俺とアイツといとこ殿!
もう縛は解除したようだ。

「このボトルを開けぬように。」

封という字をサラサラと書き貼り付けた。

「僕が持ち歩くよ。」

「うん頼んだ。」

「俺・・・」

「見たか?」

そうだ俺は見たんだ。顔みたいなものを。

「どんなだった?」アイツは見れなかったのか。

「女みたいだった。」

「それだけ?送ってよめんどくさいから?」

「それが・・送れない。」

「転写に近いゆえデータ化できないのだ。幽霊が写真に映らないものと映るものがあるあれと似たようなものだ」

「じゃあ対応策はないってこと?」

「いや送れないなら・・こちらが覗けばいい。」

「そうだね。」

待って。待って。。俺の中に入ってくるなあああ・・・

・・

ああ気持ち悪かった。


「へえ・・」

「女だな。」

「よくわからないね。」

「うむ」

それだけなら入ってこなくてもいいのに!!

でもそんなことは言ってられない。

何かがルカを狙ってる。目の前まできたのは確か。俺らが守っていかなくちゃ。

第8章後編

おっさんの話はビンに閉じ込めたから後回しでいいけど・・

暴力団ってヤッさんか・・もう銃でバチバチされたくないなあ・・

俺若干ガード弱いから貫通はしないし傷にもならないけどちょっといてえ。

「ルカもうノロの事は考えなくていいんだね?」

「いや。頭の隅においておいて。この男をけしかけ暴力団がどうのってのを自ら言ったが
それにもノロが加わっている可能性は大きい。」

「そうなるか・・。ルカこのおっさんの素性はもっと調べはついてる?」

「東京都練馬区に住む現在独身の警察官であるがここ一週間ほど署にはでていないそうだ。」

「乗り移られたと仮説すると一週間ほど前あたり・・だね。」

「いや。なお離婚したのは2・3週間前だそうだ。」

「離婚と何の関係が?」

俺もアイツも聞いた。

「お前たちは私がある日から雰囲気が変わったり私なんだがなんだか私らしくないと疑い始め、
小競り合いをし、別れを決断するとしたら何日かかる?」

は!!と思った。

俺たちが家族のようにルカをすごく見ているように離婚した嫁さんもかなりずっと見ているってことか。

「一ヶ月・・位かな。」

「うん妥当な線だ。ということは2ヶ月立つか立たないか前からなんだか態度がおかしくなり、
会社には行っているし家にはかえって来るが確信がもてない状態が続き、
何かがあって変わったのかもしれない打ち明けてはくれないと判断し出ていかれたとして・・
仕事熱心な警察の人間の30そこらの男はつい最近までは仕事には行っていた。
或いは神咲のリーク収集を目的に行っていたのやもしれん。」

二ヶ月弱前・・・あのクラブに行った後辺り。それでノロかと言ってるのか。

「クラブ辺りだよな。」

「他に思い当たる節はあってもこういう異質なものがそうそう絡んでくる事はないので思う。」

あるのか・・。ハァ・・謎が多いっていうか敵が多いっていうか。

トラブルざんまいてんてこ舞いだよ俺は。ルカのせいじゃないけどさ。

「前に言ってたノロの記憶ってのは?今回見えなかったのかよ」

「あれは結界をきちんと張っていたからたまたま見えたのだ。
人間に憑依して接近してくるとは思わなかったしいきなり攻撃もしてこなかったろう?」

「!!」

「そうだ・・・なんで攻撃的な事を言ったりしたりしているのに目の前でしてこないんだ?」


「多分だが・・してこないのではなく・・できないのである。」

「なるほどねだから暴力団やら拳銃を持った刑事やら嗾けるしか攻撃手段を絞って来ないのか。」

「一対一の能力勝負より会社や内通者を作ったほうが我々にはダメージも使える能力も大きい。
二人にはあの一件以来念のため心の隙間に入ってこぬよう呪印を施した。」

「いつ?」

「寝てるとき。」

まじか!!

