぺらぺらしゃべってる内容からするに安に出たくないという風に僕には聞こえたけど。
要するにATMが消えて困ってるってことか。贅沢したいもんね。
しかし寺子屋って無料だったんだ。凄いな
「用は済んだ。城に帰る。」
僕らは大通りまで出て籠に乗って城に帰った。
「さて容疑者も見たわけだが。いつ現れるやもしれぬ。爺」
「は。」
天井裏から現れた爺に僕はもうまったく驚かない。
アイツならまた驚くんだろうな。
「爺はさらわれぬよう出来るだけ城の外にでるなよ護衛もつけるのだ。まあ爺は居なくなってせいせいするなど言われぬとは思うが。」
確かに汚職にまみれた感じには見えない。
リーダー気質に欠けてるとは思うけどルカの代理だしね。
「は。わかりました。爺もまだまだやれますが念のためつけさせて頂きます」
「目安箱にはこの国に対する不満などの投書はなかったのか」
「あるといえばあるのですがないといえばないのです」
「どうゆうことだ」
「ルカ様がこられる何日か前まではあったのですがそれを検分しなおしていたところ紛失したとの連絡があり」
「紛失?盗難ではないのか?」
「問い詰めたところご察しのとおり盗難でございました。」