俺とアイツといとこ殿!
「そういえばポカポカするっていうか・・あついっていうかあつ!あつ!!!ああああああぁぁ」

「ルカ!!」

アイツも神妙な顔をしている。

俺はいつの間にかピンクの炎に包まれていた。

腹の中が妙に熱くて俺は立っていられなくなったと同時にすごい力に包まれるような感覚に陥った。

「純一契約しては駄目じゃ。禍々しい邪気があふれ出て・・」

「タマ殿。もう契約は成された」

ルカがそう言った。それは俺にも聞こえた。

「純一が炎に包まれているのじゃ消さねば!!」

タマは必死になって俺のほうへ向かうけどルカが抱き上げてしまう。

「そちらへ行けばタマ殿にも飛び火するぞ。こちらでまあ見ときなさい。
第二王子が食えなかったラジュとやら純ちゃんには食えるかな?」

「何を暢気な事を!!純一がどうなってもよいのか~」

「そんなわけはない。ただ信じているのだ。純ちゃんのスタミナ・器はあやつを喰える。ただ邪気だけこれから取り除く。
そうでないと純ちゃんは耐え切れない。ちょうどいいタイミングでよかった。私がいなかったら第二王子と同じ結果になってたろう」

「じゃああの号外っていうのは・・そうゆうことなんじゃな」

「そういうことだ。さて一仕事するか。瞬ちゃん島をふんわりでいいから全土守って」

「わかった」

何かが吸い取られていく。体が軽くなっていく。ああルカが詠唱してる・・・・
ルカが軽くしてくれてんのか。

ラジュは何者なんだ。

この旅でこんなの一回だってならなかった。

それにもう旅しなくていいんだろ・・。

それくらい強いやつってことなのか?

しばらくしたら俺は立ち上がれるほど回復した。

まだピンクの炎は消えていないが会話だって出来そうだ。

《ラジュ人間界にきたぜ》

《耐えれたんだ。思ったより器が大きいんだね。ねえラジュを呼び出してみてよ》

「ラジュ!!」印とともにでてきた。

俺は召喚も早くなったようだ。

ピンク髪にピンクの目をした女の子がでてきた。

「ルカ!!久しぶり!!」

ラジュは俺じゃなくルカに飛びついた。

「ああ・・・ピンクおまえがラジュか。久しいな。」

ピンクって呼んでたのね。

二人は知り合い?

「ピ・・いやラジュ第二王子を食い殺したって?」

「あいつは王の器でも何の器でもなかったってことかな」

「そんな事契約する前からわかってたろうに」

ラジュはくんくんとルカのにおいを嗅ぎながら「へへへ」と笑った。

笑ってする会話なんですか~?

「しばらく闇の国にはいられぬの。」

「ジュンイチは人間界にいるって聞いた。ルカと知り合いかなとはカード見て思ったけどほんとにそうだったんだね」

「その辺も行き当たりばったりか。変わらんの。でも純ちゃんと似てなくもない。よいパートナーが出来たな」

「お。おう・・。なあルカもう闇の国で集めなくてもいいのか」

「何を言っておる1000集めるよりラジュの方が強い。」

ま じ か よ

「ね・強いって言ったでしょ」

「うん・・・飯屋の中では一番強いとは聞いた・・」

何はともあれ俺は人間界に帰ってこれたんだーー!!!わっしょい!

思えば楽しい事もあったがルカとアイツがいないのはちょっと俺じゃない気がするっていうか。

「契約内容はなんだ」

「こっちのうまい飯を食わせるって・・」

「よい契約だな。ラジュはな。まだ子供なのだ200歳にもなっておらぬ経験は少ないが魔力は絶大。闇の国でもトップを争う」

「へ?そんな強いやつと俺契約したのか?そういえば力が楽に使える気がするような」

やっぱはっきり言って実感がない。それくらいめっぽう強いのかもしれない。なんせルカが言うんだから。

「そうだって~ラジュがいれば安心安心♪」

ラジュは俺の腕に絡みつく。

こうやって俺の闇の国スタンプラリーはあっけなく幕を閉じたのだった。

「瞬ちゃんもういいよ」

「ハァ・・もう解いてるよ。」

アイツと話すのがなんだが恥ずかしい。モジモジしてしまうというか。

「よう!」

「うん。」

・・・・・。

「ラジュ引っ込めよ。」

「やだ。ラジュ純一とルカとまだ一緒にいたいもん」

「ルカ?聖獣っていうのかラジュは。」

「そうだ。バサシと似ている。正確に言うと人型と獣型に別れて違うんだが」

やっぱりな。ただの魔獣じゃねえと思った。

バサシの色と似てるんだなんか。

何で俺なんかが契約できたのか不思議でならない。

気に・・いられたのか?

「聖獣を引っ込めるにはどうしたらいいんだ」

「勝手に引っ込むか押さえつけるか」

俺が出せる答えは・・・

「・・・・まあすきなだけいとけ。」

「わあい」

「なんでラジュの力でジュンイチが死ななかったんだろうねえ普通は死ぬのに」

げ・・そんなことゆうなよ。冷や汗もんじゃねえか。

ってかそれ知ってて契約したんならちょっと何処炉じゃなく扱いづれえヤツだな。

「私が邪気だけ喰らったのだ。あとは純ちゃんのキャパシティが大きい事ラジュとは気が合うということかな。簡潔にいうと。」

「ルカが助けたんだね。ルカと契約するって話はなくなったね~ラジュはジュンイチとしちゃったから」

なぬ。そんな話が昔あったのか

「まあ私はお前みたいな気まぐれな聖獣はいらぬ。純ちゃんをよろしく頼むぞ。裏切ったら私がお前を殺す。覚えておれ」

ルカの目が厳しく光る。俺って幸せ者?

「ひい~ジュンイチ助けて助けてラジュこわい~」

ラジュが俺の後ろに隠れた。

またパーティに1人味方が増えたわけだ。

ようござんした。

その後家に戻ったラジュは島の飯をたらふく平らげたのだった。

台所係が困るほどに。でもそれが契約だからな。

ルカが酒を飲みまくるのが契約ってのに似てるぜ。

俺が食わなくていいだけましか。
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