俺とアイツといとこ殿!
俺は今自分の目を疑っている。

アイツも呆然とただ目の前にいるいとこ殿を蝕んでいるようにも見える

この気持ち悪りぃ生き物に唖然としているんだ。

遡りまくろう。

夏休みが1日遅れではじまった俺と初日から海だの山だの行ってギュンギュンに飛ばしてる

アイツといとこ殿。

夏休み3日目 

少し日に焼けたいとこ殿が言った。朝5時にだ。ごそごそという音に少しだけ瞼を開けたら・・

「純ちゃん・・・」

俺の前に跨がれ何故か髪がサラサラと俺の体を撫でるような感じのエロシチュエーションいとこ殿。

これ夢?それとも死亡フラグ?

バキュン・・至近距離でハートを撃ち抜かれた俺。

「ちょっと出かけてくる。」態勢は同じまま・・ルカが言う。

ああ夢じゃないのね・・流華だ。睫毛ナゲーナ。唇は昔からプルンと少し紅色だ・・

紛れも無く・・俺の夢ではない。

だって男の萌えしちぇーションでちょっと出かけてくると股がる女はいないもの・・。

「ええ??な・・こんな時間・・から?取りあえずどいて。。??」

言葉にできないが・・なにかが吹っ飛びそうになる。

「ああ。」ルカはふわりと天狗みたいにジャンプし、髪をシャランと揺らし着地する。うん10点満点。

俺は飛び起きながらも下半身は男の事情ってやつで布団で隠しつつ

「ってどうゆうことだよ。」なんか恥ずかしいな・・。

俺は髪をボリボリしながら聞いてみる。

「遠い私が呼んでいるのだ。そしてもう時間がない。」

「呼んで?ルカを?」相変わらず意味不明。

「瞬ちゃんには上手く言っておいてくれ。」

ドアノブに手をかけどこかに出かけようとするルカ。-+*

言っておくが・・ワンピースは反対だしカーディガンのボタンはかけちがえている。

俺はため息を付きながら・・

「とりあえず・・服を直そうぜ。服装の乱れは心の乱れとか言うじゃん??」

「着れていないか?」うん全然。ズタボロ残念な女子にしか見えない。

不思議そうなルカの服を正してやり、俺も着替える。つってもTシャツとジーパンを着るだけだから

3ぷんで終わるけどな。

着替えながら「アイツには上手く言っておいてって俺そうゆうこと出来るように見える?自分で言うのもなんだけど俺相当へたよ。」

ドアがガチャっと開いた。

「だよね?♪」現れたな!

アイツが囚人服かってかんじのシマシマパジャマに帽子をずらせて眠そうに起きてきた。

「瞬ちゃん・・」帽子いるのか・・?ピエロか?お前・・

「ルカ?僕に内緒でどこに行くって??」

アイツはちょっと切れ気味にルカに抱きつく。いや抱きつかなくてもいいだろ。

その腕の中で「瞬ちゃん・・おはよう。呼ばれているんだ。私は。」

ストンとルカを下ろしてあいつは部屋を出ていった。多分着替えにいったんだと思う。
「場所は?」^

「私が育った 島ではない所・・」

「オウサカ?」

コクリとルカがうなづく。

「でも公務というよりは・・・ただ用事があるだけだから心配せず付いてこなくてもよいと・・」

「別に俺ら何するわけでなくったっていいぜ。お前の行きたいところなら行くし。」

「こんな時間からってことは・・時間がないんでしょ?早く行こうよ。」

アイツはどうやって支度をしているのか時間が掛かりそうなその髪型とファッションと

一泊二日位のボストン。どうしてあの時間でキメてくることが可能なんだろ。

俺の雑ファッションとか髪でもちょっとやろうと思ったら30分くらいかかるし。

まあボストンは準備しとけばいつでもとってくればいいだけだからわかるけど。

まあいいや。

ルカが穴をあける。これにはもう慣れた。

最近聞いた話だと素早く行動しなくちゃいけないとき 3人分の公務を一人で片さないといけないときに

開発したんだそうだ。

俺たちは穴の中に入った。ここは・・

逢坂??立板に書いてある。大阪ではなく逢坂??

それってタイムスリップ的な??マジ?

だって橋とか木だもの。下が歩くところ以外は基本土な勢いだもの。

でもタイムスリップとは違う感じだ。

「ここは?」アイツが聞いた。俺も聞きたい。

「私が島以外で育った場所だ。逢坂という」

あ。ちょっと発音違う。説明それだけ??

