幼馴染みとの恋。
でも期待なんて隙間、どこにもなくて。
風すら入ってこれないような感じだった。
授業中、先生の名前や担当科目を教えてあげるのも眞鍋。
休み時間、学校案内をするのも眞鍋。
一緒にしゃべるのも眞鍋。
岡野さんに友達を紹介するのも眞鍋。
どこからどう見ても恋人だった。
...お似合いの。
休み時間、岡野さんが眞鍋に学校案内をしてもらってるとき、向こうの席から康太が来た。
「悠弥ーっ、転校生に見とれてるねぇ?
もしかして好きになっちゃった?一目惚れ?」
めっちゃ嬉しそう。こっちの身にもなってもらいたい。
そういや、言ってなかったっけ?
「岡野純愛は例の幼なじみだよ。」
しばらくの沈黙。
そりゃそうだ。あんな美人、そうそういない。
そんな子と幼なじみやってるなんて。
しかも転校生としてきた。
...偶然にしては運が良すぎる。
「...え?あの子?そなの?...え?」
混乱してるかな。
無理もない、けど。
「...他の子好きになる自信は?」
んなの、0%に近いけど。
「...頑張って、全力出して10。」
いや、3かも。
「そっ、か。
まぁあんなに可愛いもんね?
そっかぁ、あの子かぁ、悠弥がスキになった人...」
隣の席を見つめていた康太はそんなことを言うなりいきなり振り返って
「可愛い子だね!」
と言った。