アオゾラ
第一章 サクラミチ
新しい制服。


新しい学校。


新しい友達。



私は今日から高校生になる。





「起きなさい、奈津美!」





「ん~、あと5分~。」



部屋に入ってくるなりカーテンを開ける母。





窓から射し込む光に眩しさを感じて私は布団に潜る。





「何言ってんのよ!あんた今日から高校生でしょ!?少しは自覚して早く起きなさいよ!入学式遅刻するわよ!?」




バッと布団を母が捲る。





「え、今何時!?てか何日!?」




私は慌てて起き上がる。




長い長い春休みを過ごし、すっかり日にち感覚のなくなった私は、母に問う。





「4月8日、8時まわったからね!」





母の言葉に血の気が引いていくような気がした。




「うっそ!?早く起こしてよ!」




部屋を出ていこうとする母におもいっきり文句を言う。





「何度も起こしたのに起きなかったのはあんたでしょうが。」




私は知らないよ、と言ったように母は部屋を出て行った。





「もーっ、遅刻するーっ!」




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