俺とアイツといとこ殿!
ルカ。。大丈夫だろ?

とりあえず4人を乗せて島についた頃・・ルカはまだ居なかった。

そりゃあそうか。

「おかえりなさいませ。」流華の側女(そばめ)と呼ばれる使用人に聞いてみる。

「流華は?」「流華様と一緒ではなかったのですか?」

この人はルカを個人として扱う珍しいお役なんだけど・・純血のみに仕える別枠。

「まだか・・いや気にしないで。別ルートで来だけだし」

「はい。流華様のお好きなキンツバもオウサカのムラサメもご用意しておりますのに・・」

お菓子の臭いでやってくるヤツじゃないだろ・・

「そうか。あいつも喜ぶよ・・」

俺は右翼と左翼の部屋 月の間に行った。

流華の部屋の 夜の間 の隣にある。

アイツはなにやら考え込んでいた。

「おい。」「ああ。」「何考えてたんだ?」

「いやね、あの状況でルカが助かるルート・・術式を使わないでこの島に来るとしたら・・」

「どっかにもし降りれてもアイツ。。。泳げたっけ?」

「それなんだよね。多分25Mしか泳げないんだよね。」

「なんで25Mなんだよ!」

「それは大した理由じゃないんだけど・・」

「この際全てが情報だ。教えてくれ!」

「ま。そうだね。でもほんとに理由は大した話じゃなくってさ。」

「おう」

「プールが25Mしかなかったからだって。」「へ?」

「海は果てしないからどこまで泳げばいいかわからない。プールはゴールがあるからそこまで泳げばいい」

「って・・まあ・・ほんとに大した話じゃないな・・」

「うん。。まあでもそうなって来ると遠泳という価値観は流華にはないわけだから。。泳いでわたってこないとも取れるんだよね。」

「まあそだな。島の絶対領域に入ってるから外国の船に助けられてるって線もあると思うが・・」

「まあそれはあるかもね。なに今日お前冴えてるね。たしかに時間は分かっていたはずだから何時にどの航路を何の船が通るってのは流華ならわかると思う。」

「・・・。けどよ。まずさあの状態でどうやって出るんだ?」

「・・・・・そこだよね。運転手達には特に口止めしてないからすぐに僕らも呼ばれると思うけど。。」

お茶菓子を食べながら・・お茶をすするアイツ・・

悠長にしてるな、結構。

「お前たち!!来なさい!!」島の上役だーーーやべーって気がする。

「ハイ!!」声をそろえて俺たちは会議堂へ向かった。

「来度は災難であったと聞く。島主によってお前たちは生かされここに今いることも聞いた。」

「灘様・・流華の生体反応は確認できますでしょうか?」ちなみにこのおやじは灘というお役で

災難や緊急事態の時いろいろ動くハズの人・・。

アイツが聞いた。そうだこのオヤジや島の能力技術者ならこの付近広範囲にルカの色を見つけることだって

出来る・・はず。

「今日から3日は神聖な儀式である。そのようなことはしない」

え??こいつも・・?

「なんなんだよ!!それ!!」俺はおっさんにつかみかかろうとした・・が

あいつに止められた。「待てって。心配なのは同じなんだよ。」

そのおっさんもそういえば青ざめている。バリバリ肯定派の人だもんな。

「おーーーいおうーーーい」

なんだか玄関先に人が集まっていく。家中に張り巡らされてる鈴がなる。

「行ってみようぜ。」

玄関には入らず息を切らして汗まみれのおっさんがいる。

「どうした。鈴まで鳴らして。」力をみんな使わないようにしているのは

完全にここに入ってから分かってきた。

いつも飛び交う電磁波みたいなのも力の漏れも感じないからだ。

こうゆうときには電話や原始的なものがとても役に立つ。

「どうした。まあ一息・水を飲みなさい。」酒だろそれ。

賢者が言った。

「そんなしてる場合じゃないんで。東の海岸へすぐ島主様を迎えに行って上げて下さいや。」

「あい。分かった。どうして東の海岸なのだ?」

「俺っちは目がいいから遠くの方に見えたんでさ。立ってこっちに向かってる島主様を。ああ懐かしや。海の上を走っている島主様何十年ぶりでしょうか。漁師もみんな見たって行ってます。早く迎えを!!」

船乗りってのはすげー目がいいからな。でも・・海の上を・・?

あの寝そべり嬢王が走るだって?そんな馬鹿な。

「立って向かって??とにかく上役総出で迎えに参るぞ。車を出せ。」

「は。」

車の中で俺はあいつに聞いた。

「流華って力を使わないで・・立ったまま海を走れるっけ?」

「あの時点で見なくちゃワカンナイっておもったね。でも良かった?無事ってのは変わらないみたいだ」

「ああ・・ほんとそれだけだよな。。」

謎は見ればきっと分かる・・・。

10分ほどすると漁師が言った海岸へ付いた。

ひゅーるり。人っ子一人いない海。そして俺ら・・

「見えるか??」

「いーや。」

上役もざわざわしている。

あの漁師のおっさん連れてくるべきじゃ・・なかったのかな。

賢者達は座布団なんか持ってきてお茶とかすすって傘さされて座っている。

年寄りだもんな・・。

上役の中で一番目の良いっていっても一般的な視力が良い人間なんだけど

「あれ?・・あれのことじゃないか?」

「あのデカイ波・・か?」

「魚群ではないか?」

「いや人らしきモノが立っているような・・」

様々な憶測が飛び交っている中で俺も靄の中なんかがこっちに向かってることは

分かってきた。

「あれじゃな。皆整列し迎えるように。」賢者が言った。

ら皆立つ。賢者ってのはかなーり偉い役所なんだ。右翼や左翼より。

「は。」

一応整列してみたけどみんな興味津々で海ばかりみている。
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