俺とアイツといとこ殿!
あの斎藤という刑事がメロンと大きな箱を持って玄関前に現れた。
「あのう・・・こちら神咲さんで?間違いないです?かね?」
と相変わらず知ってるくせに聞くやつだ。
「ええ。そうですよ。僕も神咲です。」「俺も。」
慣れっこだからちょっとアイス食ってても普通に話せる。
向こうは逆にびっくりしてたが・・。
「お嬢さんはどちらに今日は居られますでしょうか?」
「いますけど?ちょっと今プールから帰ってきたばっかで着替えてるんで取りあえず入りますか?」
「どうぞ。斎藤様でよろしいですね・・」
アイツは不機嫌そうだ。
「ああどもども。いやーこんなにサラっと入れるとは・・。」
ルカを完全に着替えさせたアイツはビール瓶を置いて冷えたグラスを運んでいた。
「いやいやお構いしていただかなくても。」
刑事が恐縮している様子。幽霊にまじビビってるとみた。
「貴方のはこのお茶です。それは総帥の飲まれる飲み物です。」どんっと有田の骨董品が・・・
ヒビはいるんじゃねえの?なんでそんな怒ってんだよ・・。
「ああそれは失礼。頂きます。」
俺らが1っぷんほど沈黙していた所に
白いワンピースのルカが「待たせたか?」
と現われた。
刑事のおっさんはバッジやらじゃなく名刺を出して・・
「私・・」
「斎藤のとこの息子だろう。いらぬ。用件を。」
座って名刺を受け取らずアイツはビールの栓を抜いて綺麗に注ぐ。
グビッグビッググググっと取りあえず一杯。みたいな感じで飲み干したあと・・
「早く用件を言いたまえ。」
再び注がれるビールにたまに喉を潤しながら・・
あ。俺も飲みたくなってきた。
「おい俺にも・・」「自分で行け。あと自分で冷えたグラスは使うなよ」
全部じゃん。
しょうがないから・・冷えたビールを常温のグラスで飲む。
「おいおい君たち未成年は・・・」
「日本国憲法では禁止であったな。私は日本所属ではない。」
たしか闇の国・・だっけ?どこに所属してんだよぉ 俺!
「そ。そうでありましたか。実はですね、こんな所まで足を運んでお伝えするのも吝かではないのですが・・」
「なんだ?こんなところとは失敬な。」
斎藤という刑事はソファからいきなり降りて・・
ガバっと
土下座して奉納するように持ってきたものを差し出した。
「なんなのだ。お前何をしている」
「エッケハルディン家から神咲様に当てた封書と贈り物を届けにやってまいりました。」
「よく言えました。だが抜けているな。一言。」
「実は幽霊が。。。ですね」
「違う!!罪を己から白状し、許しを乞う時間を赦してやったというのに・・借りにも警察であろう。分かるな?私には分かっている。」
許しを乞う時間を赦してやったのか・・・。すんげー偉そうな言葉だな・・。
「はい。失礼ながら封書を確認のため読ませていただき、先祖が記したものと違うと理解し独断で持ってまいりました。エッケハルディン家の感謝の気持ちを伝え神咲様のご先祖様を案じるがために贈り物を持たせたものを横取りして所有物に長らくしていたことを知り恥ずかしながら無礼を承知でいきなり訪ねて参りました。」
「うむ。ご苦労。もう座れ見下げるのがめんどくさい。」
ぐびっとビールを飲み干した。
おっさんはちゃんとソファに座り向き直った。見下げるのめんどくさいよね。うん。見えにくいもの逆に。
あ。今日はヒゲもちゃんとしてるんだな。やっぱあれ自体偽装だったんだ。
「全部分かって居られたので?」
「うむ。いつ持ってくるのかまでは分かっていなかったがいづれ持ってくるであろうと思っていた。」
「そんなお人好しじゃないでしょ?ははははは」
やっぱこのおっさん俺とあんま変わらんかも。余計なこと言う!
「物はな・・斎藤のよ。」「はい」
「持つべきものを知っているのだ。どんな形であっても伝え戻ってくる。」
「そういう・・ものでありますか・・」
「ああ。お前の妻も戻ってきたであろう?」
ええ??
