俺とアイツといとこ殿!
「では・・失礼する。」

ルカが飲みかけのワインを優雅に下ろしそう口にした。

「ちょっと待ちたまえ。」

焦っておっさんも立ち上がった。

「なにゆえ?」

冷たい目でおっさんを見ながらルカはそう答える。

「そちらに不利な話ではないでしょうにひょっほほほ」

笑い方キモイ。

「本当に本心で言っているのか、最初の最後に聞きますが。」

「当たり・・ま・・」
おっさんはハっという顔をした。

ルカが感情を読み取れるという能力があることを思い出したって所だろう。

こうゆう場面は結構みる。

「不利にしか聞こえませんが。子供じみたプレゼンを聞きにこんな海まで遥々来たわけではない。」

ルカは踵を返す。
東京は彼方にあるというのにデッキに向かう。黒服は身構える。

「ガキお前のほうだろうが~このっ・・」

間髪いれずルカは言った。

「今の会話映像ごと録音させて既に総会に送信させて頂いた。」

「ハ??総会・・?」
おっさんの顔が青ざめる。

聞かれたらまずいような会話でもしてたのか。

俺はほとんど聞いてなかったし意味がまずわからなかったから・・・。反省。

しかし!ここは海の上。

今目で全てを録画して電波に変えて送信できるような芸当は現在電子機器でも無理な話だ。

だから携帯の電波が届かない海の所まで来てるんだろう?

それくらいはわかるぜ。

「何を仰られてるのか・・」

惚けたような口調に変化する。

「見せましょうか?」


ルカは少しだけニヤリとほくそ笑み指先から赤い赤外線のようなもので

船の中の壁に窓のようなものを書く。

窓というよりはただの ■ ■ 四角がふたつ。

一つには先程ここへ俺たちが来た当たりからの映像が音付きで流れる。

ハ・・ハイクオリティだ・・。

10才でも12でも15でも関係無いんだな・・抜きん出すぎている。

もう一つの窓はまだ閉じたままだが・・・。

「どんなハイテクで録画したのかは知りませんが・・その機器を渡してもらいましょうか。」

機器と思うしかないんだろうなあ。

機器なんかじゃねえってばw

どす黒い声にヤっさんじゃない方のおっさんまでなりはじめた。

「機器はない。私が見たものだから。」

「では送信したというのは・・?」

映っていない方の窓に中指を絡ませ「これは送信当初のリプレイですが・・」

中指を絡ませたら映る映像。

さっき落ち合ったホテルの会議室におっさんらが迎えに来る前に挨拶にきていた上役のやつら達と多分うちの上役・・。

これはこのおっさんらには秘密だったってことか・・。

すげえもめている。

向こうのほうが青ざめている。

まるでフルチンの社長の裸踊りを会議で見せられたみたいな状況になっている。

そのおっさんら上役の声は聞こえないもののそちらの部屋でもよくみると

モニターにこの右の動画が映っている。それを見ていることは明らかだ。

「化け物の小娘が!!」やっと気づいたか。

「ちなみに今も配信中ですが。」

ルカはメカみたいに言う。俺はそれにちょっとウけた。

「ハッ・・・」おっさんは口調を整える。

「神咲の統括ともあろうお方が・・そう意地悪なことをされずともさっきの話はほんの冗談で。。」

猫なで声で懇願するようにあがく。
「冗談・・?神咲の統括に対して虫が良すぎるのでは?では・・島の意思と私の意見として率直に自体を受け止め言おうか。今回の会合は決裂。新事業でのお二方の会社の株および利権は剥奪。会長・社長は交代の上今後この事業での一切の子会社とも関係を持たないこととする。他の今までの関係は一応継続ということで進めていただいてホテルにて私も後で失礼して参加させて頂く。ゆくぞお前たち。」

淡々と言い渡される罪状および処置。って所か。

「ハイ。」

よくわからんが俺はスッキリした。
ルカが我慢して嫌な目にあったり舐め回されるなんて想像したくもない。

おっさんに聞こえるようにだけ呟く。

「全てを失うのは 浅ましい瞬間そのものからだな・・愚かな。」

静かに下賎なものを見る目で悪魔のように艶を含んだ声で言ったあと魅力的に笑った。

ああ。俺って・・こうゆうルカ嫌いじゃない・・。

M・・なのかな。ゾクゾクした。

≪なにぼーっとしてるんだよ。やばいよ。≫

テレパスが飛んでくる。

≪え?何が?≫

「尚用事を終えたので通信は終わりとする。お役の方々ご苦労さまでございました。」

誰に言ってるのかはきっと会議室のやつらだ。

ハイクオリティビデオが二つ消えた。

「都合が悪いからってだけなのだけどな。双方。」

ルカが意地悪そうに指先で円を描く。

シャボン玉みたいなのが出来る

それを俺に吹いてきた。

「瞬ちゃん純ちゃん・・船から降りて。」

マジですか~!!!

