俺とアイツといとこ殿!
すげーピッチで飲んでるんだけど。

「最後に・・・断髪の儀を行います。」灘様と祭礼の烏帽子を被ったよくわからんおっさんが言った。

マジで切っちゃうの?

ゴクリと喉が唸る。

灘様は流華の髪を恐れ多いという感じで簡単に紙のリボン?で一つにまとめ

紙に覆われたハサミを持って・・パツン。

パツン。


目を背けた俺は・・エ?って思った。

流華の髪の先端5センチ程を切ったのを見たからだ。。

美容室で言う所の「長さは残して揃える程度でいいわ?」位だ。



はぁぁぁぁぁ・・

チョビットなのね。

焦った?俺。


髪の束を紙を敷いた木の置物に何個かに分けて置く。

よくわからんけど、きっと爺様のももっと先代のもどっかにあるんだろうなあ・・

髪を残すとかキモイ習慣だな。


大広間からすぐに儀に取り掛かる為 海岸沿いに面している家の一番奥・・儀式でしか使わないが

流華がなにやらたまに行ってる部屋に着替えて行った。

俺は右翼としてアイツは左翼としてヘンテコな衣装に身に纏う。

実際この奥の部屋に入ったことはない。

出てきた爺様は水浸しだったのは覚えてる。

水??そうだ、水の音がする。

「聖痕の儀のため開けます。鍵をおかしください」「うむ」指を出す。

アレ?って顔になる。

変な帽子かぶったおっさん。

「ここの鍵は何年か前から指紋静脈認証システムに変えてあるゆえ。そのカバーを開きなさい。」

「カバー。。。これでございますね。」「うむ」流華が指を当てる。

ピピ「認証しましたカンザキルカ」電子的な声がする すっげーハイテクじゃん。

木だと思ってたドアが自動で開くあら・・・鋼鉄を木で被ってあるわ・・・。

魚が一匹いる滝が目の前にあった。この魚にも意味がある。島の井戸にも一匹づついる。

井戸が汚染されたりもう飲めなくなると死んで上がってくるという。

そこで水質調査をすればいいってわけさ。

流華はすっと出て歩いてゆく。

滝壷に向かって歩いて最後は泳いで行く・・

ここだけすごく息がしやすい。流華がこの空間全てにいるみたいな感覚だ。

でもくらっとする。

と思ったらお付きの者の半数は倒れていた。

「え?」

賢者や上役は流石に普通にしていた。

「邪気がある者純血にかけ離れて遠いもの精神が幼いものはこの空気が毒に近いのだ。無害じゃがな・・・倒れたものを運ぶのだ。」

賢者の一人が教えてくれた。

「は。」

よっこらせと持ってきた酒を自分で注ぎルカがただ滝に打たれ何かを詠唱ではないが言っているのを

見ている。

俺も暇だから座っておこう。アレ??アイツは・・・?いねえな・・。

「左翼殿も運ばれたわい。まだまだ修行が足りんの?」

「まあアイツは・・邪だらけだから・・・はは俺ももらっていいっすか?
でも流華も邪気を纏ってるんじゃないのですか?」

「うむ飲みなさい。これを朝昼晩3日3時間続ければ終わるのだ。我々は見届けるぞよ。
島主様は纏ってはいるが完全にそれらを制圧しておる飲み込まれる事もない。他の者とは違うということだな。」

「はい!飲みます。あと、流華は違うけどそんなに違いますか?」

朝昼晩か?。それにここでもやっぱ別なんだな?体の作り自体が別なんだろうか・・?

「聞こえてこないかの?」「?・・・ああ・・なんすかこれは。。?」

「島の歌じゃよ。」「島の・・?歌ですか?」「うむ」

力を使ってはいけないのでなにをするってわけでもないが感じる聞こえる

優しい歌というよりは音・・なのかな そうゆう雨が降ってるみたいな感覚

「流華がうたってるんですか?」

「島主は島を詠唱によって慰め寄り添い機嫌が良くなった島が歌ってるという感じじゃな。」

「詠唱って力を使ってるんですか?」

「いや・・話しかけ会話をしていると先代は申していた。違うというのは
目に見えて声に聞こえて違う。話ができるものがここに何人いるのかの 
こちらから見ると詠唱に見えるんだが・・話せる。それこそが島に愛された証なのだとワシは思う。」

「ルカが鳥に乗ってシャチに乗って当たり前のように帰ってきたのにも納得できますね。」

「鳥とシャチか。がははは。」

「ヘリから飛び降りたが島が流華を殺すハズがないと信じていたと。」

「まあそうであろうな。信じるからこそ信じられるのじゃ。」

「それが当たり前に出来る人が純血ってことなんですか・」

「それだけではないが、それも一つである。私はな、あの子のそういう真っ直ぐな所が好きでな。」

またファンかよ・・。。

「実は先代には純血にすることを反対したのじゃ」「ええ?」

そこまでルカの為に肩入れする人間は少ない。

だってそうゆう道具みたいにしか思ってない上役は多い。

実際流華の能力や知力が欠けたら燃えないゴミ扱いだ。

「でも・・ルカ以上に相応しいやつなんてあの時居なかったし・・」

「ああ。だがあの時点で島主になることと総帥は決定しておったのだ。
飛び抜けて出来る子じゃったからな・・」

「ですね・・ってそうなんですか?」

「その上・・純血までの業を負わせてしもうたら可哀想でな。
まだ幼い女の子じゃ。そしてこの島の誰よりも真っ直ぐな気の優しい子じゃった。大分冷徹に鍛錬されたがな・・」

「・・・・・。」そうだ・・このおっさんはああゆうのを黙認したくなかったんだ・・。

「でもわしをその時打ってな。あの子は言ったのじゃ。では誰なら代わりがきくのだという。」

「打って・・まあいいそうですね・・・。」

俺は酒をがぶ飲みした。

一回復活したアイツが戻ってきたけどまた倒れて運ばれていった・・・

ふふ・・・悶えるほど悔しいだろう!!


「確かに右翼の前で言うのはなんだが・・相応しいものはあの子しかいなかった。」

「いや・・ホントのことですから・・・・」

だよな。。

「だが子供に全てを押しつけなにが島の繁栄だと思うワシも若かったのじゃろうな・・・
ファッファファ出し抜こうとするものを全てに間違いを告げ
鍛錬という名の地獄の鎖をわしらは強いてしまうのに
全てをこなして会社まで実質今も一人で最終チェックまでを行なってるわけじゃ・・
あの子がお役についてからミスした事はただの一度もない。
問答でもそうなのだ。そしてわしらを責めることもしない。」

マジかよ!!

「すごいですね・・。」

「凄い確かにそうだ・・ミス自体も純血は許されぬ・・だが・・・気をつけよ。右翼。」

真剣な面持ちになり少し声を小さくして紫の賢者は言った。

「力が膨大で才能も頭脳も飛び抜けておる純血の命か力かの寿命は少ないことが多い。」

「なん・・・すか・・それ。。」

「先代が申していたのじゃ。ルカ様に置いて心配になることといえば一つだけあると・・」

「爺。。様が・・」

ルカは知らないわけじゃないだろう・・だから何か焦りを感じるのか?俺は。

この間も地獄に連れていくとか言うのも死ぬって前提じゃないのか・・?


「ルカは・・死なせません。」
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