「ああわわわ・・そんなことまで知っておられるとは。」
焦るオヤジ焦ってる!!あわわわゆった。
「法律ではなくとも相応しくない量を飲めば体のどこかを痛めるであろう。罪を犯せば子に災いをもたらす。善良なるメイドを手にかけ人のものを奪い富を成したとしてもそれは悪の種である。それを悔いることしか我々の世代はできぬ、だからものはふさわしい人間のもとへ戻るしかないのだ。」
子供に言い聞かせるようにルカは言う。
「ですね・・・。聡明でいらっしゃるとは聞いていたものの・・何千年も生きているみたいですね・・」
まあ生きてるようなものだけど。
「神咲では選ばれしものに年はない。名も判別方法にしか過ぎぬ記憶を共有し生き続けるもの。あながち間違ってはおらぬ。」
そんなことまで話さなくても。
「郷土宗教ってやつが強いと聞きましたが・・それで・・ああそれなら・・納得が・・」
ブツブツとおっさんは頭を整理しているんだろう。
「お前は何故刑事になったのだ。」
「家を・・・腐った奴らの中で何を言っても無駄だからです。正すためになったのです!」
「私もそうだ。総帥になったのは家の中から変えてゆくため束ねるだけの勉強も仕事もしておる。その前提で言うのなら・・お前はもう一つ勘違いをしているのだ」
「聞かせていただいても?」
「ああ・・後ろの女にまず謝るべきだ。」
!!!
確かに。
「お前自身は切っておらぬのかは分らないだがお前が正そうとしている悪は自分の家にあったので此処に居るのであろう?その女に助言をしてもらって。贈り物をせしめたのはお前たちの罪。だが善意の人間から取り上げ殺し記録を捏造したのもお前たちの罪なのだ。」
後ろでふわふわ半透明になって飛んでいたメイドさんがポロポロときらきらした涙を流す。
重い足かせが外れた・・太陽にやっとあたった花の様に。すごくきれいな子だったんだな。
「永年続くとうちではもてはやしておりました。無礼をお許しください。贈り物を届ける役目を遠路からされたというのに我が先祖がその思いを踏みにじったことを私は・・忘れません。申し訳ありませんでした。・・」
またソファから降りてメイドの方へ向いて土下座する。
「私が最後・・島主殿に届けてもよろしいでしょうか?」消え入りそうな声で言う。
少し以上に殺された奴ともしかぶって見えるなら抵抗はあるだろうな。
「はい。」
メイドの女の子はキラキラした鼻水と涙と笑顔で
「当主殿。長らく掛かりましたがやっと追いつけこれを我が主からの言付けと共に渡すことができます。」
「受け取った。ご苦労であったな。して言付けとは?」
「やっと思い出したのです。エッケハルディンは未来永劫・・貴方の強く優しい意思と共に歩いてゆくことを約束すると。言付けを承ってまいりました。」
「あい承った。伝えて貰っても良いか?今は神咲という姓があるのだが、私もエッケハルディンの名誉に恥じぬよう生き、そして神咲の名のもとに未来永劫友として歩いてゆくと約束しよう。どうか消えゆく前に今の城主に伝えに行きたまえ。久しく帰ってないであろう少し勇気をわけてやろう」
ルカはメイドの胸に机に飾ってあった薔薇の花を飾った。
こうゆうこともするんだなあ・・。そこから力が出ていたから抜け目ないなとはおもったけど。
行動がね。キザっていうか・・。ちょっと照れてしまう。でもそうなんだよな。
この子生まれ育った土地を離れずっと帰れず探し続けてたわけだよな。こんだけ慕ってる城で無くなるならそこで消えたいと思うし。
メイドはペコリとお辞儀を皆にしたあと・・
本当にタイムリミットがあるかのように急いで消えていった。
「瞬ちゃんエッケハルディンはドイツだったな残ってる者に手紙を一通書いてくれないか。今度はこちらからもてなしたいと。」
「OKわかった。調べて書いて送っておくよ。」
