俺とアイツといとこ殿!

ノロとの対決

東京に帰ってきて俺たちはまた高校生活という日常に戻った。

ルカと一緒に行動することがほとんどになった。

公務をこなしながら学校へ行く。
公務って何なのかちょっとわかった。

島の用事と会社の用事と流華自身の用事??に分かれてるみたいだ。

それらを淡々と学校の合間に時には学校を休んでこなしていく。

会社はたまに行く程度で大木さんがほとんどやってくれてる。

その間俺は一回知らない女に告られたりもしたけど・・なんとなく断った。

なんかアイツじゃあるまいし好きでもない奴と付き合ったりしたくないじゃん。

ルカは俺が誰かと付き合ったらどう思うんだろう。

あとノロはどうなったのか昨日の夜聞いてみた。

子供たちが電話していた記録が残っていた番号を解析して電話番号を突き止めたみたいなんだが最終的にあの刑事の電話につながった。

「やはり尻尾は出さないか。」

「用心深いね。」

アイツも言う。

「なあルカまたなんかしてくっかもしれないんだろ??そのボトルぶっ飛ばしちゃおうぜ」

俺は鼻息を荒くしてそう言った。

「まあそれも手だが・・できれば殺さないようにと思っているのだが」

「・・・・・。」

そうだな。それもそうだ。

女だし?

正直うちの島の大きな役所についてる術者には取り憑けないと思うけど

こないだみたいにおっさんから金を巻き上げたり子供を誑かしたりは人の心の隙間に入ってきている。

ルカと似て非なる存在のようにも思える。

ルカは自分がこうありたいと思っている事を実現してくれたり

その手助けをしてくれたりするけど悪い方向には導かない。

ノロって俺嫌いだ。

「子供らが話をしたのは同じような年頃の声だったらしい。」

へえ?

「私たちが視た瓶に入った女は子供という感じではなかったな。」

まあ原型はわからなかったけどそんな感じ。

「この間クラブで感じたのはそれよりは若い感じの女の正気だった。
斎藤とかいう刑事の記憶を視た術者は30手前の若い女だったらしいと報告してきた」


「4人いるのかよ!!」

「・・・バカ」

なんだよー普通そう思うじゃん。

「いや多分深層心理に訴えかける術式を使えるとすると相手が入り込みやすい年頃に見せかけれるんだろう。一筋縄ではないな。」

相手が入り込みやすい年頃・・・。やっかいだな。

「でもまあクラブで直接感じた感覚が一番その女に近しいと思われる。
最高2人ってとこじゃないか?」

「だね。視るやつと誰かをけしかけて行動するノロに分けたほうが・・どっちもできるノロ一人か。」

「うむ。多人数に見せかけたい策略も含めてその辺で探させてはいるんだが私たちの島同様にノロの一族の大元から飛び火した勢力とか血とかは中々掴みにくい。」

そうなのか。じゃああんま考えても無駄ってことか。

「考えるのは無駄じゃないよ。用心に越したことはないんだから。」

アイツが言う。

俺心の声また出てたの?

「顔に書いてるよ。」

ナヌ!顔に?消しとこ。

2人いたら・・一人は閉じ込めてるとしてももう一人は居るってことで・・・頭がこんがらがってきた。

「ははは確かに考えすぎるのも考えないのも駄目だな。右翼と左翼の意見に耳を傾けておこう。」

その日はルカが綺麗にしめてくれた。


・・・


窓の外を俺はボーッと見る。今日も天気がいい。じっとりとした梅雨だってことすら・・

忘れて・・忘れて?雨6月だっていうのに一回も降ってないぞ。

なんか変だ。

≪ルカ!!糞ビジュ≫

≪どうした?純ちゃん≫

≪なんだよ・・授業もうすぐ始まるってのに・・≫

≪雨!!≫

≪雨?≫

≪雨は今日降ってないよ。≫

≪雨がずっと降ってないんだよ。おかしいと思わないか?6月だぞ。≫

≪!!≫

≪確かに流華・・雨がずっと降ってないよ。変だよ≫

俺たちはノロの一件でピリピリしてるからピーンときた。

≪僕ちょっとほかの地域ではどうなのか調べてくる。≫

≪頼む。≫

俺は調べもの苦手だからな。


その日俺と流華は早退したアイツを家で待っていた。

俺はニュースなんかを見たりしてるんだけど・・ニュースもなーんかおかしいんだよな?

毎日同じってゆうかいや天気の当たりなんだけど雨が降らないから野菜がどうのーとか

そうゆう話題もないわけで・・

「流華やっぱ変だぜ。」

「雨が降らなきゃ育たない野菜も困る地域もあるのに
オレらが行ってるスーパーじゃ値段はいつもと変わらない。」

「値段?そんなもの見てないが。」

あちゃー見てよ。

その時玄関のドアがバタンと閉じた音がした。

きっとアイツが帰って着たんだろう。

「ルカ・・ほかの地域じゃ振ってるらしい雨。千葉に行って東京の予報見たら雨だった」

「ほう。」

「東京には雨が降ってるらしい。今も。」

「はぁ??」

「そうか」

「うん・・」

「他県では降っていると報道されているってことか?」

俺は聞いてみた。

「うん。そうゆこと。」

「ウーン・・・・雨・・ねえ。」

「ノロと関係ないのかな。」

アイツが先に言った。くっそーー

「ノロは元々巫女ゆえ豊作祈願やらもしているらしいが・・電波や感覚まで支配する術式などあると思うか?」

俺たちは黙ってしまう。

「ルカは可能?」

アイツは静かに聞いた。

「うちにはそんな術式はないゆえ編み出さねばならんな。」

ルカは深刻そうに言った。

えええ??まあそうだな。

「これは僕の仮説なんだけど・・二人のノロが存在するとして・・」

「うむ」
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