気づかなかった。という顔をアイツもしたからこれはハミじゃないんだな。

「へえ?気づかなかったぜどんな術式なんだ?」

「えーとだな詳しく説明するより見せたほうが早いか純ちゃんは。」

「おう。」

俺は元気よく その通りと言わんばかりに返事した。

次の瞬間抱きかかえていた流華がもぞもぞと動き始め・・

俺のほうを向いてなんだか恥ずかしい態勢になった。

俺の体温上昇中!!


「ま・・さ・・か・・ルカ!もういいよ」

あいつが止めるがルカは術に集中している

「えーとだな・・血液内で変換した頭の中にある術式を・・」

「うんうん・・・」

ルカの顔が近づいてくる。

「このようにだな・・」

唇が俺の唇と・・・重なって・・

離れた・・・


キ・・ス

だよな。なんか変なのが入ってきたけど。

キス!!!!

「このようにして・・送り込めば・・効果的であると判断し・・純ちゃん?」

俺は


昇天寸前で・・熱い!!

「ルカ!!」

「ん?」

アイツの怒ってる声で我に帰るが恥ずかしすぎて顔を見れない俺は・・

ルカを事もあろうにアイツと俺の間に戻した。


ワインを飲んだアイツがしたのは・・

「僕にも頂戴。キス。」

「ん?キス??あの術式はまだ名づけていないのだが・・」

とのめり込むようなキスをルカにして目の前で攫っていったのだった。

ゴクン ゴクン と流華の喉が鳴る。こ、後悔した・・・・。俄然後悔の雨嵐。

「おい!!なにしてんだよ!!」

やっとはなれた。

「消毒?♪」アイツは俺にピースサインをする。

「このワイン美味いな。どこのだ?」ルカは・・・

気にしてないのか・・・orz

って・・口移し?? あ い つ め!

なんという意地悪な奴・・俺は天にも登る気持ちでいっぱいハートだったってのに・・

即座に地獄。

気に食わない。

「これはこの間知ったんだよ?この冷蔵庫にもあったんだなあって思って。」

「そうか?もうちょっとくれ。グラスでいいぞ」

「はーい」

罪深き男をここで切ってもいいですか神様!!

ああ神咲には神様はついてないんだった・・・しょぼん

そんな話をしていると・・流華が急にマジになって。

「お前たちに憑依されると非常にまずいのだ。寝ているところに勝手に術式を埋め込んで悪かった・・」

「僕は全然気にしないよむしろ歓迎?」

すごく機嫌がよさそうだアイツぶっ殺してえ。

かと言って同じように消毒を繰り返しする俺には勇気が全くない!!

「俺らがあれにかかるとまずいってどうゆうこと?」気を取り直して聞こう。

「それは・・」

アイツが割って入る。

「それは僕らが攻撃性能力があるし流華に一番近いってことだろ?」

「そうだ。」

お前に聞いてねえし!!

「特に純ちゃん。」

俺??

「ノロはどこまで能力を引き出せるのか行動を操れるのか分からないが
攻撃能力に特化している純ちゃんは特に危ないのだ。」

「流・ルカは?」焦りながら俺は聞く。ルカこそ乗り移られたら終わりじゃんよ。

「私は・・・心に隙間がないのだ。だから私の心配はいらぬよ」

ルカは少し憂いをもった目で微笑んだ。

≪バ!カ!≫

そうだ・・そうだった。

俺は・・ダメンズだ・・。

「こいつは?」

「瞬ちゃんもほぼ同等にマズイのだが・・」

「なんで?」

「私は従兄弟を傷つけたくない。」

「ありがとう」

アイツはこうゆうとき言葉が出るからすごいよな。


「前の男・・比較的能力があるとしても銃の腕とか情報収集が狙いだろう。
でも瞬ちゃんもうちのデータをかなり持ってるし完全に防御に入られたら前の男の様には行かない。
ある程度ギリギリまで削って出来るか出来ないかの瀬戸際ってとこだろう。
できるだけ削っているとバレたら・・
私にとって島にとってお前たちがキーで大事だということがバレてしまう。
そうしたら私を傷つけようと乗り移る必要はなく自殺すれば大打撃だろう。
そんなことは避けたい。
今日の寄り合いでも乗り移られているものが居るのか二人とも見ていて欲しい。」

なんでそこまで考えられるのか・・・

俺のいとこ殿。優しいな。

「最悪の場合殺してしまう。」

厳しー
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