アイツは部屋に行った・・。
「あのう・・・こちら神咲さんで?間違いないです?かね?」
と相変わらず知ってるくせに聞くやつだ。
「ええ。そうですよ。僕も神咲です。」「俺も。」
慣れっこだからちょっとアイス食ってても普通に話せる。
向こうは逆にびっくりしてたが・・。
「お嬢さんはどちらに今日は居られますでしょうか?」
「いますけど?ちょっと今プールから帰ってきたばっかで着替えてるんで取りあえず入りますか?」
「どうぞ。斎藤様でよろしいですね・・」
アイツは不機嫌そうだ。
「ああどもども。いやーこんなにサラっと入れるとは・・。」
ルカを完全に着替えさせたアイツはビール瓶を置いて冷えたグラスを運んでいた。
「いやいやお構いしていただかなくても。」
刑事が恐縮している様子。幽霊にまじビビってるとみた。
「貴方のはこのお茶です。それは総帥の飲まれる飲み物です。」どんっと有田の骨董品が・・・
ヒビはいるんじゃねえの?なんでそんな怒ってんだよ・・。
「ああそれは失礼。頂きます。」
俺らが1っぷんほど沈黙していた所に
白いワンピースのルカが「待たせたか?」
と現われた。
刑事のおっさんはバッジやらじゃなく名刺を出して・・
「私・・」
「斎藤のとこの息子だろう。いらぬ。用件を。」
座って名刺を受け取らずアイツはビールの栓を抜いて綺麗に注ぐ。
グビッグビッググググっと取りあえず一杯。みたいな感じで飲み干したあと・・
「早く用件を言いたまえ。」
再び注がれるビールにたまに喉を潤しながら・・
あ。俺も飲みたくなってきた。
「おい俺にも・・」「自分で行け。あと自分で冷えたグラスは使うなよ」
全部じゃん。
しょうがないから・・冷えたビールを常温のグラスで飲む。
「おいおい君たち未成年は・・・」
「日本国憲法では禁止であったな。私は日本所属ではない。」
たしか闇の国・・だっけ?どこに所属してんだよぉ 俺!
「そ。そうでありましたか。実はですね、こんな所まで足を運んでお伝えするのも吝かではないのですが・・」
「なんだ?こんなところとは失敬な。」
斎藤という刑事はソファからいきなり降りて・・
ガバっと
土下座して奉納するように持ってきたものを差し出した。
「なんなのだ。お前何をしている」
「エッケハルディン家から神咲様に当てた封書と贈り物を届けにやってまいりました。」
「よく言えました。だが抜けているな。一言。」
「実は幽霊が。。。ですね」
「違う!!罪を己から白状し、許しを乞う時間を赦してやったというのに・・借りにも警察であろう。分かるな?私には分かっている。」
許しを乞う時間を赦してやったのか・・・。すんげー偉そうな言葉だな・・。
「はい。失礼ながら封書を確認のため読ませていただき、先祖が記したものと違うと理解し独断で持ってまいりました。エッケハルディン家の感謝の気持ちを伝え神咲様のご先祖様を案じるがために贈り物を持たせたものを横取りして所有物に長らくしていたことを知り恥ずかしながら無礼を承知でいきなり訪ねて参りました。」
「うむ。ご苦労。もう座れ見下げるのがめんどくさい。」
ぐびっとビールを飲み干した。
おっさんはちゃんとソファに座り向き直った。見下げるのめんどくさいよね。うん。見えにくいもの逆に。
あ。今日はヒゲもちゃんとしてるんだな。やっぱあれ自体偽装だったんだ。
「全部分かって居られたので?」
「うむ。いつ持ってくるのかまでは分かっていなかったがいづれ持ってくるであろうと思っていた。」
「そんなお人好しじゃないでしょ?ははははは」
やっぱこのおっさん俺とあんま変わらんかも。余計なこと言う!
「物はな・・斎藤のよ。」「はい」
「持つべきものを知っているのだ。どんな形であっても伝え戻ってくる。」
「そういう・・ものでありますか・・」
「ああ。お前の妻も戻ってきたであろう?」
ええ??
