俺とアイツといとこ殿!
死にかけのおっさんの言葉は無視している。

「なるほどな~弱くても俺らの弱みを一気に逆手に取れば勝機もあるんだなあ。おっさんの体の中を流華は攻撃してるんだ?」

ってか・・虫が出てやだな。ここ。

「まあ・・そうだな・・私は組み替えても御霊を抜いてもいないが島の術式にのっとって体内に侵入し、攻撃しているだけだ。理解してしまえば似たようなことはできる。」

ああ・・あの・・俺らでも覗く中に入ってくるキモイアレを応用して・・おっさんがやったこと?を似たような感じにしてるだけなんだな。

「でもさぁなんでコイツは流華の御霊とやらをまっさきに抜きに来ないんだ?実質お前のを抜けばうちはゲームオーバーだぜ?」

「そうだな。私を取ればうちはゲームオーバーだ。そこがわかってればそれでいい。」

流華はそういって肺の下辺りだろうか。剣を突き刺した。ブチュリという音がする。

「ウガァァ・・・」

もう一度刺す ブチュリ・・次は胃の横?若干さっきから位置がズレてるな・・

さすがに疲れてきてるんだろうか。

でも今日のいざって時はどうにかできそうだぜ。

もう完全に弱ってるしな!!あはは 俺今のこいつなら絶対負ける気がしない!

「ガァハァァッ・・」

「もう人間語は話せないのか。ゴリラに退化したのか?」

ブチュリ・・二の腕にも刺す。。

・・・もしかして・・これって死なないように虐めてる??

炎もてんで出ないし。こええ・・マジかよ・

「なぜ出来るのにしないのだ。天武の才を鼻にかけ・・似たような事はするというのに・・御霊を奪うマネはしないのだぁあぁ・・」

しゃべった。俺ならもう話したくないね。死に際的な時にそんな疑問どうでもいいかも。

「馬鹿かお前。それを言うならなぜお前はせぬのだ」

「それは・・」

「出来ぬからであろう?将より馬から射たというわけだ。・・ま私は出来ないのではなく、しないのは決まっている。
完全にマネではなく・・それをしてしまうと不自然が生まれる。
それに私は神咲である。お前ではない。
何故我々の掟を破ってまでお前に披露せねばならぬのだ。しようとも思わん。」

「そりゃそーだな。なんで俺らがおっさんらに合わせて無理したり怒られたりしなきゃならんのよな?」

俺がそういうと流華は少し笑った。

「まあな、私は怒られるでは済まないが・・超えてはならぬ線を引き、いつなんどきでも決まり事や島民を守るのが島主である。そして私自体が若干用心深くてな。リスクなど持ちとうない。ははは」

流華・・楽しそーうに刺してるな・・・
心から楽しいってわけじゃないんだろうけど・・そう見える!仇討ってか。

島主としての正論と悪意のない悪口が俺をクラクラさせる。若干ではなく相当用心深いと思うが。

「ご立派なことで・・・」おっさんは諦めたように抵抗しなくなった。

なんでこういうコイツにも惹かれるんだろうか俺。確かにどう考えても悪者でしかない言葉と行動。

真珠みたいな綺麗な涙を流すルカにも俺は惹かれるし優しいルカにも惹かれるけど

やっぱ強い流華が一番かっけえなあ・・チョイワル乙女ではないが・・。

そんなにアイツを苦しめたこいつを虐めるのって楽しいんだろうか。いや・・意味はあるんだろうが。

俺もいっそ それくらいさっぱりと人をガンガン刺せれば楽なんだが・・やっぱどっかでセーブしてるんだと思う。

それに最初の方に殺さないようにするのがむつかしいと言ってたし遊んどいてと言ってたから殺さない意味がどっかにある。
はず!

島でいるときは殺さないと生きていけないとかそうゆうんだった。俺はね。

まあ俺に殺すだけの力がなかったから、ただ身を守ったり怪我させた位だったんだろうけど。

でも向こうはマジだから死にもの狂いってのがあったけど今は流華がいてどっかで時間稼ぎ的な自分もいたから止めを刺さなかったのかもな・・自分が相当やばかったらああ言われてても殺してたかも。

「ハァハァ・・ゲハァ・・」

血を吐き続けるおっさん。意識も殆ど無いんじゃないか?
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