俺とアイツといとこ殿!
なにか・・なにかがあるんだ。すでに。

ルカの頭を一回でいいからルカの視界を覗いてみたい・・俺はそんなことを思った・・

ケドそれは違うよな。

列も少なくなってきた。

「次。」

ルカは次々と報告書を受け取りサインする。

速読?ってやつかな。

なんせ早ぇ・・。

「これは・・間違いである。」

「はい。当初予定として言われたこととはかなり現場の声もありまして違っております。」

「だが良い方向に進んでおるのだな。」

「そうなのです。できればこれでいければと・・」

「よくやってくれた。言われた事だけに目を向けず精進する姿勢が結果を出す。よろしい。」

「ありがとうございます。・・それでその・・」

「そうだな結果を出しているのだから最初の報酬よりは上げるようにとの通告をしておく。
納得できる数字を用意する。」

「あ・・ありがとうございますっ」帰っていく男たちは一喜一憂を繰り返す。

その家族たちは結果を聞いて今回の場合は努力が実ったと大いに喜んでいる。

ルカも否定せず褒めている。

「ルカ・・」

「なんだ」

「楽しいか?」

「別に。仕事だからな。」

「そ・・そうだよな。」

俺は汗をかいたりしたのでネクタイを緩めジャケットを脱いだ。

別に服装など決まっていない。ルカだってラフ?な格好だし。

ルカのラフはいつもびしっと決まってることかなw

元左翼が島のこと全体を報告する。

「考えておく。」

「では明日にでも連絡いたします。」

列が終わった。

アイツは帰ってきた。丁度10分経つか経たないかだ。

「なにかあったか?」

「いや・・何もないけど・」

「けど?どうした瞬ちゃん」

「異様な気が・・気のせいかもしれないんだけど
ほんのり島のニオイじゃないのが混じってるような・・」

え?

「うん。さすが左翼。今のお前ならその程度分かれば
十分に資格があるとみなす。任期延長を後で発表する」

えええ??

「ありがたき光栄。」

左翼決まっちまった~

なにか認められたわけ??いけばよかった?俺も。


「おおおお・・おい・・」

「なんだよ。五月蝿いな。ネクタイ緩めんな。」

悦に入っているアイツに聞く。

締めなおして・・

「俺だって聞く権利があるぞ・・なんだよ異質なって・・」

「だからよく分からないけど・・なんか変なんだよ・・それだけ。」

アイツは結果をこういうことで出してゆくのか。正攻法だ。

「皆。少しいいか?」

バカ騒ぎしてる一族の飲兵衛たちは席に座りなおす。腹に顔を書いて裸踊りしてるような連中もだ。

ちょっと間抜けだけどな。

「賢人はいらっしゃるか?」

「ハイ・・ここに・・」

って腹踊りのやつじゃんか。

「ノロからの接触が最近頻繁に起こっている」

「ノロとは・・3世代ぶりですな。名を聞くのもなつかしゅうございます。」

島の人間が少しひそひそとし始める。

「良い意味での接触ではないのだ。」

「ほう。」

「現在島のものがノロと関わっている。」

ざわざわとする。

「して、どのような影響を」

「うちを調べつくし警察にまでリークを。」

「最近盗まれたデータもそのあたりだとおっしゃりたいので?」

え?そうなの?てか盗まれたの??

「ああ。今もノロのにおいがする。キオクで覚えている血のキオクが私を導く」

「裏切り者という事でよろしいか。」

「ああ。そのように認識しなさい。」

誰かわかってんのかよ。

「左翼・・この辺りに潜む人間のデータは?」

「男が50名武器を所持物陰や隣のビルからの狙撃も含めると70名近くになります。」

「当主~なんとかしてくださいよ~」

「当主様・・」

「皆あわてずとも良い。」

ルカは手を差しだし少しだけ微笑んだ。それだけでいいんだ。

「ここにいる全員が私の庇護を受け結界により守られている。故に今攻撃されたとしても問題はないのだ」

「賢者の方々には何時間かさかのぼっての全書記の公開をお願いしたい。」

「認証する。」「認証」「あいわかった」「理解」「否」

一人だけ否とダメだと応えた。コイツが裏切り者か??

「青い賢者は何ゆえ否とする 応えよ」

問答が始まった。どんどんシャンシャンという独特の鈴の音と足踏み。竹のサラサラする音。

「青賢者として応える。ここに精通者がいるとすれば情報を公開するのは不利益と解く」

「否」「是」「是」「迷」

そうだなあ・・というやつが2人違うという奴が一人一人は応えに迷うと応えた。

ルカは黙っている。

「当主の名において不利益ではなく公表する是をお聞きしたい」

「あいわかった。心して聞くように。これはノロとの戦いではなく島の問題である。
私の理解しているノロの能力は心のスキマに入り力を遠隔しうる選ばれしノロ。
しかし選ばれし役所が心にスキマを作り乗っ取られる方が島の意思と違う。
誇り高き島の血を皆の前で汚し続ける輩を排除するほうが先決。
結界ゆえ送受信は一部しか不可能にしてある。
ここから生きて出ることも私の許可なしには不可能。
故に公開しても島全員の人間が知ることとなるが、
同時にスキマを次から作らぬよう心がけることも可能。
私の力を疑わぬのならよろしいか。」

「是」「是」「是」「是」「是」

全員一致で採決はとれたようだ。

ひええええ・・俺問答嫌いだから・・間違っても突っ込まれるし家全員の不始末にされるし。


「続けて補足するとすれば・・島の者ききなさい。」

口々でハイやらオスやら聞こえてくる。調理場にいるやつらまで全員がルカの近くまで来た。

「私を始め島の血は皆が信じるとおり意思は固く尊い。
力が発動せぬもの未熟なもの私の目が行き届かぬうちに闇に落ちてしまうもの・・
それは血の優劣ではない。」

泣き出すやつまででてきた。なんで泣くんだろう??

「しかしだ、異質な血に頼ってまで己を通すのなら裁きは免れぬ。
まして、その長である私に刃を向けたなら島の刃で貫かれるであろう。
不徳とするものは前に出よ。書記を通せば各々の行動は明らかとなる」

「左翼絞り込めるだけ書記のデータを解析せよ。」「はっ」

お・俺は・・。

何も今日もできないままなのか。ルカのこの意思を聞いて右翼として・・

そうだ・・

見過ごせばルカを危ない目にあわせることを力を使い付けさせるハメになる。今だって大量に消費しているはず。

そして身内を問えば出てくる。

「当主。」「なんだ。」

「私に神器の剣を貸してもらえますか?」

俺は丁寧に言うのはなれてない。

「何をする。神聖なものである。」

「裁くのは貴方私は右翼貴方を守るもの。貴方を貶める輩を剣をもって守りたいと思います」

「剣を持って・・守ると。」

「はい。恐れ多くも」「よい。右翼剣を取りなさい。」

《純ちゃん・・血に塗れる・・いいんだ私がや・・》

《オレの意思で俺は戦うことによってお前を守りたい今できる俺が右翼としての仕事で今後も引き受けたい》

おれは心配するルカを説得する。

そうだ俺は血に塗れる。きっと後悔する。きっといやな感触が残る

だけどそれをずっとルカだけに押し付けてきたんじゃないか。

俺だけキレイなままで守ることなんてできねえ。覚悟は決めた。

宝石に彩られた剣を取ると元左翼が神酒と呼ばれる当主が祈りを込めた神聖な酒を剣にかけてくれる。

《よく決断した。》そうテレパスされた。
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