なに!!この乙女シャボンの俺。

なんでアイツはすでに海の上に立ってんの。シャボンは??

ルカはなにやら撃たれている。銃で。
全部跳ね返ってるけど。


しかしルカが金色の鉄壁のシールドを何重にも纏っているのが見えるのは俺たち位なんだろうけど

平然とわた雲に車輪?と車のマフラーみたいなものを落書きしてるように海の上で寝転んで

逆さまになって空気にペンもないのに書いた。

そのような芸術的ハイソ趣味落書きみたいなよくわからないものに

ルカはちょこんと乗った!!
マジですか。不思議少女ですか?

まあ不思議な少女ではあったけどもある意味俺はファンシーとは縁遠いし


目がぱちくりなる。
「キ・・キントウン??」

綺麗な心でしか乗れない乗り物なの・・?それ?

ルカはそこから印をきちんと結んで船を見ている。

≪おいおい・・何する気だよ?≫

≪お前離れろ!巻き込まれるぞ!!≫

え?攻撃するのか?なんで?

≪このシャボン玉動けるの?こえーし海の上だぜ≫

≪そんなこと言ってる場合か。ルカが動けるようにするみたいなこと言ってたろ。お前が援護しなくてどうすんだよ役たたず!!≫

ガーン・・・。
なるほど。

俺は確かに理解不能な出来事と海に浮いてるとかシャボンとかルカが乗ってる乙女へんてこキントウンに

目と心を奪われ何もせずぼーっとしてる役たたずだ・・。だった!

アイツはシールドを自分とルカにまで回しているというのに!!

遅れをとった。それは確かだ。
今できることを俺は・・・

俺は海の上だろうが走ってやるぜ。

ってばかりに走ってみる。
意外と快適なのだな♪

なんかこういい感じ。
ぽわんとして月面を歩いてるあの感じ。
歩いたことねえけど。

いつか割れないだろうかとかチョッピリ思いつつどうせ殆ど海面から離れてない海だ俺泳げるし。

離れたところでルカの印を結んだ技に更に強力にするために援護の印を結び・・

俺も「炎」と言った。

あ。しまった。ルカに援護するって言い忘れてた。


≪あ・・援護するって≫

≪ゆってないね。≫

印が完成した船は爆炎とともにすげえ威力で離れたルカがいる場所まで巻き込んで蜷局をまいたのだった。

あの距離は・・多分巻き込まれない程度の距離だったってこと。。だよな。俺しまったか・・?

≪ルカ!!≫

≪ルカ・・≫

3分程経ったあと・・。

≪大丈夫だよ有難う。≫

通信してきた。

≪ひゅー心配したじゃん≫

って俺の爆炎ではルカにはかなわないってことも証明された。

≪お前がいうな!!≫

≪ああ・・おかげで本当の仕事がしやすかった。≫

そう・・確かにそう いったんだ。

煙の中から変な雲に乗ってシールドをといたルカが血にまみれて出てきた・・。

あれ?血?さっきまで血など付いていなかったのに・・それにシールドも・・完璧では?

俺の視線に気づいてすぐ雲のまま海に突っ込んだルカ。

なにゆえ~!!

ってかその雲の乗り物・・海に突っ込めるんですか!(@_@;)

ビックリ~俺。

そしてザブーっと海水浸しになって上がってきた血は落ちていた。

気のせいだったのかな。目をこすってみる。うんビチョビチョだ。途中からは合ってる。

そして俺のすぐ横に来て「乗って。」といい

シャボンは解かれ俺はオトメンではなくなった。

そしてアイツの方にも行って・・三人乗りキントウンだいっ

「ってこれ心清らかじゃなくても乗れるんだ・・」

「まあの。」

「ルカお前以外にオトメだな~」

「そうか?」少し嬉しそうにしたが多分どの部分が乙女なのかワカッテナイ。

談笑のなか俺たちは人気の少ない場所でおりタクシーを呼び・・ホテルへ戻った。

その間ずっとアイツは黙っていた。

何故か悲しい顔をしていた完全シールドで覗けなかったけど。

顔だけはすごく複雑な顔をしていたんだ。

ホテルへ戻って着替えたルカは会議室に行き仕事の話を付け認証をとってハンコを押し


マンションに帰宅した。
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