腕時計を見た。五時だというのに辺りはもう活気づいている。

木で出来た長屋だらけだがたまにガラスの建物もあるめっちゃくちゃだ・・

ジブリとか絵本とか色々ごちゃまぜなリアルって感じで不自然な日本。こんなもんか。

間違いなく大阪弁っぽいのが朝の早くから聞こえてくる。

でもなにか妙だ。格好はミニのドレスみたいなもので魚を叩き売りしてる女がいたり

着物なんだが丈がミニだったりフリルがついてたり・・襟がザビエルってたり。

宝石がでかかったり。ちゅうか基本的に貧乏なイメージがしない町だな。

通天閣がLEDなのか?デコられていたり大阪城なんだろうか・・遠くに見えるでかいシンデレラ城みたいなのがあったり

「えっさよいさっ」と威勢良く籠で今俺らを運んでくれている足軽?みたいな奴らは

完全ホストだろみたいな風体だったり。

「ルカ・・これって・・」

「G線上の逢坂である」ルカは至って真面目だ。

あの穴って場所を移動できるだけじゃなかったの?か?タイムスリップとも違うのか。

G線上の・・・アリア?ではなくて逢坂?なにそれ全く意味がわからない!!!

「細かい説明は省くが・・れっきとした私が育った場所なのだ。」

「へえ?面白いところで育ったんだね」省くなよ!そしてお前は順応早すぎ!

あっけにとられていたアイツももう慣れたみたいだ。

それに・・・

籠の窓?紐でくくってる竹のすだれみたいなものなんだけど開けたら

人の群れが少しよけてくれる。ルカを確認すると人々がペコリと頭を下げたり子供が手をふったりする。

知り合い・・?ルカは本当に此処で育ったのか。

子供やら女やらには手を少しだけ天皇みたいにさり気なく振り返している。

「よくわかんねえけど!何処にいくっていうんだよ。」

「見て分からぬか?城だ。」

確かにすでに目の前には城壁が・・・早くね?結構遠かったように思ったけど・・それに

殆ど揺れなかった。

ってやばくねえ?城?ぉ?お殿様とか居るんじゃないの?

ぶっ飛ばしちゃうのか?

「ここでいい。いつも世話になる。勘定は城に言え。」

「はいよ。お嬢の頼みならどこでもいきまっせ。まいど。」

帰っていった。お嬢・・?

ひゅるーり・・・三人で城の玄関の前。

門番たちがギロっと睨んでいる。

それにしても門番も変なんだよなあ・・

どう見ても・・変なんだよ・・。

俺の目だけがおかしいのか・・?と思っていたら

「なんでピカチュウのバッタものみたいな被り物を・・目怖いし。」

アイツにも見えてたのか。

俺セーフ。

「目が怖いので町の人間が目安箱に近寄れないのだと昔提案したのだ。」

ルカが??

それは遊園地ティックな発想で?

門番に近寄っていく流華。

「久しいな。門を開けよ。」

「おかえりなさいませ。物の怪かと思うほど美しくなられあそばした。」

「物の怪か。はっは似たようなものだ。」

ギイイイギギイイイイ

鉄の門が開いてゆく。

ん?おかえりなさいませ?

ここってルカの家?なのか???

「じい。じいはいるか?」

大きな声を出しながらツンデレラは城に向かういやシンデレラ城に向かう流華・・

じいって・・やっぱ武士じゃん!!あ。殿か・・

もしや・・時代劇とかで出てくるような・・

「ハイ。ここに。」シュパっと3階位から移動してきた技はまさしく島の移動方法だ。

どうして・・・使えるんだ?そしてなぜ執事風?ロマンスグレーの紳士登場。燕尾服?みたいなバッタみたいな服を着ているが

それよりなぜチョンマゲやめなかったんだ??髭はクルンってしててどっかの外人風なのに・・

「皆元気か?来度は庭に用があるのだ。」「はい。もう限界かと。」もう突っ込み疲れた。もういいや。

忍者みたいな奴らが出てきたと思ったら赤い絨毯が引かて・・その上を歩いて行く・・いとこ殿。

これが闇の国なのか??

いや・・違うな・・話からすると幼少期過ごした場所だ。

≪おい!!≫

≪なんだよ。五月蝿いなテレパスなんだから大きな声じゃなくても聞こえるよ≫

≪お前これどう見るよ。≫

≪どうみるも何もここで流華が過ごしたんでしょ。そう言ってじゃない。≫

≪言ってたけどー滅茶苦茶じゃねえ?何時代でもないもん。≫

≪そうだね。だからG線上なんじゃないの?≫

≪だからなんなんだよそれ。≫

≪異空間ってゆうか?世界ってのはどこの何をきっかけに今に至っているかわからないんだけど≫

≪ふむふむ≫

≪存在するかもしれなかった場所というのはあるわけ。流華が言ってたじゃん春頃。歪がどうとか。
決まった流れがあってとか・・それらの中で流華は捻じ曲げられていない現実の一つじゃないかな??≫

あとを付いてゆく俺たちも一緒に城の中でお茶菓子をすすりながら縁側の朝靄の中で

何故か中庭も内装も日本風という違和感を感じつつ中庭を眺めている。

≪は????どういう意味だよ。≫

≪僕もよくわからないと言うのが本当なんだけど、もしもどこで変わったのか、そのきっかけを知りえるものがいたとしたらそちらの世界にゆくこともルカの能力なら可能なんじゃないかなあと思うだけで・・的を得た答えってのは出てこないよ。≫

≪存在したかもしれない世界・・?≫
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