俺とアイツといとこ殿!
アイツは掃除が一段落したようでルカをソファでだっこしながら何かのパンフレットみたいなものを

広げている。

「ねえルカ夏休みどこにいこっか。」

ぬぬぬぬ!!俺は半分ホシューなのに・・・

「海が良いな。」

「車で行けるとして?房総半島とか神奈川・横浜なんてどう?」

「綺麗なのか?海。」

「うーん綺麗さで言うと・・沖縄辺りがいいと思うんだけど・・遠いし・・ルカは飛行機大丈夫??」

「別に。でもトオクナイホウガイイ」機械みたいにいう。

やっぱ嫌なんだな。飛行機。ヘリはまだ大丈夫ぽいのにどのへんが違うんだろ・・?

「湘南もいいよね?。花火もあるよ。」

「花火はいいな。」

「僕花火の見えるホテル取っておいたからスケジュール的にもちゃんと組んであるし浴衣で見ようね?」

「夏は浴衣だよな。」

って大体夜寝る前浴衣着て寝てるじゃん・・・。

おのれホテルで花火みて何する気なんだよこのやろ!

「ニコルのデザイナーが新しい浴衣を作ってくれたよ。凄く似合うと思うんだ?」

浴衣・・・海・・・・ニコルってなんだ?

なんて昨日の話を思い出す俺・・

補修がさっさと終わるようにしないと夏の思い出が・・!俺の・・夏が!!

アイツに全て美味しいとこを取られてしまう・・・ではないか。

「ああいとこ殿の水着姿拝みたかったよな?・・」

「うんうん・・」

ってキンモヒ!!お前もか・・・。

よく周りを見ると俺のつるんでる奴らは当然のように来ている。

「なななな・・学校のプールで見てるだろ?」

「へ?おまえ知らないの?」

なんだ?体育の授業は女子がビキニ戦争したくらいの話なら知ってるが。

「神咲さん。おまえのいとこ殿はいっっっっ回も学校の体育の授業でプール入ってないんだよぉぉ。」

「だよな?俺写真部に盗撮予約いれたのにさ?出席すらしてねえって。」

お前らみたいなのが居るから・・・入れないんじゃないのか・・?

というか・・俺は思うんだけど制服脱いでスクミズを着てまた脱いで制服を着る事の方がルカにとっては

難関なのではないかと思ったけど髪も自分で乾かせないし・・。

「知らなかった。クラス違うし。」

「神咲さんに限って皮膚病とかそうゆうのじゃないよな??」

「ああアトピーでたまにいるよな。ハウスダストとかで気管系は若干弱いけど・・対したレベルじゃねえしなあ・・」

皆好き勝手に言ってる。ハウスダストとか何でしってんだ?オタクは居るもんだな。

「なんせあのツルツルスベスベ素肌に皮膚疾患などある訳がない!!」

断言する男子達・・お前ら触ったことないだろう・・・

「まあ・・こないだグアム行った時普通に海泳いでたしないんじゃねえ?」

そういえば・・と思い返してみる。大阪→グアムww

「グアム??お前休んでると思ったら・・神咲さんとグアムで水着でバカンスだとう!!」

サトプーが憤慨している。

そっかよくわからんけどプールで結局水着 着なかったんだな。ホッとしたかも。

「なあ湘南でビーチバレーあるんだろ?」

奥村はバレー部だ。日に焼けてちょっとカッコイイな。

「ああ。俺は今年でないけど。あるよ。」

「なんで出ないんだ?。女でも出来たか?ん??」

「いや。バレー部の方の試合で忙しくて出れそうにないんだよ。」

レギュラー取れるかどうかの瀬戸際だもんな?ムラちゃん。

ビーチバレー・・・ルカと・・出場!!したら・・いいことあるかも!


補修なんてやってられっか。俺は帰るぞ!!

どうせ赤点とった所で俺が留年するわけじゃない。

エスカレータだからな。ここって一応。

ただ内申点みたいなのが悪くなるくらいだ。

俺はお昼まで受けていた学校にサラバをして、ちゃんと弁当を頂いちゃってダッシュで家に帰ることにした。

午後からは夏休みが終わるまでエンドレスサマーだぜ。

帰って 意外とホシューって早いものなんだな。

「人・・それぞれだぜ?」

へぇ・・とホシュウのホの字も知らないルカには無関心に言われて

ほっとした・・。

アイツには「最低だね。バカにつける薬って本当にないんだ。」

と罵られたが俺だけをハミにした夏なんて有り得ないだろ!!

俺には罪の意識のカケラもなかった。
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