俺とアイツといとこ殿!
「ふふそうだな。まあでも無礼であるから先に手紙を読もう。」

誰もいないのに・・相変わらず真面目だなールカは。

でもそーゆーことを一切しないからあんなにハッキリとモノが言えるのかもしれない。

ルカが良くも悪くも素直な理由なのかも。

「ああ開けてあるね。あの刑事これ読めたんだ?」

「苦労したろうな。これそのものより。」箱を指さすルカ。

「なんでだよ。ドイツ語できたら読めるだろ?」

「日本語でも時間が経つと意味が正反対になったりするだろうが!その時の比喩もニュアンスも文化なんだよ。僕読めないよ」

「私は読めるが。」

えええーーーー

「な・・なんで?」アイツもちょっと驚いてる。

「私は文化や言語の勉学はしていないが先代が辿ってきた道であれば読めるであろう。その時の私が読めたのであるから。勉学して読んだ斎藤の方が執念があったってことだ。さすが刑事ってとこか。」

「なんてかいてんの?あんなおっさんもういいじゃん。」

「そうだね。二度と関わりたくないよ。」

「えーとだな。ある程度わかり易く読むぞ。」


親愛なる友へ。

3年という月日は早いものだね。

初めてあった時の事を覚えているかい?

僕は君に罵倒されたんだよ 今となっては笑い話だがね

そんな私は君を罵倒したね すまなかった 

けれどそれはもうお互い様で 親密になったあの日を僕は大切にしている。

僕の目を君は何故翡翠色なのかと尋ねた。

ほかのドイツ人貴族とは違うからね。

君は尋ねただけだったのに僕は君をムチしてしまった。

僕にとってはすごく幼少の頃から気にしたり虐められたことだったんだ。

父も母も恥じる行為はしていない尊敬する人間だった。責められたこともなかった

僕だけが恥に思っていたんだ。

ムチをされながら君は私に

「服装は綺麗だが心が荒んでいる。私は服装は汚いが旅をしているからである。私は心は荒んでいない」

と言ったんだ。その言葉にショックを受けたんだ。でも何か本心を見破られたと思ったのと

見たことのない顔や体つき肌の色特に僕を睨む目の色がとても印象的だった。

怒りながら僕は君を馬車にのせ城の医者に見せたんだ。

ムチで痛めつけたのは私なのに君がありがとうと言うと本当に僕の心は荒んでいたんだと思った。

理解というのは親や妻や子供からでも友からでも得れるのだと分かったよ。

あの後君の傷が治って旅立つと言う日

最後に「本当は尋ねた時に続きがあったんだよ親友」と言った。

「なんだい?あのことなら・・」ともういいのにと言ってしまおうと思ったけど

気になった。君が何を本当は聞いてそして言いたかったのか。

「じゃあ最後に聞かせておくれよ」と僕は言ったよね。

君は「翡翠のようで澄んだ海のようで宝石のようでいてどれよりも美しいと言いたかったんだが・・伝えそびれてしまったし傷つけたようですまない。」

僕は自分の目が変わっていてしかも美しいなんて言われたことがなかったから

びっくりしたしとても嬉しかったんだ。誇りに今では思うようになった。

これを改めて言うのは初めてだし恥ずかしいから手紙に書いたよ。

海の向こうには何があるのか沢山話してくれたのもここを出ることが出来ない僕には

眠れないほど興奮したお話だったよ。酒を飲み一緒に夜ふかしした日々や馬でかけた草原の匂いを

僕は一生忘れないだろう。

そのあと無理に引き止めて悪かった。

急いでいたならきっと君は言うと思って少し甘えていたのかもしれないな。

僕は結局君に旅の道具だけしか持たせなかったことを悔やんでいるんだ。

城主として親友に贈る贈り物の一つでもと常識なのについつい朝も早かった故見送ってしまってね。

今ここにある大きな寂しさと友を思う喜びが自分自身でも分かるので筆を取った。

短い間ではあったがこのさきエッケハルディンは未来永劫僕君を友として迎えるよ

近くに来たらいつでも寄って欲しい。妻も子供も皆が君を友として愛している。

気まぐれに3年こうやって留まるような君だから東へゆくと言ってものらりくらり行くんだろうな。

君は一体何を探しているんだい?まあ君は目立つし信頼できるメイドを向かわせた。

長い旅になってもきっとあの子は見つけてこれが君に届くと信じている。

海は波を切っても絆までは切れないのだから。

君の子供でも気軽に訪ねてきてくれればいい。

この贈り物は君のために作らせたものなんだけど

誕生日がないというので渡しそびれていたんだよ。

どうかいつかこれを持ってまた訪ねてきて欲しい。

エッケハルディンは君の孫もそのまた孫も未来永劫友として愛するので気がむいた時でいいよ。

君の美しい瞳に似た赤い特別な石が手に入ったので気に入ると思うよ

愛を込めて

永遠の親友より。


「終わった。」

「なげーな。。」

「普通の手紙だねww」

「めちゃフツーだな。なんてことない会話とか出会いだぜ。」

「ああ。心のこもった友達同士の手紙だ。とても敬愛を込めている部分が目立つ。」

「でも今のルカでもそりゃあの子も見間違うだろうな。。」
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