俺とアイツといとこ殿!
信者??かドM?


「黒い髪。綺麗だったのにな。」

「今・・こゆの・流行ってて・・」

「そうか。流行ってるのか。だが完全にバカみたいだぞ。いやバカだぞ。」

そう・・だけど!!それに一部上場なだけの流行だけど。

言い過ぎだろ・・アイツも十分バカみたいだろ。

「ハイ・・」

女の子は赤くなって涙ぽろぽろ零してへたり込んだ。

とっくの昔にルカは手を離していたし

気が抜けたんだろうな。

俺がみた真珠みたいな綺麗な涙じゃない涙だ・・。

自分のための涙。っていうんだろうか。

「で・・?なにゆえお前が私にペンキをかけるのだ?意味がわからない。」

うん。

俺も。でも言いたいことはわからんでもない。

「だからっ神咲さん・・が・・誰もみないから・・」

「私のせいなのか。この始末は。」

「違っ・・」


コクンと首は縦に振るのね。女の子っぽくなったな?

てかラブコメ?百合コメ?

ルカはため息をついた。

「さっきのクルクルに電話しろ。もう・・シンナー探さなくていいと。」

元黒髪の盛りヘアの女に言う。ルカ。

「な・・んで?」


「話を聞いたら・・どっちにしろ、あの女はペンキをかけようなどと言い出したわけでも
かけたわけでもないが、言い出したお前のためにシンナーを探し回ってるんだろうが。
それにかけた本人は私がペンキをかぶったのは私のせいだという。
では分かった。あの女ではなく清掃も服の着替えも私がやろう。」

説明で言うとそうなるが・・・

不条理?。。

「だ・・だめです。神咲さんが・・その・・清掃なんて・・・似合わない。」

確かに。だけど多分電話一本で終わると思うけど。絶対自分でしねえし。

話を聞きながら携帯を取り出し見もしないで目はルカに釘付けされつつ・・

電話はしないものの・・メールは打ってる・・超高速で。さすがギャルだ・・。

現代人の高等体術だな。


「私がお前を見たり聞いたり名前を覚えてりゃ・・お前は」

盛りヘアの女と同じ目線にきちんとしゃがみあっちは変な方向に足が乙女に曲がってるが・・

女のアゴを持ち上げる。

「ペンキなどかけなかったと。」

「ファゥ・・」

ファゥ?

「ささささ・・ん。」

みよじも名前も入ってない動転ぶり。見事。

「ああ・・ペンキはもう乾いている。」

確かにパリパリで長いまつげが真っ白けだな。塗装が剥げまくってる綺麗なマネキンか
ロボみたいになってる。

「そそそ・・そゆこと・・じゃなくて・・顔が・・・ち・・ちいさい!!」

近いを間違えただろ。確かに小さいけどよ。

「って・・ハンカチ・・?」

目をくるくるさせながら気づいた。

ポケットから取り出したのだろうか・・

俺の昨日の夜洗って・・今朝アイロンしたルカのハンカチ・・


「拭おうと・・思ったのだが・・すまん。顔が近いか・・。コンタクトがペンキでズれたし
汚れたのであまり見えなくてな・・耳も聞こえにくいし。」


「ほんとに・・それだけ?だったの・・叩いても・・いいのに・・」


はいドM決定・・。


「私は女を叩かない。だが・・誰であろうと私にペンキをかけていい訳がないであろう。
例えわざとでもわざとじゃなくても・・どんな急用があったと・・しても。関係ない」

「ですよね・・」


そうなの?

まあそうだな。


「さっきの女になんと書いたのだ。」

「ぃ・・えま・・せん・・」
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