俺とアイツといとこ殿!
れ・・俺の決めるとこだったんだろうなあ・・・。

「よくやった。さすが左翼だな。」

「流・・」かすれた声 薄い色・・だけど生きてる。

俺・・う・・嬉しくなんかないんだからねっ!

「良いのだ。考えず身をあずけよ」

「う・・・ん ごめ・・ね・・頼・ね」

完全に落ちた。

アイツはどんな気持ちで・・戻ったばっかの身体で張り詰めた不安なもどかしい時間を緊迫して・・

そして玄関で立ってたんだろう。少ない力を迎撃の為にガードで守って。アイツのくせに。

うぜえな。かっこいいじゃねえか。

緊急にベッドに運んで俺らはやっぱ純赤石を作った・・そばから薬にされたりつなぎに使われたので20個くらい作った。

さすがに疲れたぜ。

そりゃいつかの流華の言葉じゃないけど・・誰かひとりが大量に作れても先細る。

マジでそうだ。不自然ってやつを追跡しない限りこんなに攻撃は受けないと思ってたけど

不自然ってのを追求しなきゃ俺たちは力を衰退させ弱ったところでガブリされる。

してなくても同じだったかもしれない。
アイツは身を守るだけでこのマンションに入れないようにするだけでもう攻撃を受けてる。

それって今までにはなかったことだから・・余計な恨みを買ったってよりは核心に近づいているからナニカってやつが嗾けているようにも取れる。

だから流華の追うものってのは俺の中で真実味を増してゆく。

最初聞いたときはぶっ飛びすぎだろと思ったし、汚れ仕事をしなくたって流華は頭も切れるし美人だし金の亡者じゃないような奴らから守っていれば幸せになれるんじゃないかと思ってた。

でも違うんだな。

もう流華が何年もやってきたことってのは覆せないし多分幕は・・あがってるんだろう。

役者も揃ってるんだろう。俺らも含めて・・・。

ただ今日みたいに役者の顔合わせもギャラリーも見えないだけだ。

純血ってのはすんげー忙しくてすんげー悪者ですんげー賢くてそれで...いてやっぱ恰好いいんだな。

優しさの上に強さを持つとしたら中途半端な同情も覚悟もいらない。

それに俺はこの腕にだっこできる人間で精一杯だけど流華には島民と俺らだけで精一杯なんだ。

誰彼構わず殺そうとも守ろうともしてない。強い意志を感じる。

純赤石を作ったあと俺らは風呂に一旦入ったが・・

ずーーーっとずーーーうーっと念仏みたいなのが聞こえる。

うんざりするぜ・・めちゃ気になる~~・・

部屋全体に気が満ちて俺らも少し身体的には楽だし回復するけどさ。

精神的に病みそうになる。

髪を乾かしてから流華が俺の部屋に向かって歩いて行った

「どうだ?」

「それがその・・」呪術医は答えにくそうにしている。

「弊害があるであろう。」

「は。そうなのです。血管をつなぎ合わせても臓器を修復しても・・時間がたてば細胞ごと壊れてしまうので・・血があっても呪術医としてつなぎ止めているという状態でしかなく、離れてしまえばもう左翼様は・・駄目かと・・それでいなくとも今この時も非常に危険な状態にありますゆえ・・もしもの覚悟を・・」

「ならぬ。もしもの覚悟など今はせぬ。全力で助けよ。やれと言ったらやれ。」

ムチャ振り~

「は・・・理解。」

「・・お前。呪術医の手ほどきをしたのは・・もう何年前かの。」

部屋の椅子に腰をかけて静かに流華が言う。

「4年前でございます。」
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