俺とアイツといとこ殿!
「まず強大な力は十中八九邪気のことである。邪気の性質的にはより多くの場所へ集まる。つまりこっちが封印術式を施した場所へ誘導し
邪気だけを喰らい尽くしたのち封印することなら可能かと思ってな。島のあちこちに良い場所がないか探しているのだが、
地図のどこを見ても封印術式だらけでな。。闇の国に属していた故非常に獰猛な世界と表裏なのだ。だから困っていたのだが」

そうだったのか。

「あとは封印術式を出来れば明日行いたいが、多分今夜仕掛けてくるであろう。もうすでに3人犠牲者は出ているはず引くに引けぬわの。
そこの問題もある。」

まじかよ。今日仕掛けてくるのか。
いとこなのにどうして仲良くできないんだろうな。

まとめてみると~
・力は使えない。
・封印の祠は結局3つ破られてる。あといっこ
・封印する場所が見当たらない。
・何が出てくるかわからない
・・・・・・多分邪気関係だ。
・憶測でしかないが同じ封印術式は使えない。
・相手は都合のいい代物だと思っている
・ルカは力を使わない

これどうやって収集つけるんだ?

なんだかんだで3日目。明日なら力は使えるのに・・・

「燕も警護に当たります。」
「よろしく頼む。」

いとこの顔・・顔・・・・なんとなく覚えてるけど・・。

俺らはなんだかんだ言いながら最後の祠に向かった。
賢人とまではいかないけど結構偉いさんがいてオレらは恐縮した。

「どうなのだ。」
「島主。お役ご苦労様でございます。」
「うむ」
「体術式が得意なものを連れてここにて待機しておりますが・・・今のところ破られておりません」
「まずいな・・・お役が高いものは目付け役から上のものは本家へ退避。
あとは引き受ける。帰れ。もう一つは医療術の使えるものを島にいる半分よこすのだ。
それでなんとかなる。あとは子供の数を数えよ。特に女子は外へ出さぬように。」

「分かりました。残りは?」
「本家で賢人殿でも護衛していればよい」

島にいる半分・・・
どうして医療術・・?

「島にいる中で医療術式は祝詞(のりと)に近いのだがそれなら使える。せめてここに結界をはることはできるだろう。」
「なるほど。わかったぜ。」

珍しく守りに徹するわけだ。
静かな祠の中ろうそくが揺れる。赤い光が流華を朧気に見せる。
まだ俺は追いついていないし、なんの判断もできない。
お前を守ることなんかできないだろうけど何かあったら代わりにチーンするくらいはできるのかな?
ほんとはそんなことしたくないけど俺ができること。・。・。・。・なんだろう。

日が落ちてきて用意されたゴージャスな座布団の鈴がなった。
「おい、揺れてないのに鈴がなってるぜ・・・」
「これは魔除けの鈴であるから揺れなくてもなるのである。」

ナヌー!きたろうのピーン!!ってやつってことかよ。

「なんかくるのか?」

「波の音がするであろう?足元を越えて満潮になればここは沈む。
そうして海の力を取り込んでいるのだが、行って帰って人が作業できるのは足がつかる程度。
その程度になれば我々も引き上げようと・・・思っていたのだが、向こうもそんなこと承知だったみたいだ。久しいな。光恵の娘と十一の息子」

俺はてっきりジャガイモみたいになったいとこを想像したが全然そうじゃなかった。
すらっとしたモデルみたいな二人が歩いて入ってきた。にんまりとしながら。

「ほかはどうした?」

「・・・・島主。いや、流華久しぶりだな。あとは殺したよ。僕ら二人が相応しいと思ったんでね。」
まさかのカップル?いやちがうか。
波の音が少し大きくなったちょっとずつだが、確実に満ちてきている。

「殺したか・・・・最初は図らずしも死んだであろう」

「そうだね。しゃしゃり出なくて正解だったよ」
赤茶色の髪間違いなく一族な見た目。

間合いを取る二人。
「知ってるだろうけど僕らだけが今力を使えるんだ。」
「使ってみなさい。」

「瑠衣使えない。君は?」
「貫ちゃん私もつかえない。流華あんたの仕業ね。いいえ・・うしろの医療術者を殺すのよ。」

「ひえええ・・当主様。お助けを。」
ルカの後ろで恐れながらもずっと封印の印を組んで術式を唱えている。
なぜ医療術だけがいいのかは分からないけど戦闘に持ってきたのはルカが初めてかもしれない。

「わかっている。ゆえに強力な結界を作り続けるのだ。意識を少しずつ飛ばして本家からでもしばれるように。」
「は、はい」
一番奥に医療術者がいるので俺を倒してからにしな状態。

「呪術医な。その手があったね。」
男の方はカンイチだったはず。カンチャンは俺よりは賢そうだが基本的にこんなことをやらかす奴はアホだ。
いとこが死んでも平気な奴もアホだ。んで今島のトップを殺しても平気な感じなところもアホだ。
つまりこいつはアホだ。

よし俺方程式できた。

「流華女のほうは俺に任せなさい!」
「わかった。剣なら出しても良いぞ。」
ラッキー体術オンリーよりもよっぽど分がある。

俺は瑠衣に近づいてこっそり言った
「おい・・やめねえか?許してもらうように俺から頼んでみるからよ。じゃないと俺お前のこと・・」

「純。。久ぶりだねー話すと全然変わらんね。なんであんなのの下僕になってんのあんたそんな玉?」

瑠衣のもっている短剣はどうやら特別なものらしい。赤目に対して折れたり燃えたりしねえ。

「この短剣どうしたんだ?随分似合わねえもんもってるじゃんか。」

「第二の祠で見つけたんよ。持ってると何か気持ちがふわふわしてくんのよこれ。」

「危なくねえ?」

ガキン。ガキーンと鈍い音を立ててマジでぶつかり合うオレらを流華は最初は傍観していたが
貫一の方に襲いかかられてそれどころじゃなくなったみたいだ。

あっちは武術オンリーって感じで途中からあいつが入ていってアイツと貫一の戦いになった。
ルカは祠を調べている。アイツ・・大丈夫かな・・?

足元に水が入ってきた。もうすぐここは海に沈む。
俺が視線を瑠衣から外したその時だった。
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