「ああわわわ・・そんなことまで知っておられるとは。」
焦るオヤジ焦ってる!!あわわわゆった。
「法律ではなくとも相応しくない量を飲めば体のどこかを痛めるであろう。罪を犯せば子に災いをもたらす。善良なるメイドを手にかけ人のものを奪い富を成したとしてもそれは悪の種である。それを悔いることしか我々の世代はできぬ、だからものはふさわしい人間のもとへ戻るしかないのだ。」
子供に言い聞かせるようにルカは言う。
「ですね・・・。聡明でいらっしゃるとは聞いていたものの・・何千年も生きているみたいですね・・」
まあ生きてるようなものだけど。
「神咲では選ばれしものに年はない。名も判別方法にしか過ぎぬ記憶を共有し生き続けるもの。あながち間違ってはおらぬ。」
そんなことまで話さなくても。
「郷土宗教ってやつが強いと聞きましたが・・それで・・ああそれなら・・納得が・・」
ブツブツとおっさんは頭を整理しているんだろう。
「お前は何故刑事になったのだ。」
「家を・・・腐った奴らの中で何を言っても無駄だからです。正すためになったのです!」
「私もそうだ。総帥になったのは家の中から変えてゆくため束ねるだけの勉強も仕事もしておる。その前提で言うのなら・・お前はもう一つ勘違いをしているのだ」
「聞かせていただいても?」
「ああ・・後ろの女にまず謝るべきだ。」
!!!
確かに。
「お前自身は切っておらぬのかは分らないだがお前が正そうとしている悪は自分の家にあったので此処に居るのであろう?その女に助言をしてもらって。贈り物をせしめたのはお前たちの罪。だが善意の人間から取り上げ殺し記録を捏造したのもお前たちの罪なのだ。」
後ろでふわふわ半透明になって飛んでいたメイドさんがポロポロときらきらした涙を流す。
重い足かせが外れた・・太陽にやっとあたった花の様に。すごくきれいな子だったんだな。
「永年続くとうちではもてはやしておりました。無礼をお許しください。贈り物を届ける役目を遠路からされたというのに我が先祖がその思いを踏みにじったことを私は・・忘れません。申し訳ありませんでした。・・」
またソファから降りてメイドの方へ向いて土下座する。
「私が最後・・島主殿に届けてもよろしいでしょうか?」消え入りそうな声で言う。
少し以上に殺された奴ともしかぶって見えるなら抵抗はあるだろうな。
「はい。」
メイドの女の子はキラキラした鼻水と涙と笑顔で
「当主殿。長らく掛かりましたがやっと追いつけこれを我が主からの言付けと共に渡すことができます。」
「受け取った。ご苦労であったな。して言付けとは?」
「やっと思い出したのです。エッケハルディンは未来永劫・・貴方の強く優しい意思と共に歩いてゆくことを約束すると。言付けを承ってまいりました。」
「あい承った。伝えて貰っても良いか?今は神咲という姓があるのだが、私もエッケハルディンの名誉に恥じぬよう生き、そして神咲の名のもとに未来永劫友として歩いてゆくと約束しよう。どうか消えゆく前に今の城主に伝えに行きたまえ。久しく帰ってないであろう少し勇気をわけてやろう」
ルカはメイドの胸に机に飾ってあった薔薇の花を飾った。
こうゆうこともするんだなあ・・。そこから力が出ていたから抜け目ないなとはおもったけど。
行動がね。キザっていうか・・。ちょっと照れてしまう。でもそうなんだよな。
この子生まれ育った土地を離れずっと帰れず探し続けてたわけだよな。こんだけ慕ってる城で無くなるならそこで消えたいと思うし。
メイドはペコリとお辞儀を皆にしたあと・・
本当にタイムリミットがあるかのように急いで消えていった。
「瞬ちゃんエッケハルディンはドイツだったな残ってる者に手紙を一通書いてくれないか。今度はこちらからもてなしたいと。」
「OKわかった。調べて書いて送っておくよ。」
アイツは部屋に行った・・。