俺とアイツといとこ殿!
次の日

アイツが目を覚ました。ちょこっと話したりもできるみたいだ。まだ俺は話してない。

話すだけで血を減らすのを今するべきじゃない。見には行ったけどさ。

まだまだうんぬん念仏のような祈りはやまない・・耳鳴りしてきた。トイレでも聞こえてる気がするもん

俺もその次の日から祈りに加わったけど流華は意外な珍客を連れてきた。

夕方くらいか。あの刑事のおっさんが流華の後ろで小さくなって入ってきた。

「おっさんっ!!」

「やぁ~」

「やあじゃねえ!流華どうゆうことだよ。」

「瞬ちゃんの部屋で寝ているやつをひきとりに来てもらったのだ。こやつのうちのものであろ?」

「そ・・・そうだろうけどよ・・」

「このお経みたいなのはなんですか?」

斉藤が靴をきちんと揃えリビングに入ってきた。

「風土宗教でな。ああやって祈りを捧げて治しているのだ。」

「へえ~まあ他人さんの宗教には口を突っ込みたくないですが・・病院に行った方がいいんじゃないですかな?」

「ほう。では斎藤グループが神咲グループの幹部をわけのわからない組織と結託しそして一人の時を狙い闇討ちし、
襲って年端もいかぬ少年が瀕死だとその病院の医者に何故このような状態なのかと聞かれたら正直に告げればいいのか?そのようにしようか?」

「・・・・・すみませーん・・ごめんなさーい」

平謝りですな。

だよな。一般的に見たらそうなるし、このおっさんだってそんな大問題になったら家を出てても血縁である以上警察に居れなくなる。

ま俺ら医者に見せてもほんとはわかんねえってサジ投げられるし意味ねえんだけど・・

掟で病院いっちゃいけねえしな。予防注射も点滴も輸血だって流華は許されてない。

予防接種は人間のかかる病気にはかからないから意味ないんだけど。

血を混ぜることや漏洩とかを凄く嫌うんだよ。島はね。

俺とアイツも右翼左翼になってからは許されてない。おっさんに言ってやる義理はないけどな。

斎藤のおっさんにはそうゆう当たり前な理由で十分だよな。

「してその一味の男を捕えているというのは・・」

アイツの部屋に流華が案内する。俺は流華の飲みかけの日本酒をちびちびと飲む。

新しいの出しとこう。アイツほど俺の手際が良くないせいか流華が昨日今日と機嫌悪いし。

髪の毛はねないようになったんだぜ。ふ・・俺の地味な努力。がんばれ俺!


斎藤のおっさんはまだ眠ったままの男を見て

「この男は生きているが・・なぜ意識を失ったままなんですか?なぜ縛って拘束しないのですか?危ないでしょう。意識を取り戻したら。
・・薬剤投与などはしてないですよね?」

刑事っぽいことを言った。

「お前たちが悪の化身だからと言って私まで地に落ちる必要はあるまい。此処に置いているのは拘束した拉致ではなく証拠であり、
気絶しているので看病まではしてないが最低限のモラルと善意である。
危なくはない。私は自分の身位守れるし護衛もいる。今は他にも誰かが起きている。薬剤については持って帰って調べればわかることだ。」

「ですね。聡明な統括殿がそんな人間を渡すわけも、万に一つの看板を汚す行為もするはずが・・なかったですね。
善意の真相は分かりませんが警察にその男が倒れていて保管されていたら神咲や斎藤どちらにも悪影響。それで合点がいきます。」

わかってるようなわかってねえような。

まー確かに人間らしく考えればそうなるかなあ・・。

「意識がないのはこちらの少年も無勢に多勢という状況で持ち帰ったのであるから抵抗やら一悶着はあったようだがな・・
それは正当防衛であろう。私が学校に居てまで狙撃されるのは斎藤の行いである。もうそやつらの後をつけさせたゆえ。」

「ふむ。学校に狙撃ですか・・穏やかじゃないですね・・。」

何やら真剣な顔は崩さない。

「報告ではお前の青山の実家に帰って行ったそうだ。」

「俺。俺もみてた。オレらが付けたもん間違いねえ・・」

「なるほど・・・してこれは別物件なのかなんなのかはわかりませんが・・つい一昨日郊外の公園にて大量の死体があがったそうでして神咲さんとこは関係ないのですか?」

「なんなのかは分からんだろうが、関係あると思って聞いているのであろ?」

「はい」やっぱこうゆうとこヤだぜ。

「関係はある。」

ゆうのかよ。

「なるほど。」

「だが・・うちから盗まれたものを返してもらっただけである。その他の事は知らぬ。」

「命?とかいいませんよね。」近い!ニアピンだ。

「うちが被害にあっているのは狙撃による校舎や自宅のマンションとその付近と見知らぬタクシーと知人の車の破壊と今治療中の少年である。」

ま・・まあ遠まわしにいうとそうだな。

「俺は・・被害届を出されても・・よいと思われますよ。すべてを明らかに・・」

「すべてなど、明らかにはならぬ。恥だけが着いてくる。」

そ・・そうゆうもんか?

「ですね。青臭いことをいいました。すみません。」

「なんでだ?俺はいいと思うけど。悪い奴は捕まえてもらおうぜ。」

ルカに聞いてみる。警察ってそうゆう時の為にいるんじゃなかったっけ。

「そんな公的機関という名の癒着の強い組織で円満に解決できるのは庶民と愚民だけである。爬虫類やわけのわからない組織との繋がりもうやむやになるだけである。こやつはそれ位見て来たろう。」

「トカゲの尻尾といいたいんですね。」

「ああ。」

「なんだそれ?」

トカゲやら爬虫類とこいつらがどう関係あるんだ?サッパリわからん!口が悪い気だけがするが。

「この少年は一切怪我をしてないですね。この純粋さが良い目を出したのでしょうか。」

俺を見て斎藤のおっさんは不思議そうにする。

「護衛故・・一人が出かけても一人は私と共にある。深い意味はない。
その一人が買い物に出かけた際に起きたことである。」

はぐらかすのうまいよな。半分はほんと。

まあコンビニ行くっていったんだっけ。強ち間違いじゃないけどな・・。

言葉に本当の事を混ぜながら本当に隠したいことは絶対言わずにちょっと自分に不利な事実を言うのが詐欺師だと誰かが言ってたような。サトプーだったかなあ・・


「なるほど。」

こいつ能力どうのって嗅ぎつけてるんじゃないだろうか。でも向こうと疎遠みたいだったし。

「おっさんはこの伸びてるおっさんを持って帰ってどうするんだよ。」

「ほう・・・気になりますか?」

「気になるね。だって学校いけねえもん。俺撃たれたりしたくねえし。」

「君は実にわかりやすくていい。」

斉藤ってやつがにんまりと笑った。

俺は流華に酒を注いで

「なんだよ・・答えろよ聞いてばっかじゃなくってさ」

言いかえしてみる。馬鹿にしやがって。

「ここに置いておくのもなんですしうちの責任なので本家へ連れて戻ることは戻るんですが・・」

「関係ないといわれるであろうな。」

「なんで?関係あるじゃん。」

「はあ・・そうですね。なので尋問をした後その辺に解放しようか、
俺に向かってきたなら公務執行やら傷害で上げようかと思うんですがね。」

警察っぽい答えだ・・・
< 99 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop